これぞ魚のお昼ご飯!老舗『季節料理 いし井』[日本橋]
日本橋駅から徒歩数分。小さな路地の地下にある『季節料理 いし井』。ここは創業40周年をこえる知る人ぞ知る名店。毎日、絶品の魚のお昼ご飯を求めて日本橋で働く多くの人々が訪れる。多い時には6回転、7回転するという人気ぶり。
一年を通して変わらないメニューが、同じ値段で提供されているのもうれしい。魚へのこだわりはもちろんだが、ご飯やみそ汁への気遣いが人気の秘訣。常に炊き立てご飯を提供するため、お昼だけで6回程度ご飯を炊く。ここでしか昼食を食べないという超常連さんも少なくないとのこと。
口コミでうわさは広がり、今では4割程度が女性のお客様であるとのこと。良いご飯を食べたいという方におすすめだ。
『季節料理 いし井』店舗詳細
お昼メニューは全品もちもちうどん付き『三冨魯久汁八』[三越前]
三越前駅からすぐ、日本橋室町のむろまち小路から路地をすこし入ったところにある、青森の「旨いもの」を発信する和食店。青森から直送される食材を使った料理が堪能できる。丸の内からでも徒歩圏内だ。
お昼のメニューはお刺身定食や漬け丼、煮魚などの魚料理のほか、ステーキやしゃぶしゃぶなどの肉料理も楽しめる。
人気の漬け丼の漬け醤油は、醤油に酒とみりんを合わせて2週間ほど寝かせたもの。普通の醤油よりあじがとがっておらず、まろやかな味わいだ。
お米は青森のブランド米「晴天の霹靂」。そして、定食に付いてくる味噌汁のように、お昼のメニューすべてにうどんが付いてくる。店のオリジナルレシピで作られたうどんはもっちもちで、最高の食感と食べ応え。
うどんのお出汁は鶏ベースで、鶏の甘みがあり、「うどんに負けないように」しっかりとした味付けとなっている。
『三冨魯久汁八』店舗詳細
本格的な石臼挽きの手打ち蕎麦『日本橋 室町 紅葉川』[三越前]
『日本橋 室町 紅葉川』は、大正期の初頭に創業した老舗。自家製粉のそばと柔らかくておいしい京都の鴨を使った鴨せいろは、名店ひしめく日本橋界隈でも人気が高い。店頭の石臼で毎日挽くそば粉は、黒い外皮以外は、すべての部分を使った全粒粉だ。ほのかな香りを守るため1分間に12回転とたっぷり時間をかけている。
挽きたて、打ちたて、ゆでたてのそばが運ばれてきたら、まずはひとくち、何もつけずにそばだけを食べてみよう。冷水できゅっとしめられたそばはひんやりとして、しっかりとしたコシがある。喉を通り過ぎていくときに、繊細なそばの香りがふわりと立つ。次に、細かい油がキラキラと輝く鴨汁にくぐらせてすすると、鴨の旨味をまとったそばは、ますます勢いづいて胃袋に駆け下っていく。
汁の中には、この店ならではのスライスされた鴨肉と大ぶりなつくねが入っていて、繊細なそばとの相性が素晴らしい。二度三度と通いたくなる逸品だ。
『日本橋 室町 紅葉川』店舗詳細
専門店の極上の焼き鳥をランチで堪能『京橋 伊勢廣』[京橋]
最寄り駅は京橋、日本橋界隈から歩いても5~6分ほど。中央通りから路地に入ると、『京橋 伊勢廣』の 暖簾が揺れている。
創業は大正10年、老舗の焼き鳥専門店で、夜は要予約の焼き鳥コース料理のみ。接待に使われることの多い名店も、ランチは1000円台から極上の焼き鳥を堪能できる。
鶏は、『伊勢廣』の求める肉を知り尽くした問屋から、健康にすくすく育ったおいしい肉だけが毎朝届き、全員で串打ちする。創業当初から変わらぬ「おいしく楽しく鶏を食べてほしい」という思いに貫かれた焼き鳥は、今まで食べたことのない別次元の味わい。
しっとりとしたささみにはおろしたてのワサビが添えられ、プリッとしたもも肉はかむと肉汁があふれ出す。口の中でほろほろとほどける、つなぎを入れずに焼いた団子(つくね)も忘れられない。焼き鳥を味わうだけでなく、心地よく過ごせる店内空間づくりにも心を砕く。親子3代で通っている常連も多い名店。
『京橋 伊勢廣』店舗詳細
リーズナブルにこだわりの洋食が楽しめる『レストラン 東洋』[日本橋]
