【西口】
昭和にタイムトラベルしたかのようなレトロ喫茶『カフェ・ド・巴里』
池袋西一番街にある純喫茶。ベルベット調の椅子やシャンデリア、ステンドグラス、金色の鹿の像をはじめとした調度品が配され、ゴージャスな店内は、昭和レトロを感じさせる。ラインナップされるメニューは、たっぷりと使ったケチャップの甘さと酸味を感じられる「喫茶店のナポリタン」700円や、卵の風味を強く感じるやや固めの「昔ながらの昭和プリン」650円など、純喫茶ではレギュラーの料理が並ぶ。どちらもドリンク付きのセットで楽しめる。
『カフェ・ド・巴里』店舗詳細
人生相談にも応じてくれる、女性に人気の『探偵カフェ PROGRESS』
スタッフがすべて現役の探偵というコンセプトカフェ。池袋を拠点に探偵業を請け負う『総合探偵社プログレス』が運営しており、店内には事件現場のように人型の白い線が描かれたり、拳銃やショットガンなどが飾られ、探偵事務所のような演出となっている。女性客が多いことからアルコールが少し弱めのスイーツカクテルを用意しており、道明寺(桜餅)990円をはじめ、全20種類のカクテルがそろう。合わせて楽しむ料理は、高タンパク、低カロリー、低脂肪なワニ肉を使ったワニタンの炙り1980円、整腸作用やダイエット効果があるというサボテンのナムル990円など個性的なメニューを楽しめる。
『探偵カフェ PROGRESS』店舗詳細
「究極の味」を堪能できる老舗純喫茶『炭煎珈琲 蔵』
西池袋一番街にある純喫茶。重厚感のある内装で、大きな柱時計や「癒」と書かれた書など配される調度品にもセンスが光る。名物の水出しコーヒー700円は、炭火焙煎したモカをベースにブレンドした豆を使用し、アルカリイオン水を使って、その日の天候や気温に合わせて8~12時間かけて抽出する。このほか、フルーティーな香りが広がり、深みのある味が口の中を支配していく炭煎(たんせん)スペシャルブレンド700円、アイスコーヒーと脂肪分4%の北海道牛乳をハーフ&ハーフで注がれ、さらに自家製クリームを入れたカフェ・ラテ(アイス)800円も人気。
『炭煎珈琲 蔵』店舗詳細
立教大生に愛される食事充実の純喫茶『セントポールの隣り』
立教大学と細い道をはさんで隣にある、1978年オープンの老舗喫茶店。1位が授業、2位が部活、3位にデート、4位にこの店のバイトという独自のルールの元働く立教大生が多く、長く愛されている。充実の食事メニューが魅力で、ハンバーグだけでも5種類以上、カレーも何種類も用意する。おすすめの「まりちゃんカツ」はご飯、サラダ、味噌汁がついて798円。厚みのある鶏むね肉を使い、揚げたてなので熱々、サックリとした衣で、中はしっとりジューシー。デミグラスソースとホワイトソースで味わう、コクのあるひと皿だ。バナナジュース495円もおすすめ。
『セントポールの隣り』店舗詳細
おいしくて安心安全な食にこだわる自然派カフェ『Kimi Natural 73+ CAFÉ』
外国人向けの宿・貴美旅館内にあり、2021年7月にオープンしたカフェ。「外国人客の多くは外でコーヒーを買ってきているから、旅館の中でカフェをやったらいいんじゃないですか」というスタッフのひと言と、コロナの影響で外国人観光客が減ったこと、そして貴三郎さんの妻でコーヒー好きの奈巳(なみ)さんがカフェ営業に興味があったことなどが重なり、営業をスタートした。11時から15時まで楽しめるランチプレートは、サンドウィッチやマフィン、トーストなどコーヒーにぴったりのメニューが揃う。生ハムカマンベールのピアーダ850円は、イタリア産の生ハムと北海道十勝産のカマンベールチーズ、そしてたっぷりの野菜が入ったものでヘルシーながらも食べごたえがある。
『Kimi Natural 73+ CAFÉ』店舗詳細
花に彩られ、スイーツやドリンクでも楽しむ『HANABAR』
西池袋公園近くにある、ドライフラワーのインテリアが華やかなカフェ。店主の奥様がドライフラワーアーティストで、「花×酒」をテーマにプロデュースした作品が店内を飾る。人気メニューのアイマツリカ1100円は、ジャスミンやグレープフルーツ、ライムのソーダに、アイスクリームとエディブルフラワーがのっている。ジャスミンの豊かな香りと柑橘系ですっきりとしているので爽やかな味わいだ。エディブルフラワーとハーブをのせた鮮やかなデコレーションのお花のマフィン500円も好評。
