日本橋で130年以上時代に流されず江戸前を守る。『𠮷野鮨本店』[日本橋]

アナゴ330円やコハダ330円ほか江戸前の仕事が入った握り。シャリが辛めで、ガリも鮮烈な辛さ!

箸袋の裏に「日本橋 髙島屋さん真裏通り」の文字。屋台時代を含め、日本橋で130年以上寿司を生業とする。酢飯は赤酢と塩のみ、マグロはヅケでも出し、コハダは粗塩をまぶしてしっかりしめ、ほぼすべてのネタに煮きりやツメを塗って出すなど、江戸前の仕事を大切にしてきた。「おまかせもいいけど、時には自分の好きなネタを自由に頼んでほしい。寿司の良さはお客さんが自由にメニューを組み立てられるところにあるから」と5代目。

車エビは塩をして甘酢に漬けてから出す。屋台時代は保存も兼ね、もっと漬け込んでいたと思われる。
砂糖を使わず、赤酢と塩のみで酢飯を作る。
5代目。

『𠮷野鮨本店』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋3-8-11/営業時間:11:00~14:00・16:30~ 21:30(土は昼のみ)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日本橋駅から徒歩2 分

昭和元年創業の魚屋がルーツ。魚の目利きに自信あり。『繁乃鮨』[三越前]

ランチの1人半前1800円。

ルーツが魚屋だけあり、仕入れるネタには自信あり。「昔は2代目の親父と築地に行って、どんな魚を選ぶのか目で学んでましたね。仲買との付き合いが何十年とあるから、本マグロも最上級のものを出してくれるんです」と職人歴27年の3代目・佐久間さん。縦返し3手という美しい所作で握られる寿司は、やや小ぶりで舟形の品のある佇まい。自慢の赤身を口に運べば、そのねっとりとした官能的な食感と、濃厚なうまみに悶絶!

宮内庁に納めることもあるアジ。江戸前のものを使うことも。
しめたばかりのコハダ。しっかり酢を利かすのが江戸前。

『繁乃鮨』店舗詳細

住所:東京都日本橋本町1-4-13 高根屋ビル/営業時間:11:00~13:30・17:00~21:00/定休日:土・日・祝/アクセス:三越前駅A1 出口から徒歩2 分

日本橋流に進化したインド人もびっくりの店。『インドカレー フジヤ』[三越前]

キーマカレー850 円を持つ佐藤さん。ごはん皿にサラダがのる。

下駄屋、靴屋、パン屋と続いた小店が、20年前からインドカレー店に。「初めは自称インド人のパキスタン人が作ってたけど、ある日消えちゃった」と、店主の佐藤元規さんは笑い飛ばす。記憶を頼りに試行錯誤し、今じゃじっくり炒めたタマネギに、フルーツやヨーグルトを加えて煮込み、3日ほどルーを寝かせている。人気はチキン。骨からほろりとはずれて柔らかく、現地人御用達の店で調達したスパイスが、ヒリヒリと口中で暴れだす。

店内はカウンター席のみ。4.5種類あるカレーの仕上げは注文後。
チキンカレーのBランチ(~ 14時)900円。

『インドカレー フジヤ』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋室町1-12-13遠藤ビル1F/営業時間:11:00~15:00(土は~14:00、ランチメニューなし)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩2分

心弾ませる一品がメニューに並ぶ洋食店。『レストラン日本橋桂』[三越前]

流れるような動きで調理する、コックの手塚清照さん。

レトロな雰囲気が安心感を与えてくれる老舗洋食店。「夜は飲んべえの集まる店なのよ」と笑うママさんは、昭和37年の創業時から、店を守ってきた。今日もきれいに紙ナプキンを折り、ほどよい距離感の接客でもてなしている。メニューはどれも魅力的。迷って頼んだC料理は、大迫力の大海老フライに目を奪われる。エビの食感を楽しむべく、大きくカットして口に含むと、ふくよかな香りが広がり、ビールと一緒に味わえば、もう最高。

C料理は、ライスも付いて1550円。
白いクロスが落ち着く雰囲気を演出。
客席まで、肉を焼く香ばしさが漂う。
人気メニューのハンバーグステーキ玉子付800円(ライス別150円)。

『レストラン日本橋桂』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋室町1-13-7/営業時間:11:00~ 14:00LO・17:00~20:30LO(土は昼のみ)/定休日:土夜・日・祝/アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩5分

ハーフサイズでおひとり様イタリアン。『RESTAURANT NORMAL』[人形町]