『レストラン 東洋』として創業したのは昭和41年。日本橋交差点からほんの十数メートル、日本橋の中心で50年以上営業を続ける歴史ある洋食店。
中央通りを見下ろす2階のレストランからは、日本橋の賑わいが眺められる。はじめてここでエビフライやビーフシチューを食べたという人もいたとのこと。
ランチタイムにはリーズナブルな価格で大満足の洋食が提供されている。素材はもとよりデミグラスソースやベシャメルソース、タルタルソースなど手作りにこだわった料理は長年愛され続け、以前日本橋で働いていたシニアの皆さんもこの変わらない味と昔からのスタッフを懐かしみ定期的にここを訪れる。
『レストラン 東洋』店舗詳細
日本橋で130年以上時代に流されず江戸前を守る。『𠮷野鮨本店』[日本橋]
箸袋の裏に「日本橋 髙島屋さん真裏通り」の文字。屋台時代を含め、日本橋で130年以上寿司を生業とする。酢飯は赤酢と塩のみ、マグロはヅケでも出し、コハダは粗塩をまぶしてしっかりしめ、ほぼすべてのネタに煮きりやツメを塗って出すなど、江戸前の仕事を大切にしてきた。「おまかせもいいけど、時には自分の好きなネタを自由に頼んでほしい。寿司の良さはお客さんが自由にメニューを組み立てられるところにあるから」と5代目。
『𠮷野鮨本店』店舗詳細
昭和元年創業の魚屋がルーツ。魚の目利きに自信あり。『繁乃鮨』[三越前]
ルーツが魚屋だけあり、仕入れるネタには自信あり。「昔は2代目の親父と築地に行って、どんな魚を選ぶのか目で学んでましたね。仲買との付き合いが何十年とあるから、本マグロも最上級のものを出してくれるんです」と職人歴27年の3代目・佐久間さん。縦返し3手という美しい所作で握られる寿司は、やや小ぶりで舟形の品のある佇まい。自慢の赤身を口に運べば、そのねっとりとした官能的な食感と、濃厚なうまみに悶絶!
『繁乃鮨』店舗詳細
心弾ませる一品がメニューに並ぶ洋食店。『レストラン日本橋桂』[三越前]
レトロな雰囲気が安心感を与えてくれる老舗洋食店。「夜は飲んべえの集まる店なのよ」と笑うママさんは、昭和37年の創業時から、店を守ってきた。今日もきれいに紙ナプキンを折り、ほどよい距離感の接客でもてなしている。メニューはどれも魅力的。迷って頼んだC料理は、大迫力の大海老フライに目を奪われる。エビの食感を楽しむべく、大きくカットして口に含むと、ふくよかな香りが広がり、ビールと一緒に味わえば、もう最高。
『レストラン日本橋桂』店舗詳細
ハーフサイズでおひとり様イタリアン。『RESTAURANT NORMAL』[人形町]
ふんわり焼かれたオムレツにかけられているのは、エビ、カニを殻ごと煮込み、トマトやエビみそなどと一緒にすりつぶして作るアメリケーヌソース。ほんのり甘くて優しい味に、ふっと心が休まる。「卵は長寿卵を使っています。これがおいしいんですよ」と、話してくれたのはシェフの橋本幸浩さん。雑音を立てず、見目麗しい料理を手早く仕上げる。上質な食材と熟練の技。ひとりでワイン片手に、いろいろなメニューを楽しみたい。
『RESTAURANT NORMAL』店舗詳細
老舗洋食店はうれしい7 種盛り。『西洋御料理 小春軒』[人形町]
明治45年(1912)創業の東京を代表する洋食店の一つ。この店の特製盛合せ1400円は、エビフライ、白身魚フライなどミックスフライの定番ネタに加えて、カジキマグロとイカのバター焼きが加わりバラエティ豊か。細かいパン粉を使い、ラードで揚げるので衣はサックリして軽い。注目はカラスカレイを使った白身魚フライ。ふわふわで口の中でとろける。ごろっとしたジャガイモが入るポテトサラダは、自家製マヨネーズが味の決め手。
『西洋御料理 小春軒』店舗詳細
随所に細やかな工夫が光る握りのコース。『鮨 山沖』[三越前]
店主の山沖新さんは、寿司一筋30年。店を構えてからは12年になる。昼メニューは握りと巻物がズラリと一人前。柵漬けのマグロのヅケや、貝柱を添えて口当たりにキレを加えたウニ、切れ目を入れてシャリを詰める玉子など、独創的な品を手際よく握る。また「これを目当てに来る人もいるんです」という、イワシの出汁のお吸い物。わずかに入ったまぐろ節の甘みに、ホッと人心地がつく。