『HANABAR』店舗詳細
訪日外国人の客からヒントを得て作られたワールドワイドな料理を楽しむ『サクラカフェ&レストラン池袋』
外国人旅行者やビジネスマン向けのホテルとして知られる『サクラホテル』のカフェ。お客様の9割が外国人ということで、店舗入り口には日本の四季を感じさせるオブジェが飾られ、訪れる客を温かく出迎える。世界各国の料理はもちろん、約20ヵ国60種類の世界のビールを楽しむことができる。料理の中でも、フランスのクロックムッシュをヒントに作ったというパリセジーニャ、南アフリカのペリペリチキン、ギリシャ風サラダの3品はぜひ味わってみたい。料理に使う野菜には、自社農場「東北牧場」で採れた野草や無農薬野菜、卵を使うこだわりで、日本人の口に合うように味付けされている。
『サクラカフェ&レストラン池袋』店舗詳細
【東口】
有資格のスタッフが淹れるコーヒーを堪能する『炭火煎珈琲 皇琲亭』
木目やレンガ調の外装が目を引く喫茶店。秋田の古民家から移築された立派な柱や梁を使ったという内装は重厚感があり、落ち着いた雰囲気に包まれる。この店で使用するコーヒー豆は炭火焙煎しており、そうすることによってより味に深みが増すという。ブレンド810円は香り高く、苦味と酸味のバランスがよく、スッキリとした後口だ。濃厚に抽出したコーヒーに砂糖を溶かし込ませてカクテルグラスに注ぎ、その上に生クリームをフロートしたオリジナルコーヒー「アンブル ドゥ レーヌ」810円もおすすめ。
『炭火煎珈琲 皇琲亭』店舗詳細
生地問屋がプロデュースする、旬のサンドイッチが人気の『FABRIC』
首都高のガード下、グリーン大通り沿いにあるカフェ。生地やインテリア用品などを輸入販売する株式会社ニートが運営元で、店名は生地や織物、編み物など、あらゆる布を指す。1階がカフェで、2階はショールームとなっていて、さまざまな生地を展示販売している。カフェでは、オリジナルのバケットを使用したサンドイッチが評判で、定番や季節ものを含めて常時約9種類がそろい、夏にはアイスサンド、秋にはフルーツサンドなども登場する。好きなサンドイッチ2種類とサラダがワンプレートになり、ドリンクが付いたランチA980円はボリューム満点で、男性にも評判。ホイップクリームをふんだんに盛ったドリンク類も人気で、黒ゴマとはちみつの豆乳ラテ580円が人気。
『FABRIC』店舗詳細
モッチリ弾力にはまる創作パンと自家焙煎コーヒーを愉しむ『ぽんでCOFFEE』
『ジュンク堂書店池袋本店』の隣、東通り沿いにある創作パンと自家焙煎のコーヒーが自慢のカフェ。コロンと丸い手の平サイズのグルテンフリーのパンは、毎日お店で手ごねして製造している。味は、秋であればカボチャやサツマイモなど季節の食材を取り入れた200種類以上を生み出してきた。自慢のコーヒーはすべて併設するロースタリー(焙煎所)で自家焙煎しており、ブラジルやエチオピアなどコーヒー産地の中でも、エリアや農園を指定したスペシャルティグレードな生豆を使用している。1粒ずつハンドピックし、直火式の焙煎機で強火で短時間に仕上げることで、豆本来の甘みを強く引き出している。パン1個100円(税抜)。
『ぽんでCOFFEE』店舗詳細
チーズの世界をとことん味わう『CheeseTable池袋店』
チーズフォンデュやラクレットはもちろん、ショートケーキやドリンクなど、バラエティ豊かなチーズ料理が楽しめる専門店。おすすめの濃厚ブリュレチーズの鉄板ボロネーゼ~タリアテッレ~1690円は、茹でた平打ち麺のタリアテッレをボロネーゼソースと和えて、オーブンで熱々に温めた鉄板に盛り付けたもの。仕上げには、チーズソースの上にレアチーズのムース、さらにグラニュー糖をかけてバーナーで炙ってブリュレ風にする。チーズのコクとしょっぱさがたまらない。
『CheeseTable池袋店』店舗詳細
池袋東口を代表する名喫茶『タカセ池袋本店 コーヒーラウンジ』
大正9年(1920)にパン屋として池袋に創業し、昭和53年(1978)に現在のタカセビルが建てられた。1階がパン・洋菓子の販売、2階が喫茶室、3階がレストラン、そして9階にコーヒーラウンジ、ビルの裏手に別棟でコーヒーサロンがある。9階のコーヒーラウンジでは、プリンアラモード720円が名物。フルーツソースがかかったアイスクリームと生クリーム、フルーツが満載で、やさしい甘みとカラメルソースの苦味が絶妙だ。タカセオリジナルブレンド550円との相性もよい。
