アクセス良好、ズバリ“穴場”のエリア
巣鴨といえば“おばあちゃんの原宿”として有名だ。後述する「とげぬき地蔵尊」や門前の巣鴨地蔵通り商店街が高齢者の絶大な指示を集めているという印象だが、果たしてマンションのプロからみるとどんな街なのか?
「一言でいえば穴場です」と石川さん。JRでは池袋から2駅。地下鉄三田線を利用すれば、大手町や日比谷などの都心、山手線の反対に位置する田町(三田)、目黒などへのアクセスもよい。
さらに、地図をみると豊島区の巣鴨駅は、文京区と板橋区、北区にそう遠くないことがわかる。六義園や小石川植物園(ともに文京区)、旧古河庭園、少し離れて飛鳥山公園(ともに北区)といった都内有数の憩いスポットが歩ける距離にある。名門の中学校・高校が多いなど、子育てを考えても住みやすい街と言えそうだ。
地下鉄三田線巣鴨駅の出口目の前という絶好の立地にあるのが「藤和シティホームズ巣鴨STATIONVIEW」。敷地がT字状になっており、にぎやかな大通りと静かな裏通りの両方に面している。
「とげぬき地蔵」の街をぶらぶら歩き
巣鴨の街は、中山道(国道17号線・白山通)で東西にわかれる。併走する中山道の旧道は巣鴨地蔵通り商店街として知られ、800メートルにわたり約200店舗が連なる。その中ほどに、有名な「とげぬき地蔵尊」こと高岩寺がある。
高岩寺本堂には、延命地蔵菩薩の尊影があらわれた「霊印」が本尊として祀られている。霊印は秘仏だが、その地蔵尊尊影をうつしとった「御影」を分身分霊として本堂内で授与している。「御影」を財布などに入れて携帯したり、体の痛いところ、よくなってほしいところに貼ったりすると、御利益があると伝わる。
毎月4のつく日(4日、14日、24日)はとげぬき地蔵尊の縁日。露店がならんで「地蔵通り商店街」がいっそうにぎわい、昔懐かしい雰囲気を味わうことができる。
昔ながらの大衆食堂や和菓子店、赤パンツで有名な衣料品店など、味わい深い名店の多い地蔵通りは何度訪れても楽しい散歩ロード。ここに住んだら、名物の塩大福を食べ比べて、お気に入りの味を見つけたい。
商店街を西に進むと、周辺に大型のマンションが目立ち始める。地蔵通りに面した「パークホームズ巣鴨セントラルアヴェニュー」は、2~3戸に1つのエレベータを設置する贅沢な造り。左右振り分けで2面開口の住戸にするなど、プライバシーを確保しながら明るく開放感ある空間が特徴だ。
知る人ぞ知る名店をお見逃しなく!
商店街を離れた住宅街の裏通りに潜んでいるのは、2015年にオープンした『パティスリー・ヨシノリ・アサミ』。店主の浅見欣則さんは、フランス・アルザス地方で経験を積み、最高峰のコンクールM.O.F.グラシエ(アイス職人)部門で日本人初のファイナリストになった有名シェフだ。
巣鴨に店を開いた理由は、とげぬき地蔵尊とのご縁。「物心ついたころには、祖母に連れられ、たびたび埼玉からとげぬき地蔵尊にお参りに来ていました。フランスから日本に帰り自分の店を出す時、巣鴨がよいと思ったんです」。
北区滝野川に東京国際フランス学園があるため、近隣に住むフランス人が多く来店するという。本場の味を知るフランス人客からも支持されるというパフェやケーキは、ぜひ季節の新作を味わいたい。華やかなショーケースを吟味して、そのときもっともおいしいスイーツを選ぶことから楽しもう。
『パティスリー・ヨシノリ・アサミ』のある巣鴨駅の西側、商店街から少し入り込むと、閑静な住宅が広がる。十文字中学・高校の向かいにそびえる「Brillia巣鴨」は、「重厚にして優美を語れる唯一無二の洋館」をコンセプトに、重厚で格調高いゲートを備える高級マンション。巣鴨駅の隣駅、大塚駅にもほど近く生活しやすいエリア。
巣鴨地蔵通り商店街を抜けると、都内唯一の路面電車・東京さくらトラム(都電荒川線)の庚申塚駅へ。ホームには隣接するのは、おはぎと焼きそばが名物の『甘味処 いっぷく亭』。
「あたたかいおはぎを食べてほしい」と、注文が入ってからつくるのが女将・神宮圭子さんのこだわり。あんこももち米も、店内で手づくりしている。
焼きそばは、店主の神宮隆久さんが試行錯誤で進化させている一品。麺や味付けをチョイスして、自分好みのスタイルをみつけよう。野菜が多めに使用された優しい味わいに、紅生姜代わりに添えられた甘めの福神漬が、絶妙のアクセントを加えている。
中山道沿いにそびえる「グローリオタワー巣鴨」は、「敷地南側には『花と緑のガーデン』を設置しており、春にツツジ、夏にフヨウ、秋にキンモクセイ、冬にユキヤナギが花を咲かせるなど、豊富な植栽が四季を通じて私たちの目を楽しませてくれます」と石川さん。
「メトロステージ西巣鴨」は、JR板橋駅まで直線距離で700mあまり。「明治通りに面していますが、エントランスは1本入った私道のアプローチを設け、セキュリティとプライバシーを確保しています。さらにエントランスは空地部分を大きくとり、大きな門構えのゲートと、よく手入れされた広い植栽スペースが施され、重厚感とグレードの高さを醸し出しています」と石川さん。
駅前酒場を攻略しよう!
中山道の東側は、サッカー、ラグビーの強豪校として名を馳せた本郷高校、オリンピック選手を数多く輩出する「東京スイミングセンター」、東京中央卸売市場の豊島市場など、敷地の広い施設が多いエリア。かつては植木の名所として知られ、ソメイヨシノが生まれた地でもある。
東京スイミングセンターに隣接する『東京染井温泉SAKURA』は、地下1800mから天然温泉を汲み上げる人気のスーパー銭湯。巣鴨駅から徒歩8分の好立地ながら、静かでゆったりとした空気が漂う。
広々とした露天風呂にたたえられた琥珀色の湯は、芯からあたたまる塩化物泉。岩盤浴やサウナも充実している。年会費330円で飲食や岩盤浴の割引が受けられるSakura会員に加入して、都会の温泉ライフを満喫するという暮らしも魅力的だ。
夜の巣鴨駅前に足を運べば、ロータリー周辺で営業する昔ながらの飲食店が、心と体を癒やしてくれる。
『ゆたか食堂』は、地元で60年以上愛される大衆食堂。飲んべえの心をつかんで離さない味と、マスターと女将の気さくなもてなし、そして圧倒的なコスパに驚愕する。
自慢の丼つゆのみで味付けされたポテト100%のコロッケは、これ以上ないチューハイの友。ほかにも、500円のうなぎ、150円のひれかつ(1枚)、200円のしゅうまいと、魅力的なおつまみメニューがずらり。近所に住んでいれば、右から左に制覇できるのに……。
こうして巣鴨を歩いてみると、“おばあちゃんの原宿”だけで片付けられない、実にさまざまな表情がみえてくる。近年では「若い人や外国人も来てくれるようになった(『いっぷく亭』神宮さん)」というように、変化も見えはじめているそうだ。伝統を重んじながら、新しい巣鴨を見出そうとする地元の人たちの街づくりを、今後も見守っていきたいものだ。