『鮨 山沖』店舗詳細
ごろりと大きな肉が迫力満点の焼き鳥丼。『むろまち鳥や』[三越前]
「開店から20年、この形で作ってきました」と、オーナーの塚越澄枝さん。たっぷり盛られたご飯の上に、正肉やつくね、レバーなど大粒の焼き鳥がところ狭しと並ぶ。中でも、ぶっとい千寿葱をムネ肉で巻いたねぎ巻きは滋味にあふれ、後引く味わい。あっさりめのタレが、鶏の味を引き立てる。毎日3時間以上炊いて旨味が凝縮した鶏ガラスープのまろやかさでひと息ついて、さらに丼をかき込む。
『むろまち鳥や』店舗詳細
4種のカレーが並ぶ豪華ランチ。『南インド食堂 Beans on Beans』[新日本橋]
南インド出身のシェフ、ラビンドラさんが作るのは、1960~70年ごろの地元レストランの味。口当たりと共にやや濃厚で、後味が爽快だ。「沖縄県産の新鮮なカレーリーフなど、素材が自慢」と、店主のチェトリさん。ミールスは昼でもマトン、チキン、ポリヤル、ラッサム、サンバルが並ぶ豪華版! 煎餠風のパパドを割ってバスマティライスに散らし、熱々のチャパティから頬張ろう。
『南インド食堂 Beans on Beans』店舗詳細
ゼラチン豊富で、お肌もしっとり。アナゴ専門店『日本橋 玉ゐ 本店』[日本橋]
アナゴ専門店が打ち出した名物は、約70㎝のアナゴを丸1本使う太巻きだ。夏から秋の旬に1年分を仕入れ、さばいて煮アナゴの状態で冷凍保存。今日使う分だけを焼き、タレを付け、もう一度焼けば、タレが染み込んで滋味深くなる。これを具沢山の太巻きにドーンとのせる。「タレこそ、自慢です」と、寿司職人で広報の佐藤裕二さん。アナゴ数万本の旨味が凝縮されているという。ゼラチン質が豊富で、持ち帰る頃がしっとり食べ頃。
『日本橋 玉ゐ 本店』店舗詳細
空間に導かれるように店をオープン。『北出食堂』[馬喰町]
飲食店をオープンすべくニューヨークで修業した北出茂雄さんは、帰国後に住む部屋を探していた時、偶然見つけたこの物件に一目惚れ。じっくり開店準備をするつもりが、「建物の力に導かれて、さらに周囲の支えもあり、今すぐ始めようと一念発起しました」。料理は、北出さんがニューヨークで食べたストリートスタイルのタコスに、日本の食材を盛り込んだ「東京のメキシカン」。多彩なトッピングを手のひらサイズのトルティーヤで巻き、かぶりつこう! インダストリアルがコンセプトの内装デザインで、気取らずにいられるのがいい。
『北出食堂』店舗詳細
“日本初のトリッペリア”を堪能する。『Osteria UNETTO』[茅場町]
「フィレンツェでは、モツが日常的に食べられていて、街の人々が元気。うちでもモツを味わい尽くしてほしい」と、自称日本初のトリッペリア。煮込みやパテ、ソーセージにパスタと、メニューはモツであふれている。特にアラビアータは、モツの歯ごたえと、パスタのツルツルが、楽しい食感。また、ランチに所望すると、コップワインが無料提供! 料理とあわせて飲めば、昼からほろ酔いで、ゴキゲンだ。
『Osteria UNETTO』店舗詳細
新発想のハンバーガー。『Jack 37 Burger』[小伝馬町]
「サンバルソースの味に合うように、全ての食材を研究しました」とは、オーナーの小木野正幸さん。新婚旅行で訪れたインドネシアで口にしたサンバルソースの、辛みと酸味が生みだす爽快感に心を奪われ、ハンバーガーで使うことを決意した。研究を重ね、再現したサンバルソースは、ミディアムレアのビーフパティと相性ばっちり。バーガー袋に残ったソースをポテトにつけても乙な味。クラフトビールと一緒に召し上がれ。
『Jack 37 Burger』店舗詳細
取材・文=桂水社中、鈴木健太、佐藤さゆり・髙橋健太・松井一恵(teamまめ)、丸山美紀(アート・サプライ)、夏井誠、松本美和 撮影=井上洋平、井原淳一、オカダタカオ、加藤昌人、門馬央典、金井塚太郎、木村心保、高野尚人、山出高士、丸山美紀(アート・サプライ)、夏井誠、松本美和