【散歩コース】

スタート:東京駅からJR横須賀線で鎌倉駅まで1時間・950円

JR横須賀線・江ノ電鎌倉駅西口(12分/0.7km)→六地蔵(6分/0.3km)→寸松堂(9分/0.5km)→柴﨑牛乳店(12分/0.7km)→高徳院(鎌倉大仏)(10分/0.6km)→光則寺(6分/0.4km)→長谷寺(6分/0.5km)→御霊神社(8分/0.5km)→成就院(4分/0.2km)→極楽寺(3分/0.2km)→江ノ電極楽寺駅

ゴール:極楽寺駅から江ノ電で鎌倉駅まで7分・220円。鎌倉駅から往路を戻る

今回のコース◆約4.6km/約1時間20分/約5200歩

六地蔵/由比ケ浜大通り沿いの地蔵

赤い頭巾をかぶって、よだれかけをかけた6体の地蔵。この辺りはかつて刑場だったこともあって、地元の人たちが刑死者の霊を弔うために祀ったものだという。いわれを知ると、笑みを浮かべた地蔵の顔が哀れを誘う。

住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜1/営業時間:見学自由

寸松堂/店内の格天井もぜひ見たい

鎌倉彫の製造・販売を行う老舗。昭和11年(1936)築の3階建ての店舗兼住宅は寺院建築と城郭建築が合わさったような風格ある造りだ。国の登録有形文化財に指定されている。

住所:神奈川県鎌倉市笹目町5-1/営業時間:10:00~16:30/定休日:不定

柴﨑牛乳店/懐かしさを感じる白い建物

明治22年(1889)創業の宅配メインの牛乳店。白く輝くアールデコ調の建物は昭和初期に建てられたもの。鎌倉に住んでいた芥川龍之介もこの店の牛乳を飲んだという。

住所:神奈川県鎌倉市長谷2-4-34/営業時間:9:00~16:00/定休日:水・土・日

高徳院(鎌倉大仏)/鎌倉のシンボルといえる大仏

大仏の周囲には礎石が残り、かつて建物があったことがわかる。
大仏の周囲には礎石が残り、かつて建物があったことがわかる。

「鎌倉の大仏」として知られる。建長4年(1252)に鋳造が開始されたこと以外は謎に包まれているが、造られた当時の姿をほぼ保っているという。仏像としては鎌倉で唯一の国宝。

住所:神奈川県鎌倉市長谷4-2-28/営業時間:8:00~17:15(10~3月は~16:45)/定休日:無/アクセス:江ノ島電鉄電鉄長谷駅から徒歩7分

光則寺/「立正安国論」を幕府に提出した日蓮宗の古刹

日蓮上人の弟子である日朗が文永11年(1274)頃に創建。日蓮が『立正安国論』を幕府に提出したところとしても知られる。日蓮上人が佐渡に流された際には、日朗が裏山にある土牢に幽閉された。

長谷寺/四季の花が咲く鎌倉の西方浄土

日本最大級の高さ約9mの十一面観世音菩薩像(長谷観音)が本尊。見晴台からは鎌倉の街並みや相模湾を一望できる。桜やアジサイなどが咲く花の寺としても親しまれている。

御霊神社/江ノ電の線路沿いにある神社

後三年の役(1083~1087)に活躍した鎌倉権五郎景正を祀った神社で、「権五郎神社」とも呼ばれる古社。アジサイと江ノ電の映えスポットとしても人気で、多くの観光客が訪れる。

成就院/由比ケ浜を望む高台にある古刹

弘法大師が護摩修行を行ったという地に、承久元年(1219)に鎌倉幕府3代執権・北条泰時が創建。本堂前に立つ縁結び不動明王像を待ち受けにすると恋の願いがかなうという。

