国立大学法人岡山大学
2025(令和7)年 6月 22日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
<発表のポイント>
- 岡山大学病院腎泌尿器科では、腎盂・尿管がんの方に対して腎摘出を行うことなく、内視鏡下にレーザーを用いて腎温存・低侵襲手術を行っています(透析回避)。
- 最新のレーザーと高性能の内視鏡を駆使し、治療成績も向上しています。腎盂・尿管がんの患者さんは高齢の方が多く、腎機能障害など複数の合併症を持たれている方も多いです。
- 本治療により、腎機能保持とがんの根治を両立させることを目指します。
◆概 要
腎盂・尿管がんは発見が遅れることも多く、早期・進行がんに関わらず腎尿管全摘手術、という腎臓と尿管を全て摘出する治療が標準治療として本邦・世界で広く行われています。
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の学術研究院医療開発領域(岡山大学病院腎泌尿器科)の片山聡助教(特任)と同大学学術研究院医歯薬学域(医)腎泌尿器科学の荒木元朗教授を中心とするグループは腎臓を摘出することなく、ツリウムレーザー※1とホルミウムレーザー※2を併用し腫瘍を焼灼、根治を目指す”腎温存手術”に積極的に取り組んでいます。
同治療に関する研究が、2022年5月に「European Urology Focus」、2022年11月9日に「International Journal of Urology」に掲載されました。
欧米との多施設共同研究を行い、岡山大学独自の低リスク(がん進行リスクの小さい)患者さんの同定基準を設け、その適応に当てはまる患者さんに本治療を行い、腎臓の温存とがんの根治を目指します。
また、腎臓が一つしかない方、高度腎機能障害を有する方などにおいて、腎臓を一つ摘出することにより透析生活を行わざるを得ない場合があります。そのような方の場合、腎臓・尿管を摘出してがんが治っても、透析を行うことで生活の質は低下し、寿命も縮めてしまうリスクがあります。そのような方には、腎臓を摘出しないことによる恩恵を受けられるよう本治療を行っていきます。
腎盂・尿管がんは高齢の方も多く、この腎温存手術は今後推し進めていくべき治療であり、本邦での普及に向けさらなる研究、普及活動を続けていきます。
本情報は、2025年6月17日に岡山大学から公開されました。
◆片山聡助教からのひとこと
私は、小さな尿管がんの患者さんが腎臓も一緒に摘出される標準治療を疑問に思っていました。腎臓をとらずにがんの治療はできないものかと考え、この治療を始めました。腎盂・尿管がんの患者さんが、幸せに長生きできるよう、活動を続けていきます。
◆論文情報
論 文 名1.:Accuracy and Clinical Utility of a Tumor Grade- and Stage-based Predictive Model in Localized Upper Tract Urothelial Carcinoma
掲 載 紙:European Urology Focus
著 者:Katayama S, Araki M, et al.
D O I:10.1016/j.euf.2021.05.002.
U R L:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405456921001541?via=ihub
論 文 名2.:Biological and prognostic implications of biopsy upgrading for high-grade upper tract urothelial carcinoma at nephroureterectom
掲 載 紙:International Journal of Urology
著 者:Katayama S, Araki M, et al.
D O I:10.1111/iju.15061.
U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/iju.15061
◆詳しい研究内容について
レーザー治療で透析回避!~腎盂がん・尿管がんを「腎臓を摘出せず」に治療~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20250617-6.pdf
◆参 考
・岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 腎泌尿器病態学分野
https://www.uro.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
岡山大学病院が所在する岡山大学鹿田キャンパス(岡山市北区)
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医療開発領域(岡山大学病院)腎泌尿器科 助教 片山 聡
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-7287
FAX:086-231-3986
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1395.html
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8745、086-251-8746
FAX:086-251-8748
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://venture.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学統合報告書2024:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002801.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2025年4月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003002.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
- 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
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