岡崎公園(岡崎城)
家康公生誕の名城を偲ぶ愛知初の公園
家康公の祖父・松平清康が享禄4 年(1531)に入城した岡崎城の跡地を公園として整備。「日本100 名城」「日本の歴史公園100 選」に選ばれただけに見どころが多い。まずは三層五重の復興天守から城下を眺めたい。二の丸跡の『三河武士のやかた家康館』では松平家や三河武士の活躍ぶりがよくわかり兜(かぶと)の試着もできる。
グレート家康公 「葵」武将隊
強い絆の徳川家臣団は 400年後もワンチーム!
天下を統一し太平の世を築いた家康公。それを支えた徳川四天王と稲姫(いなひめ)が、紙製甲冑(かっちゅう)を身にまとい家康公の故郷に甦(よみがえ)った。来場者参加型のパフォーマンスで、ふれあいながら家康公や岡崎の魅力を発信。2020年の大河ドラマでいうと伊賀越えメンバーが勢揃い。ちなみに稲姫は本多忠勝の娘で、真田信之の正室になった小松姫の幼名。
●平日のおもてなし 10:00 ~ 16:00、
●「グレート演武」(随時6名) 土・日・祝の11 :00・14:00に「家康館前広場」で。
いちかわ
力強い八丁味噌ダレで ガッツリいただく味噌カツ
昭和2 年(1927)に創業。岡崎城の隠居曲輪(くるわ)にあり、龍城堀や江戸時代初期の石垣などの史跡を望みながら、岡崎産の食材にこだわった八丁味噌料理が味わえる。市内2つの老舗蔵の八丁味噌から作ったタレがかかった柔らかな味噌カツが売れ筋。家康公と四天王の名前を冠したパフェ各910 円も好評。
田中吉政
徳川四天王の次に注目したい戦国武将
田中兵部大輔吉政(1548 ~ 1609)は、戦ばかりか築城や町造りなどインフラ整備が得意だった武将。小田原征伐の功績から岡崎城を与えられると、郊外を通っていた東海道を城下町の中心を通るように変えてクランク状にした「岡崎宿二十七曲り」を整備、現在の町の骨格を作った。関ケ原では激戦を制したうえに石田三成を捕縛、筑後の柳川城主となり、そこでも水路や街道、堤防整備に力を入れ町造りに勤(いそ)しみ、有明海の干拓まで行った。
●像は愛知県岡崎市籠田町14
カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)
濃厚でコクがある三河のご当地味噌
カクキューは、岡崎城から西へ八丁(約870 m)離れた八帖町(旧八丁村)で江戸時代初期から八丁味噌を造り続けている。大豆のみで大豆麹を造り塩と水を一緒に木桶に仕込むが、水を少量しか使わないのが特徴。職人の手で重石を円すい状に積み上げ二夏二冬(2 年以上)長期間熟成するため、大量生産できない貴重なもの。
瀧山寺
炎とともに「狂鬼乱舞」春を呼ぶ天下の奇祭。
役小角(えんのおづぬ)開創と伝わる古刹。天下太平・五穀豊穣を祈り鎌倉時代から続く奇祭「鬼祭り」は2 月15 日。15 時の松明行列に始まり「火まつり」(19 時45 分~)がクライマックス。燃え盛る炎のなか鬼が邪気を祓うさまは圧巻。当日はシャトルバスで。
純情きらり手形の道
DVDを見返して ロケ地めぐりに、いざ!
覚えている朝ドラファンも多かろう『純情きらり』(2006 年度上半期)は岡崎が舞台。ロケが行われた岡崎公園や『八丁味噌の郷』周辺に、ヒロインの宮崎あおいや室井滋などキャストの手形モニュメント10 個が点在している。『あまちゃん』(2013 年度上半期)で勉さんを演じた塩見三省は、八丁味噌職人の浦辺仙吉役で出演していた。
●見学自由。
ビスタライン
400年変わらぬ景観を守る郷土の徳川愛に感動しきり
岡崎城とその約3km 北にある大樹寺を結んだ直線をビスタラインという。寛永18 年(1641)、3 代将軍家光が祖父家康公の十七回忌を機に、本堂から三門、総門を通して真中に岡崎城が望めるよう大樹寺の伽藍(がらん)を配置。「眺望」を意味する「ビスタ」の名の通り、今なお遮る高層建築がなく寺から天守が見通せる。
●見学自由。愛知県岡崎市鴨田町広元5-1(大樹寺)
三菱オートギャラリー
最新のPHEVに至る 技術の歩みを目の当たりに
アウトランダーやアウトランダーPHEV(プラグインハイブリッドカー)などを製造する三菱自動車工業の岡崎製作所。三菱歴代の名車20 台を年2 回入れ替えて展示するギャラリーがあり、車づくりの歴史や技術をじっくり確認できる。見学後はカフェでドリンクのサービスも。正門前には自由に見学できる全天周プラネタリウムも。
中嶋石油
あの中嶋悟のお兄さんが経営するガソリンスタンド
