岩手県は銀座にあった

中銀カプセルタワービルに引っ越してからというもの、何度『いわて銀河プラザ』へ行ったことか。銀座はアンテナショップ乱立地帯ではあるが、大きさでいうと、『わしたショップ本店』 に次ぐ大きさではなかろうか。何がいいって、品揃えがいい。生鮮食品が多く、お肉、お魚があり、それに合う酒もある。酒飲みの私は、黙って買い物かごを持たざるを得ない。

もう知っているからいうけど、岩手のアンテナショップたまらん。

笑顔の紳士、清水さんとわんこきょうだい

マスクの上からでも優しい笑顔なのがわかる清水さん。

何度も通ったと言っても県の出身者にはかないません。いつものようにお店のスタッフさんにご案内いただくことにする。迎えてくれたのは、副店長の清水さん。赤いエプロンの似合う物腰柔らかな紳士だ。わんこきょうだいも一緒とは、あざとい(実はお願いしてわんこきょうだいを持ってもらったのだ)。

清水さん:岩手県はご当地グルメがたくさんあって、当店は県外の方からも好評をいただいています。まずはお店を一周案内しましょうね。何度かいらっしゃっているとのことなので、少しコアなものもオススメします。なんでも聞いてくださいね。

ご当地カップ酒も充実。

清水さん:いつも絶対にお酒は買っていらっしゃいますよね。岩手は米どころ、水どころ、酒どころの三拍子揃った県です。お酒好きにはたまらないでしょう。

なんでもお見通しではないか……と恥ずかしくなりながら、後をついていく。

清水さん:岩手のワインには、古くから自生している山ぶどうを利用しようと作りはじめたものもあり、ぎゅっと強い酸味が特徴です。最近ワイナリーも増えましたねぇ。クラフトビールも人気の醸造所があるんですよ。

日本酒、ワイン、クラフトビールもある。

岩手もっとやれ!

清水さん:わんこそば、じゃじゃ麺……、岩手名物はたくさんありますが、一番のソウルフードといえば、南部せんべいです。私もよく買いますし、ここで買えない南部せんべいを銘柄指定で現地から送ってもらうこともありますね。

当店では南部せんべいだけで60種類以上揃えています。チーズ味などのおつまみ系から、チョコのかかったスイーツ系、味わいも幅広いんです。

 

品揃えはもちろんだが、誇らしげな清水さんの表情に驚く。岩手県民の南部せんべいにかける想いはそんなにアツいものだったのか。今まで売り場をスルーしていたのを反省した。

魚介コーナー、乳製品コーナーを案内してもらったあと、お肉コーナーへ。お気に入りの一品を紹介してもらう。


清水さん:
「いわちく」ってご存知でしょうか。岩手では認知度100%といっても過言ではない食肉メーカーで、当店ではベーコンやソーセージをはじめ、ジンギスカンやモツなども扱っています。地元ではCMも放映されていて、全国区だと勘違いしている県民も少なくありません。

後ろで付き添いをしてくれていた県の広報担当さんが小さく手をあげて言う。「私も大人になるまで全国区だと思っていました」。県民からの絶大な信頼を得るメーカーの商品、こりゃ買わないわけにいかん。

今回選んだ今回の1000円セットはこちら。

私の岩手県1000円セット

南部美人 235円
盛岡じゃじゃ麺 410円
弁慶のほろほろ漬け 278円
まめごろう(南部せんべい)154円

しめて、1,077円!

 

これでランチセット(昼酒)を作っていきたい。

じゃじゃ麺は食べ終わり直前に卵とお湯をたす“ちーたん”もバッチリ楽しんだ。

じゃじゃ麺は麺を茹でて、ネギとキュウリを刻んでトッピングして、じゃじゃ味噌をかければ完成のお手軽料理。パッケージを真似(まね)て錦糸卵もオン! 晩御飯をサボりたいときにパパッとご当地グルメが食べられるのは、裏ワザを使ったみたいな気持ちになる。楽チンなのに気分が上がる。5月病真っ只中の私にもぴったりだ。

豆腐にのっているのは弁慶のほろほろ漬け。人参、大根、きゅうり、なすなどの野菜を刻み、唐辛子とこうじ、もろみに漬け込んだ刻み漬けで、弁慶が泣くほど辛いことからその名がついたのだそう。納豆に混ぜたり、豆腐に乗せれば、お酒のアテになる。

日曜の昼下がりに、甘辛い麺をすすりながら辛口の日本酒を喉に流す。なんと素晴らしい休日なのだろうか。ありがとう、アンテナショップ。

食べ終わったら、南部せんべいでお酒の続きを。クッキーみたいな食べ心地で、結構お腹が膨れる。満腹大満足。このまま昼寝タイムに入りたいくらい。

1000円オーバー!はみ出し購入品

味付けジンギスカン658円、豚白モツ409円。

1000円をオーバーしても、いわちくは絶対だ。清水さんがオススメしてくれたジンギスカンと豚白モツを購入。

白モツ入りのカレー。

白モツは住まいにしているキッチンのないカプセルで調理し、住民に振る舞った。下処理いらずで臭みもなく美味しくできた。住民にも大好評で褒められ過ぎて、自分を天才と錯覚するほどだった。その時のことについてはこの記事を読んでほしい

広田湾産お刺身ほや702円。

採れたてをすぐ冷凍し、臭みがなく食感も段違い! と聞いて購入したほや。

森のレバ刺し 432円。

飲んべえは、レバ刺しの言葉に弱い。天然のあみたけというキノコの刺し身なのだが、かなりレバ刺に近いそうだ。本当に? と斜に構えながらも、カゴに入れてしまった。

わかりやすく好みが反映された晩酌セットの完成だ。海の幸山の幸が堪能できる。ほやは生臭さとは異なる磯の香りがして、コキュコキュした食感で酒がスイスイ入ってくる。森のレバ刺しは見た目からレバ刺し。ぷるんとした舌触り、噛んだときのザグリと食感が本物に近く目を瞑っていれば勘違いするレベルだった。

店内を見てまわっているとき、清水さんが「岩手のおじいちゃん、おばあちゃんは美味しいものを食べると、『くるみ味がする』って言うんです。どんな味でも美味しければ、くるみ味なんです。昔はくるみが美味しい食べ物の代表だったから」と話してくれた。『いわて銀河プラザ』は、くるみ味のグルメだらけだった。みなさんも私のランチと晩酌を担うアンテナショップへ、くるみ味を堪能しにきてほしい。

『いわて銀河プラザ』店舗詳細

取材・文・撮影=福井 晶