住所:神奈川県鎌倉市極楽寺1-1-5/営業時間:8:00〜17:00(11〜3月は〜16:30)/定休日:無/アクセス:江ノ島電鉄極楽寺駅から徒歩3分

極楽寺/病の人を救済した古刹

鎌倉幕府2代執権・北条義時の三男・重時が開き、文永4年(1267)に忍性(にんしょう)が開山。医療・福祉施設としての役割も果たし、千服茶臼や製薬鉢が残る。山門前にはアジサイが咲く。

住所:神奈川県鎌倉市極楽寺3-6-7/営業時間:9:00〜16:30/定休日:無/アクセス:江ノ島電鉄極楽寺駅から徒歩2分

【近代日本の文学界に大きな影響を与えた鎌倉文士の足跡】

再開が待ち遠しい『鎌倉文学館』。
再開が待ち遠しい『鎌倉文学館』。

古都の風情と豊かな自然に恵まれた鎌倉は、明治時代後期には保養地として人気を集めた。明治22年(1889)に横須賀線が開通するとさらに注目され、東京の出版社への往来も便利になったため文学者も住み始めた。

明治から大正にかけて鎌倉に滞在し執筆活動を行っていた作家に、泉鏡花や島崎藤村、夏目漱石、芥川龍之介らがいた。

流行作家になっていた久米正雄と里見弴(とん)は、大正13年(1924) 頃から住み始め、「鎌倉ペンクラブ」を発足させたり、文士自身が編集し、新人発掘の場とした同人雑誌『文學界』を創刊するなど、鎌倉文士のリーダー格となり、文士たちのまとめ役になった。クラブには大佛(おさらぎ)次郎、小林秀雄、川端康成、永井龍男、深田久弥などが参加した。

近代日本の文学界に大きな影響を与えた鎌倉文士。その足跡は『鎌倉文学館』(2026年まで工事休館)で知ることができる。

長谷にある『旧川端康成邸』(非公開)。
長谷にある『旧川端康成邸』(非公開)。
住所:神奈川県鎌倉市長谷1-5-3/営業時間:9:00〜16:30(10月〜2月は16:00)/定休日:月(祝の場合は開館、5・6・10・11月は臨時開館あり)/アクセス:江ノ島電鉄由比ヶ浜駅から徒歩7分

【鎌倉グルメを堪能】

『つるや』文豪が愛したウナギの名店

文豪・川端康成がひいきにしていた名店。ウナギは、井戸水で臭みを抜き、注文を受けてから焼いている。あっさりとしたタレが味の深みを引き立てる。うな重3025円~。

住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-3-27/営業時間:11:30~19:00/定休日:火(祝の場合は営業)

『かまくら麩帆』冷やして食べればよりおいしい

自家製生麩に上品なこし餡を包んだふまんじゅう200円が名物。モッチリとしてなめらかな生麩と、甘さ控えめでとろけるようなこし餡はよく合う。季節限定品も登場する。

住所:神奈川県鎌倉市長谷1-7-7/営業時間:10:00~17:00(売り切れ次第閉店)/定休日:月

『力餅家』平安時代の武将の名を冠した名物和菓子

江戸時代から300年以上続く老舗和菓子店。添加物を使わずに創業時からの製法を守っている。名物の権五郎力餅(10個入り750円)は、つきたての餅を上品な甘さのこし餡で包む。2~4月は季節限定の草餅になる。

住所:神奈川県鎌倉市坂ノ下18-18/営業時間:9:00〜18:00/定休日:水・第3火/アクセス:江ノ島電鉄線長谷駅から徒歩6分

『テラスカフェ YUKI』風が抜けて避暑地気分を感じる

閑静な住宅地にある緑に囲まれた穴場的カフェ。ウッドデッキのテラス席があり、感を風じながらひと息つける。鎌倉パンのしらすトースト800円は、海苔の佃煮がアクセント。

住所:神奈川県鎌倉市極楽寺2-8-10-1/営業時間:10:30~17:30/定休日:不定

取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための鎌倉散歩地図』より