日本人として初めてF1 にフル参戦しグレーデッド・ドライバーになった中嶋悟(1953 ~)は岡崎市出身。この近辺の山道で運転の腕を磨いた。F1 ブームを知る昭和世代には英雄、平成世代には同じくレーサーになった一貴や大祐の父と言ったほうがわかるかも。私事ながら1989 年にF1 を追っかけした際、好物の焼きそばをおいしそうに食される姿を各地のレストランで拝見しました。
旧花街
独特な風情を探して 歩く古い街並み
東海道五十三次38 番目の宿場である岡崎宿は、街道随一といわれるほど遊女が多く一流の芸妓も置かれていた。現在の伝馬通が宿場の中心で、江戸時代中頃には飯盛女が旅人を力ずくで引きずり込むような状態だったという。大正時代に整理され、戦後まで「東遊廓」「龍城連」「松栄連」「羽柱連」が「岡崎の四花街」と呼ばれてにぎわった。龍城連のあった板屋町や松栄連のあった松本町の一角では、一見普通の住宅地でも民家の意匠や区割りに面影がみられる。
太田油脂
日本で初めてえごま油を食用化した搾油の老舗
明治35 年(1902)創業、昔ながらの圧搾製法を守る老舗搾油メーカー。原料から搾油、製品化まで一貫して生産管理。タレントのRIKACO さんと共同開発、昨秋発売した「プレミアムセレクトオイル」シリーズは、えごま、ローストキャノーラ、アーモンドの3 種類あり540 円~。工場見学は2 週間前までに要Web予約。
IPCわんわん動物園
思う存分ふれあい、大人も子供も笑顔に
たくさんのイヌたちと気軽にふれあい体験できる。世界の珍犬・名犬展示コーナー、おさんぽレンタル、ドッグラン、チワワのおうち、珍犬撮影会、エンジェリーヌペットと盛りだくさん。飼い犬同伴で園内見学可。併設のペット専門学校の学生さんの一生懸命な働きぶりにも注目。個人的にはわんわん神社の白に黒ブチ鳥居がツボでした。
石工団地神社
石都岡崎ならではのオール石造の神社
岡崎の石工業は岡崎城築城のとき大坂から石職人を移住させたことに始まる伝統産業。石工団地の一角に石造りの祖神「建真利根命(たけまりねのみこと)」を祀る。高級御影石でできた絵馬を、強い意志(石)で叩き割って絶縁祈願する趣向もおもしろい(1回500 円)。そばに石のトイレ、組合のキャラを描いた展望台もある。
浄瑠璃姫供養塔
浄瑠璃の名の起源になった平安ヒーローと姫の悲恋
岡崎の歴史譚(たん)は戦国時代に限らない。京都の鞍馬から奥州へ向かう牛若丸(源義経)と16 歳の浄瑠璃姫の悲恋物語は平安時代の岡崎が舞台。承安4 年(1174)の出会いから300 年以上経って、京都でにわかに語られ始めた不思議も興味深い。物語の真相はともかく、日本の代表的な伝統芸能「浄瑠璃」の名もここから生まれた。
●見学自由。
愛知県岡崎市康生町
村積山
山頂で毒石、もとい三角点にタッチ
形が秀麗で富士山に似ているため「三河富士」と呼ばれ、花の咲く山の美しさに見とれた持統天皇が「花ぞの山」と命名したと伝わる。社殿左手に石柵に囲まれた高さ1 mほどの奇妙な石がある。室町時代に九尾の狐の怨霊退治で栃木県那須の「殺生石」が砕けて全国に飛び散った際に落ちた破片の一つだとか。昔から「毒石」と呼ばれ、触れると災いに遭うと恐れられているそうな。
●奥殿陣屋から往復約1 時間。
愛知県岡崎市奥殿町・奥山田町
近藤勇の首塚
謎解きを楽しみつつ合掌したい
新選組局長・近藤勇は慶応4年(1868)に江戸で斬首され、京の三条大橋に晒された。首は隊士の斎藤一が奪還し宝蔵寺の住職に託されたという。宝蔵寺は松平家の菩提寺で、幼少期の家康公(竹千代)が読み書きを学んだとされる古刹。首塚の真偽はともかく、徳川ゆかりの寺に幕府方の英雄が眠ると思うと感慨深い。
●拝観自由。
愛知県岡崎市本宿町寺山1 宝蔵寺
万足平の猪垣
岡崎城の武士のそれとは 趣異なる、庶民の石垣
イノシシやシカなどの野生生物から農作物を守るために庶民が造った石垣。関東にも点在するが、岡崎市のこれは男川上流の宮崎地区に多く残され延べ約50kmと大規模。万足平には延長612 mのも見られる。高さが2 mほどあり万里の長城のような眺め。"十二里の長城"と呼びたい。ちなみに宮崎地区は俳優平泉成の故郷だ。
●見学自由。
愛知県岡崎市中金町字万足平
志賀重昂
散歩ツウなら押さえたい近代岡崎を代表する偉人
志賀重昂(しがしげたか 1863 ~ 1927)は岡崎城下で生まれた地理学者。世界各地を訪ねて得た見聞を著書にした。「恵那峡(えなきょう)」や木曽川の「日本ライン」を命名したり、静岡県森町を「小京都」と称賛した人物でもある。岡崎公園のアラモの碑をはじめ、彼の発願で建立された釈迦堂(東天竺山世尊寺)や岡崎東公園界隈にゆかりのスポットが多い。