『タカセ池袋本店 コーヒーラウンジ』店舗詳細
緑に覆われた南池袋公園の眺望もよい、パンケーキが自慢の『Zuppa』
南池袋公園が目の前に広がる、2022年4月オープンのカフェ。手作りのスープと時間をかけて焼き上げるオリジナルのパンケーキが自慢だ。小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、そしてこだわりの奥久慈産の赤卵を混ぜて作る生地は、コンベクションスチームオーブンに入れてじっくり20分ほど焼く。焼きたての生地はさらりとした甘さで、じわりと染み込んだバターの塩気とメイプルシロップのコクのある甘さが加わると、リッチな味わい。ベーコン、キャベツ、タマネギ、ニンジンと4種の豆を基本に、日替わりでさまざまな野菜が入るというミネストローネと味わえば、甘さとしょっぱさが絶妙なバランスでおいしい。メイプルパンケーキ780円、具沢山ミネストローネ600円。
『Zuppa』店舗詳細
小麦がテーマのニューヨークスタイルカフェ『ESPRESSO D WORKS 池袋』
2019年にオープンした商業施設「キュープラザ池袋」2階に出店する、小麦をテーマにしたベーカリー&カフェ。パンの焼き立ての香りが鼻をくすぐる店内には、毎日店内製造する焼き立てパンが並んでいる。世界初の小麦粉と水分の比率が同じという生食パンが看板商品で、甘みが強い「純生」、小麦の自然な香りを楽しむ「プレーン」の2種類がある。こちらはテイクアウトのみなので、朝一の開店を狙って買い求めたい。カフェでは、トリュフの香り高さも食欲をそそるペリグーソースのオムレツランチ1870円と、プレーンパンケーキ1408円を味わいたい。特にプレーンパンケーキは、雪のような雲のようなエスプーマ(泡)の生クリームが、パンケーキと同じボリュームでトッピングされており、フワフワの生地がたまらない。
『ESPRESSO D WORKS 池袋』店舗詳細
東口の激戦区で長く愛される純喫茶『珈琲専門館 伯爵 池袋東口店』
明治通り沿い、西武百貨店の並びという一等地にある、1982年創業の喫茶店。真っ赤なベロア調の椅子が配され、シャンデリアが目を引く豪華な内装だが、不思議と落ち着けるのは、統一された色調やゆったりと間隔をあけて座席を配置しているからだろう。喫茶店ではおなじみのメニューが並び、霞町レストランルームの味を再現したもので、角切りの牛肉がゴロッと入った本格的な東京ビーフカレー(ドリンク、サラダ付き)970円や、しっとりと厚みのあるトーストと、シャキシャキ食感の残る各具材のバランスがよいピザトースト(ドリンク付き)850円が人気。
『珈琲専門館 伯爵 池袋東口店』店舗詳細
緩さと刺激が絶妙に混ざり合う『KAKULULU』
奏でられた音が店内の空気とすっとなじみ、心地よく響く。都心にありながらどこか牧歌的なのは、繁華街から外れているからだろうか。ライブは月1、2回開催され、店主の高橋悠さんと親交の深いジャズミュージシャンが登場。店は1階と2階がカフェで、地下はギャラリーになっている。高橋さんが10代だった2000年ごろ、東京はカフェブームだった。「当時は専門店が少なく、音楽、アート、雑貨などいろんなものが詰まっているのがカフェでした」。そんな時代に刺激を受けた高橋さんが、自分の店を持つことになり、選んだ場所は、池袋。実家が近いのもあるが、土地が醸しだす独特のゆるさも選んだ理由の一つだとか。「渋谷や青山だとトレンドがあり、最初にコンセプトを固めないといけません。それに比べて池袋は、やりながら考えられる」。なるほど。この店のホッとできる雰囲気も、雑多ゆえ許容範囲の広い池袋ならではなのかも。
『KAKULULU』店舗詳細
【雑司が谷】
1級建築士が営む、ゆるく休憩できる『yurucafe』
明治通りから一本道を入った商店街にあり、1級建築士でもある店主の中澤宏仁さんが自ら設計したというプレハブ2階建ての店舗がおしゃれ。名物のユルカレー650円は、ココナッツミルクをたっぷりと使い、オリジナルでブレンドした7種類の香辛料を合わせている。弾力がある鶏肉や柔らかに煮込まれた玉ネギがいいアクセントになっており、まろやかな甘みとスパイスのピリリとした辛さと苦さがたまらない。2階では、演奏会や展示会、映画上映会「ゆるいえいがかん」などのイベントを開催している。
