しゃれたなりながら、ガツンと本気を味わう『wood good brothers』
家具バイヤーの兄・木村雄太さんと、バリスタの弟・雄麻さんがタッグを組んで開店。椅子もテーブルもライトも植栽も、すべて値札が付いた商品だ。肌触りや使い勝手を試しつつ、手作り料理やドリンクが味わえる。中でも、8種類のスパイスを使ったバターチキンカレーのドリアは、濃厚&スパイシーで半熟卵がとろ~り。小ぶりなスキレットだが、思わぬ食べ応えにも驚く。クリーミーなラテと合わせたい。
『wood good brothers』店舗詳細
スパイスの魔力にひれふす週末カフェ『raccoon』
「主人がカレー好きでハマってしまって」と、店主の井澤さんは、夫婦でレシピを7~8種完成させた。ポークと週替わりカレーに加え、「西荻はビーガンの人が多くて」と、歯触りの妙で人気を博した野菜が定番に昇格。鼻腔をくすぐるスパイスの香りに迷ったら、ハーフ&ハーフか、3種盛りで個性異なる味を満喫すべし。食後には、48度以上には熱を加えずに作るロースイーツで口中鎮火を。一人席、ソファ席もある居心地のよさ、長居したくなる。
『raccoon』店舗詳細
/定休日:水・木/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩5分
体に染みわたる旬の野菜の底力『cafe ilo』
青梅と群馬から届く有機野菜を見て、作る料理を決める店主の橋上智子さん。「野菜のおいしさを伝えたくて。それに皿を埋めたくなるんですよね」。iloプレートの多種多彩な総菜は、口に運ぶたびに香味が際立ち、刮目する。さらに、『えんツコ堂』の風味が力強いスペルト小麦のパンも添える。けれど、主役はやっぱり野菜のスープ。大鍋で仕込んだ野菜だけの旨味がやさしい風味。しみじみ細胞に行きわたるようだ。
『cafe ilo』店舗詳細
懐かしくも新しい、味と空間に頬が緩む『器カフェ 棗』
注文後に蒸し上げるシューマイの定食が看板。だが、日替わり定食ファンも少なくない。鶏の唐揚げをさっと醤油ダレにくぐらせたり、ポテサラにトマトペーストを忍ばせたり。「前日に献立を決めることが多いんです」と、笑う。料理に色気を添えるのは、金継ぎしながら丁寧に使い続ける作家ものの器。気張らないけど、工夫を凝らしたおかずに誰もがにんまり、ほっこり。サクランボが揺れるプリンにもため息。
『器カフェ 棗』店舗詳細
ゆるりと朝の時間を味わう贅沢『LE LIEN』
鳥や葉擦れなど、森の音が響き、朝の光が差し込むなか、店主の近藤祐子さんが鮮やかな手つきでお茶を用意する。季節ごとに約12種の茶葉を揃え、香りを際立たせたり、苦味、旨味を醸したり。「それぞれの茶葉の好きな部分を強調して淹れるんです」。上生菓子や抹茶ババロアなどといただくのもいいが、メニューに朝セットなるものが。粥、ちまき、玄米から選び、主菜、副菜も週替わりからセレクト。茶を喫しながら、滋味深き味を心ゆくまで堪能したい。
『LE LIEN』店舗詳細
発想の数々に目から鱗うろこ! 体が生き返る『cafe Bask』
「ビーガンだった時期があって」と、店主の上山飛香瑠さん。納得できる外食店に出合えず、それならばと一念発起。外国人客はもちろん、野菜を食べたい普通の人も足しげく通ってくる。農家直送の有機・無農薬野菜を扱う八百屋からの、仕入れ次第で献立を決め、「強い味方」と豪語する高野豆腐をカツや、ハンバーグに。スイーツには木綿豆腐から作る自家製の豆腐クリームが添えられ、これまた甘みがやさしい~。
『cafe Bask』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=原 幹和
『散歩の達人』2019年11月号より