紫仙庵[目黒]
隠れ家系そば屋の最高峰が下目黒に
駅前の喧騒(けんそう)を離れた、緑あふれる住宅地の一角。店主の宮下和夫さんが実家を改装して作った知る人ぞ知る名店だ。一級品の国産ソバ粉にこだわった十割そばは、香り、風味も豊かな極上の一品。そば湯もトロトロ。蕎麦前はどれを頼んでも頬が緩むほど、こだわりぬいた日本酒の数々といつまでも楽しめてしまう。宮下さんは元広告マン。自分らしさを 100%出せる場が必要だと思い、試行錯誤の末に仕事を辞めてこの店を構えたそう。決して便利な場所ではないが、それでも行く価値のある本物のそば屋だ。
『紫仙庵』店舗詳細
夢呆[白金高輪]
街場のそば屋は白金にだってあるんです
学芸大学駅で 50年以上続いた『夢呆』が 2012年に白金に移転。外観こそ白金らしいおしゃれさだが、「うちはあくまで街場のそば屋」と店主の和田邦興さん。なるほど、たしかにメニューにはそばにうどん、それに丼も。以前からの名物そば「夢呆」も健在だ。茹で上げたそばに大根のツマ、大葉の千切り、白ごまをパラリ。そばとツマの食感の対比は心地よく、大葉のさっぱり感が涼を添えてくれる。いつでも寄れる通し営業なのも普段遣いにはうれしい。
『夢呆』店舗詳細
取材・文=かつとんたろう 撮影=小野広幸