『yurucafe』店舗詳細
地中海沿岸諸国の料理専門店『ロケットカフェ』で味わう4種類のミートスパゲッティ
鬼子母神西参道入り口に立つ、地中海沿岸諸国料理専門店。評判の4種から選べるミートソースのスパゲティは、鶏肉で作る「なつかしのミートソース」、鶏と根菜を和風の出汁と味噌、カレーで味付けた「オリエンタルミートソース」、牛肉と豚肉を鶏のブイヨン作る「肉を感じるごろごろ系ミートソース」、「豚肉とレンズ豆の塩ミートソース」から選べる。「豚肉とレンズ豆の塩ミートソース」1221円は、豚肉から出たコクと、タマネギ、ニンジン、セロリなどの野菜から丁寧に取ったブイヨンが混じり合うやさしい味わいのソースと、モチモチのパスタと絶妙に絡み合う。ストレート葡萄ジュース(白)638円との相性も抜群。
『ロケットカフェ』店舗詳細
(金・土はディナー/15:00〜23:00・入店21:00まで)/定休日:日・月・不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅から徒歩8分、地下鉄副都心線雑司が谷駅から徒歩6分
【要町】
20種類以上もある、かき氷の進化形を試せる『氷連』
2022年6月のオープンのかき氷専門店。不純物を取り除いた良質な水を48時間かけてゆっくりと凍らせた純氷を使用しており、温度管理を徹底することでふわふわの氷が作れるという。メニューには、完熟りんご焼きブリュレ1800円やピスタちご1800円、ブルーベリーチーズパイ1600円など、変わり種が用意されている。中でも攻めたメニューなのが、ふたごのかぼっけ1600円。小さなかぼちゃのコロッケがちょこんと2つのる、ほんのり醤油風味を感じるあまじょっぱさが特徴だ。温かいお茶とホカロンがいつでも使い放題のサービスもある。
『氷連』店舗詳細
卵と砂糖にこだわったプリンが絶品の『SUNNY DAYS Pudding Café』
卵や砂糖の種類を変えるなど、工夫を凝らした6種類のプリンが自慢。店内で味わえるのは、レトロプリンと白いプリン各600円の定番2種と、期間限定メニュー1種。自家製カラメルソースをかけて味わうレトロプリンは、濃厚でぷるんとした食感。相模原市産の「昔の味たまご」を使用し、カラメルソースは奄美諸島のきび砂糖で作る。白いプリンは純国産鶏から取れる日野市産「さくらこめたまご」と北海道産のピートグラニュー糖を使う。赤いラズベリーソースの爽やかな甘みを感じる。12時から17時のランチタイムには3種類のランチプレートが人気で、そのうち2種が名物の甘くないフレンチトーストのようなパンペルデュのプレート。サーモンとローストビーフの2種類で、どちらも1100円だ。
『SUNNY DAYS Pudding Café』店舗詳細
【椎名町】
ツーリストとローカルの人間交差点『シーナと一平』
シーナさんと一平さんがやっているから……ではなく椎名町にあり、元々「とんかつ一平支店」だったというのが、その名の由来。個人店が連なる昭和風情の商店街に位置し、看板はそのままに築45年以上の商家をゲストハウス兼シェアキッチンに改装した。シェアキッチンは菓子工房としても機能し、若手パティシエの挑戦の場にも。「トキワ荘の存在も影響してか、この街には、よそからやってきた若者や新しいことを始める人を応援する気質があります」と、シェアキッチンをプロデュースする鈴木英嗣さん。カフェ営業の日、小上がりでは大人も子供も、旅行者も地域住民も共にくつろいでいるとか。金〜日曜は、旬の果実を生かしたデザートが評判の『cachecache(カシュカシュ)』が登板。生産者の思いも汲み、素材の持ち味を引き出すのが得意だ。日本酒や国産ワインとのペアリングも見事で、うっとりほろ酔い。つい饒舌になり、話も盛り上がる。
『シーナと一平』店舗詳細
取材・⽂=信藤舞子、アド・グリーン 撮影=金井塚太郎、アド・グリーン
厳選された魅力的な珈琲豆を、
3階の焙煎機で焙煎していて、
香り高くて奥深くて、
特別感満載なのに軽やかで落ち着く珈琲をいただくことができます。
浅煎りを選んだのに、
しっかりとコクもあり、しかし軽やかで香りも高くて。
「おいしいよ!おいしいんだよ!」
「うん、おいしいよ!おいしいんだよ!」
と、鼻腔も口も食道も唇も、
珈琲が触れたところが一斉にそう叫ぶ。