銀座・有楽町・日比谷の基礎知識
日本屈指の繁華街である銀座。町名は、慶長17年(1612)に銀貨鋳造所・銀座ができたことに由来する。元の地名は両替町(後に新両替町)だったが、商業地としてにぎわうと、銀座と呼ばれるようになった。文化の中心地にもなり、ブランドショップが並び、近年はアンテナショップも多い。
有楽町は、織田信長の弟で、茶人としても名高かった織田有楽斎(うらくさい/長益)の屋敷があったことから有楽原と呼ばれ、明治時代に有楽町と名付けられたとされる。日比谷公園周辺は、江戸時代に大名屋敷が並んでいた。明治時代に近代化の象徴として、各種劇場やホテルのほか、法務省赤れんが倉庫のような洋風建築が建つようになった。
1 相田みつを美術館
「心」で楽しめる作品の数々
書家で詩人の相田みつをの作品を展示。「人生の2時間を過ごす場所」をコンセプトに、作品をじっくり楽しめる。鑑賞後はカフェでくつろぎのひとときを。
2 国立映画アーカイブ
映画好き必見のスポット
日本で唯一の国立映画専門機関。7階展示室の常設展では、主に日本映画をテーマに、映画関連資料を展示。『長瀬記念ホール OZU』では、1日2〜3回、国内外の名作を上映する。
3 警察博物館 ポリスミュージアム
警察活動を見て・学び・体験する
日本の警察の始まりから現代までの歴史的資料を紹介。「ピーポくんホール」では、パトカーや白バイなどが展示される。5階では、数々の事件史を振り返ることができる。
煉瓦亭
洋食発祥の店という老舗店
明治28年(1895)創業で、この店発祥といわれる洋食が多数ある。天ぷらをヒントに作られたポークカツレツ2000円もその一つ。サクッとした衣とジューシーなロース肉の相性がいい。
4 セイコーミュージアム 銀座
セイコーミュージアム 銀座
「時と時計」に関する資料、時計を紹介。2020年8月にセイコーの発祥の地・銀座で新たに開館した。セイコーを代表する時計の数々をはじめ、時計の歴史などが学べる。
5 歌舞伎座
伝統芸能・歌舞伎の観劇を
歌舞伎専用の劇場。観劇のほかにも飲食店やショップも充実している。3階『お食事処 花篭』のランチや、地下2階「木挽町広場」の歌舞伎とのコラボグッズ商品、和菓子や雑貨などのみやげもおすすめ。
6 豊岩稲荷神社
ビルの谷間のパワースポット
すずらん通りの路地裏、朱色の壁の先に祠があり、2体のキツネが鎮座する。創建年は不明だが、明智光秀の家臣が建立したと伝わる。防火や縁結びに御利益があるという。
銀座ウエスト 本店
古き良き純喫茶の風情が心地よい
昭和22年(1947)創業。ブレンドコーヒー1100円は、ブルーマウンテン主体のマイルドな味わい。おかわり可能。甘さ控えめのシュークリーム411円も人気。
7 日比谷公園
花と緑に包まれた都会のオアシス
幕末には毛利家や鍋島家などの上屋敷があり、陸軍練兵場を経て、明治36年(1903)に日本初の洋風近代式公園として開園。園内にはチューリップをはじめ、四季の花が咲く。
8 法務省赤れんが棟
法務省赤れんが棟
明治28年(1895)に、司法省として竣工。戦災のためレンガ壁を残して消失したが、1994年に創建当時の姿に復元された。館内では司法や赤れんが棟の建築に関する資料の展示も行う。
【街探検】銀座のアンテナショップ
ご当地食材やご当地料理、名産品など、旅行気分で巡ろう
銀座を中心としたこのエリアには20を超えるアンテナショップが点在し、東京に居ながらにして全国各地のおいしい物や名産品を買うことができる。飲食店を併設しているところもあるので、ご当地の名物料理を味わうこともできる。
JR有楽町駅前にある交通会館は、アンテナショップの宝庫。『北海道どさんこプラザ』には、「ロイズ」のチョコレートといった定番商品からデビューしたての新商品まで幅広くそろう。ほかにも、『秋田ふるさと館』や『兵庫わくわく館』『徳島・香川トモニ市場』など、10店舗を超える。
外堀通り沿いには、『銀座わしたショップ』がある。ちんすこうや海ぶどう、泡盛などのほか、三線なども販売し、まるで沖縄にいるようだ。近くには、『いしかわ百万石物語』や『IBARAKI Sense』もある。
日比谷駅近くには『かごしま遊楽館』、歌舞伎座近くには『いわて銀河プラザ』などもある。
魅力あふれるアンテナショップが点在しているので、はしごしてみるのもいいだろう。
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『街がわかる 東京散歩地図』より