かま家 [箱根湯本]
入浴中に、釜めしいっちょあがり!
もとは寿司屋だったが、1995年に釜めし屋となり温泉も開放。毎朝、沼津の市場で仕入れた魚介を具材に使う。人気はしゃけ親子釜めし。注文すると「40分で炊けるから、ごゆっくり~」と、店主の大倉スズさん。硫黄香る湯に浸かり、戻ってくればちょうど炊き上がりだ。蓋を開ければ、昆布とかつお出汁で炊いたご飯の芳香ににんまり。サケのホクホクとイクラのプチプチが交じり、たまらない。
『かま家』詳細
おふろcafé白寿の湯 寝かせ玄米と糀料理 俵や [丹荘]
体を内側から整える、発酵三昧の御膳
「温泉で体の外から、食事で体の内から代謝を整えてほしくて」とは、支配人の吉田健一郎さん。名物の御膳は、総菜から甘味まですべてに発酵食品を使う健康志向だ。ふっくら柔らかな寝かせ玄米®は、噛むほどに味わい深く、つみっこ汁の優しい風味に一息つく。また、サバ料理店から仕入れたサバも外せない。押し寿司は、肉厚なサバと甘みある寝かせ玄米の酢飯がマッチして、頬が緩む。
『おふろcafé白寿(はくじゅ)の湯 寝かせ玄米と糀料理 俵や』詳細
東京染井温泉 Sakura [巣鴨]
湯上がりピリ辛麺で、代謝がさらに爆上がり
和洋折衷多彩に並ぶメニューは、各分野専門の料理人がそれぞれ考案した本格派。中でも「風呂上がりの体に、酸味が良い感じに効くんです」と、副支配人の岩井さんが熱く語るのは、創業時から一番人気の酸辣湯麺(スーラータンメン)だ。とろとろのスープをすすると、鶏ガラのコク深い味わいとほのかな酸味、辛味が全身を駆け巡り、芯から温まる。喉越しよい中太麺も相性良く、一気に平らげてしまう。
『東京染井温泉 Sakura』詳細
サイボク天然温泉 花鳥風月 [笠幡]
肉の甘みと風味がじわり広がる
自社牧場産のゴールデンポークを使った豚肉料理がズラリ。名物のロースカツは「素材のよさがわかるよう、あえて下味はつけていません」と、シェフの山﨑義一さん。何もつけず口に運べば、パン粉のサクサクと肉の柔らかな食感に感動。脂身の甘さが口内を包み込み、濃厚な肉の味に恍惚(こうこつ)となる。キャベツには大葉の千切りも混ざり、後味爽やか。最後のひと口までペロリと食べ進められる。
『サイボク天然温泉 花鳥風月』詳細
深大寺天然温泉 湯守(ゆもり)の里 [調布]
野趣あふれる郷土料理を独り占め
「都内にいながら、田舎っぽいというのがテーマ」と、チーフの佐々木都さん。地方から仕入れた旬の山の幸を使った郷土料理で、湯上がり後もさらにほっこり心和ませる。毎年、常連衆が心待ちにしているのがせり鍋。根を入れて煮立てた出汁をすすると、しみ出た風味がじんわり滋味深い。葉の部分をサッとくぐらせば、青々とした風味が直撃。締めにはご飯と卵を頼み雑炊にして余すことなく味わいたい。
『深大寺天然温泉 湯守(ゆもり)の里』詳細
杉戸天然温泉 雅楽(うた)の湯 食事処 みやび [東武動物公園]
卵の優しさに包まれた、甘~いカレー
「この界隈では、江戸時代に『たまごふわふわ』という料理があったそうなんです」と、副支配人の天野正明さん。杉戸農業高校と共同で、伝統料理と地元名産のカレーをかけ合わせて開発したのが、たまふわ杉農うどんだ。表面を包むのは、たっぷり生クリームとともに攪拌(こうはん)した卵。底のうどんを持ち上げ一気にすすれば、とろけるような甘みとピリリと軽い辛味が溶け合い、湯上がりの体に染み渡る。
『杉戸天然温泉 雅楽(うた)の湯 食事処 みやび』詳細
取材・文=高橋健太(teamまめ) 撮影=井上洋平
『散歩の達人』2022年1月号より