蟹と木の子のオムレツハーフサイズ750円。

ふんわり焼かれたオムレツにかけられているのは、エビ、カニを殻ごと煮込み、トマトやエビみそなどと一緒にすりつぶして作るアメリケーヌソース。ほんのり甘くて優しい味に、ふっと心が休まる。「卵は長寿卵を使っています。これがおいしいんですよ」と、話してくれたのはシェフの橋本幸浩さん。雑音を立てず、見目麗しい料理を手早く仕上げる。上質な食材と熟練の技。ひとりでワイン片手に、いろいろなメニューを楽しみたい。

牛ほほ肉の赤ワイン煮ハーフサイズ1000円はスペインワインTARIMA HILLグラス850円と相性よし。
カウンターでくつろぎたい。
2月に神楽坂から移転。小粋な外観。

『RESTAURANT NORMAL』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町2-32-6/営業時間:11:30~13:30LO・17:00~ 21:30 フードLO/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄浅草線・日比谷線人形町駅から徒歩5分

老舗洋食店はうれしい7 種盛り。『西洋御料理 小春軒』[人形町]

間違いないフライのオンパレード。しじみ汁は別で100円。

明治45年(1912)創業の東京を代表する洋食店の一つ。この店の特製盛合せ1400円は、エビフライ、白身魚フライなどミックスフライの定番ネタに加えて、カジキマグロとイカのバター焼きが加わりバラエティ豊か。細かいパン粉を使い、ラードで揚げるので衣はサックリして軽い。注目はカラスカレイを使った白身魚フライ。ふわふわで口の中でとろける。ごろっとしたジャガイモが入るポテトサラダは、自家製マヨネーズが味の決め手。

地元客はもちろん遠方から通う常連も多い。
「特製盛合せにハマるお客さんは多いですよ」と、4代目の小嶋祐二さん。

『西洋御料理 小春軒』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町1-7-9/営業時間:11:00~14:00・17:00~20:00/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

随所に細やかな工夫が光る握りのコース。『鮨 山沖』[三越前]

お昼のメニュー2000円。握り8種+巻物。好みのネタを追加も可。また、握り10種+巻物で3000円のメニューも新たに追加

店主の山沖新さんは、寿司一筋30年。店を構えてからは12年になる。昼メニューは握りと巻物がズラリと一人前。柵漬けのマグロのヅケや、貝柱を添えて口当たりにキレを加えたウニ、切れ目を入れてシャリを詰める玉子など、独創的な品を手際よく握る。また「これを目当てに来る人もいるんです」という、イワシの出汁のお吸い物。わずかに入ったまぐろ節の甘みに、ホッと人心地がつく。

テンポよく巻物を用意。
カウンター席のみ。

『鮨 山沖』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋室町1-12-14/営業時間:12:00~14:00・17:00~22:00/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩1分

ごろりと大きな肉が迫力満点の焼き鳥丼。『むろまち鳥や』[三越前]

焼き鳥丼1100円。ランチでは鶏ガラスープのラーメン1100円も人気。

「開店から20年、この形で作ってきました」と、オーナーの塚越澄枝さん。たっぷり盛られたご飯の上に、正肉やつくね、レバーなど大粒の焼き鳥がところ狭しと並ぶ。中でも、ぶっとい千寿葱をムネ肉で巻いたねぎ巻きは滋味にあふれ、後引く味わい。あっさりめのタレが、鶏の味を引き立てる。毎日3時間以上炊いて旨味が凝縮した鶏ガラスープのまろやかさでひと息ついて、さらに丼をかき込む。

昼間は20席の店内が5回転ほどする。
店長の若山栄司さんと、女将の野辺恭子さん。
入り口は小さい。行列が目印だ!

『むろまち鳥や』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋室町1-5-13 ツカコシビル1F/営業時間:11:00~13:30・17:00~22:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩1分

4種のカレーが並ぶ豪華ランチ。『南インド食堂 Beans on Beans』[新日本橋]

ランチのミールス1150円はサラダとラッシーも付く。

南インド出身のシェフ、ラビンドラさんが作るのは、1960~70年ごろの地元レストランの味。口当たりと共にやや濃厚で、後味が爽快だ。「沖縄県産の新鮮なカレーリーフなど、素材が自慢」と、店主のチェトリさん。ミールスは昼でもマトン、チキン、ポリヤル、ラッサム、サンバルが並ぶ豪華版! 煎餠風のパパドを割ってバスマティライスに散らし、熱々のチャパティから頬張ろう。

右端から、ラビンドラさん、チェトリさん。
夜はおつまみも充実。米粉と豆粉を使うワダ600円はビールと!

