「壁」の姿が見えてきた世界~映画『ワンダーウォール 劇場版』 監督・前田悠希&脚本・渡辺あやインタビュー
廃寮の危機に瀕した京都の学生寮に住む学生たちと、大学との間に立ちはだかる壁。2018年にドラマとして放送された『ワンダーウォール』は、100年以上ものあいだ建物とともに引き継がれてきた豊かな文化と、それを壊そうとする大学側の姿から、現代社会の不可思議な権力構造を浮かび上がらせ、大きな反響を呼んだ。ドラマの放送後も、写真集の発売やトークショーの開催、SNSなどでの交流を通してその世界は広がり続けてきた。そして未公開カットを含む劇場版が、6月19日から新宿シネマカリテほか全国の劇場で拡大公開される。大切な場所が失われるかもしれない――。この切実な物語が生まれてからの2年間について、前田悠希監督とオリジナル脚本を手がけた渡辺あやさんにお話を伺った。