『南インド食堂 Beans on Beans』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋本石町4-4-15 平和本社ビル2F/営業時間:11:30~14:30LO・17:30~22:00LO/定休日:日の夜/アクセス:JR総武快速線新日本橋駅から徒歩2分

ゼラチン豊富で、お肌もしっとり。アナゴ専門店『日本橋 玉ゐ 本店』[日本橋]

食べやすく切り、竹皮で包むあなごたっぷり太巻2500円(タレ付き)は、おみやげに喜ばれる。

アナゴ専門店が打ち出した名物は、約70㎝のアナゴを丸1本使う太巻きだ。夏から秋の旬に1年分を仕入れ、さばいて煮アナゴの状態で冷凍保存。今日使う分だけを焼き、タレを付け、もう一度焼けば、タレが染み込んで滋味深くなる。これを具沢山の太巻きにドーンとのせる。「タレこそ、自慢です」と、寿司職人で広報の佐藤裕二さん。アナゴ数万本の旨味が凝縮されているという。ゼラチン質が豊富で、持ち帰る頃がしっとり食べ頃。

締め加減を重要視する、江戸前寿司職人。
ビルの谷間にある本店は、元酒屋。室町店など他3店あり。

『日本橋 玉ゐ 本店』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋2-9-9/営業時間:11:00~14:00LO・17:00~ 21:LO(土・日・祝は11 :30~15:00LO)。おみやげの店頭販売は11:00 ~21:00。/定休日:無/アクセス:地下鉄日本橋駅から2分

空間に導かれるように店をオープン。『北出食堂』[馬喰町]

選べるタコスの具材を自家製の国産トルティーヤに挟んで。タコスプレート1980円。

飲食店をオープンすべくニューヨークで修業した北出茂雄さんは、帰国後に住む部屋を探していた時、偶然見つけたこの物件に一目惚れ。じっくり開店準備をするつもりが、「建物の力に導かれて、さらに周囲の支えもあり、今すぐ始めようと一念発起しました」。料理は、北出さんがニューヨークで食べたストリートスタイルのタコスに、日本の食材を盛り込んだ「東京のメキシカン」。多彩なトッピングを手のひらサイズのトルティーヤで巻き、かぶりつこう! インダストリアルがコンセプトの内装デザインで、気取らずにいられるのがいい。

内装のコンセプトはブルックリンの工場。
店内にバーカウンターも。
店主の北出さん(左)とスタッフの皆さん。

『北出食堂』店舗詳細

住所:東京都千代田区岩本町1-13-5 8BLD1F/営業時間:11:30~14:00LO・17:00~21:30LO(日・祝は~21:00LO)/定休日:月/アクセス:JR総武快速線馬喰町駅から徒歩4分

“日本初のトリッペリア”を堪能する。『Osteria UNETTO』[茅場町]

体の底から熱くなる心地よい辛さのモツアラビアータ900円。

「フィレンツェでは、モツが日常的に食べられていて、街の人々が元気。うちでもモツを味わい尽くしてほしい」と、自称日本初のトリッペリア。煮込みやパテ、ソーセージにパスタと、メニューはモツであふれている。特にアラビアータは、モツの歯ごたえと、パスタのツルツルが、楽しい食感。また、ランチに所望すると、コップワインが無料提供! 料理とあわせて飲めば、昼からほろ酔いで、ゴキゲンだ。

コックの熊谷達人さん。手際よく鍋を振るう。
1階のみならず2階でもくつろげる。

『Osteria UNETTO』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋茅場町3-4-8/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~22:00LO/定休日:土昼・日・祝(4月29~30日・5月3~7日)/アクセス:地下鉄東西線・日比谷線茅場町駅から徒歩2分

新発想のハンバーガー。『Jack 37 Burger』[小伝馬町]

JACK BURGER1350円。志賀高原ペールエール750円とともに。

「サンバルソースの味に合うように、全ての食材を研究しました」とは、オーナーの小木野正幸さん。新婚旅行で訪れたインドネシアで口にしたサンバルソースの、辛みと酸味が生みだす爽快感に心を奪われ、ハンバーガーで使うことを決意した。研究を重ね、再現したサンバルソースは、ミディアムレアのビーフパティと相性ばっちり。バーガー袋に残ったソースをポテトにつけても乙な味。クラフトビールと一緒に召し上がれ。

あえて低めに設計したというカウンターは、くつろぎスペースだ。店内には肉とパンが焼ける香りが広がる。
思わず立ち止まりたくなるかわいい外観。

『Jack 37 Burger』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋小伝馬町16-16/営業時間:11:30~21:00LO/定休日:火/アクセス:地下鉄日比谷線小伝馬町駅から徒歩6分

構成=フラップネクスト 取材・文=桂水社中、鈴木健太、佐藤さゆり・髙橋健太・松井一恵(teamまめ) 撮影=井上洋平、井原淳一、オカダタカオ、加藤昌人、門馬央典、金井塚太郎、木村心保、高野尚人、山出高士