『セイコーミュージアム 銀座』時計の歴史は人類進化の歴史そのもの[銀座]

3階には日本独自の和時計を展示。左端は江戸城、隣は犬山城にあったとか。
3階には日本独自の和時計を展示。左端は江戸城、隣は犬山城にあったとか。
きらびやかな懐中時計は18世紀以降のヨーロッパ製。
きらびやかな懐中時計は18世紀以降のヨーロッパ製。

2020年、墨田区から創業地の銀座に移りリニューアルオープン。自社製品のみならず国内外で集めた時計を1万2000点以上収蔵する。特に250点ある和時計は日本有数のコレクション数とか。テーマに分かれたB1~5Fのフロアを回れば、時を告げる仕組みの進化や精度への追求を知ることができる。
“日本初”&“世界初”のオンパレードに「セイコーの歩み=時計の歴史」だと思わずにはいられない。

広報担当 宮寺昇さん。「見覚えのある時計がきっとあるはずです!」。
広報担当 宮寺昇さん。「見覚えのある時計がきっとあるはずです!」。
創業者の足跡を紹介するフロアでは、関東大震災で溶解した精工舎内の懐中時計の塊も展示されている。
創業者の足跡を紹介するフロアでは、関東大震災で溶解した精工舎内の懐中時計の塊も展示されている。
計算機付きや超小型など、機能や形状に凝った1970年代以降の時計。
計算機付きや超小型など、機能や形状に凝った1970年代以降の時計。
2009年の世界陸上でウサイン・ボルトの世界新記録(9秒58)が出た際に使われたトラックサイドクロック。
2009年の世界陸上でウサイン・ボルトの世界新記録(9秒58)が出た際に使われたトラックサイドクロック。
明治32年(1899)製・国産初の目覚まし時計。
明治32年(1899)製・国産初の目覚まし時計。
時刻表示のない斬新な「ピラミッドトーク」。
時刻表示のない斬新な「ピラミッドトーク」。
1969年製の世界初のクオーツ腕時計。
1969年製の世界初のクオーツ腕時計。

『セイコーミュージアム 銀座』詳細

住所:東京都中央区銀座4-3-13 セイコー並木通りビル/営業時間:10:30〜18:00/定休日:月/アクセス:地下鉄銀座駅から徒歩1分

『世界のカバン博物館』世界50カ国から集結! 個性あふれるカバンの世界[浅草]

アフリカやアジアのカバンが並ぶコーナー。素材も形も変わったものばかり。
アフリカやアジアのカバンが並ぶコーナー。素材も形も変わったものばかり。
スーツケースの分解展示。部品は200以上!
スーツケースの分解展示。部品は200以上!

バッグメーカー「エース」が1975年に開館したのはカバンに特化した世界唯一の博物館。併設する創業者の記念館のコレクションと合わせたその数は、世界約50カ国、700点ほど。
大ぶりで工業的なアメリカ、華美で皮革製造技術の高いヨーロッパなど、土地柄が個性となって表れていて楽しい。素材も多彩でシマウマにウナギ、サケなどの珍革も! 著名人からの寄贈品も多く、好奇心をくすぐられる。

元内閣総理大臣・西園寺公望のキャビントランクなど。
元内閣総理大臣・西園寺公望のキャビントランクなど。
アントニオ猪木のボストンバッグ。
アントニオ猪木のボストンバッグ。
日本初のナイロンバッグ。
日本初のナイロンバッグ。
フェイクファー付きのスイスのスクールバッグ。
フェイクファー付きのスイスのスクールバッグ。
センザンコウの革で作ったタイのハンドバッグ。
センザンコウの革で作ったタイのハンドバッグ。
約80年前の紙製ランドセル。
約80年前の紙製ランドセル。
館長 難波敏史さん。「カバン型のオリジナルうちわも無料配布中です」。
館長 難波敏史さん。「カバン型のオリジナルうちわも無料配布中です」。

『世界のカバン博物館』詳細

住所:東京都台東区駒形1-8-10/営業時間:10:00~16:30/定休日:日・祝(土が祝の場合は開館、不定休あり)/アクセス:私鉄・地下鉄浅草駅から徒歩1分

近代消防のシンボルを全国各地で救出中! 『送水口博物館』[新橋]

1963年築の小さなオフィスビルの屋上に、まさかの送水口パラダイス。
1963年築の小さなオフィスビルの屋上に、まさかの送水口パラダイス。
サイヤミーズコネクション(カタカナ表記)は希少。
サイヤミーズコネクション(カタカナ表記)は希少。

消火時にポンプ車から建物内に水を送るための送水口。関東大震災を機に普及したが建物の老朽化に伴い今や消失の一途。そんな1970年代前半頃までに設置されたオールド送水口を、かつてのメーカー社長である村上善一館長が自ら救出・保存する。
現在の展示品は東京、横浜、京都などの25現場。展示台も手作りで、設置状況まで極力再現している。かたちや色、銘板や鎖や蓋を見比べ、触れて、堪能しよう。

近年主流はステンレス製のスタンド式。
近年主流はステンレス製のスタンド式。
1973年設置の旧芝消防署の送水口。
1973年設置の旧芝消防署の送水口。
最近解体された銀座「三愛ビル」の送水口もゲット。
最近解体された銀座「三愛ビル」の送水口もゲット。
館内最古の京都の送水口。
館内最古の京都の送水口。
館長 村上善一さん。「銀座線沿線にもオールド送水口は見つかるよ」。
館長 村上善一さん。「銀座線沿線にもオールド送水口は見つかるよ」。

『送水口博物館』詳細

住所:東京都港区新橋2-11-1 村上建物ビル5F/営業時間:14:00~19:00(木と隔週土)/定休日:(詳しい開館日はHPを参照)/アクセス:JR・地下鉄・ゆりかもめ新橋駅から徒歩4分

『凧の博物館』驚きのバラエティー! まさに空飛ぶアート[三越前]

秋田のべらぼう、長崎のバラモン凧など、インパクトある絵の凧が多い。
秋田のべらぼう、長崎のバラモン凧など、インパクトある絵の凧が多い。
江戸凧の絵師・橋本禎造による義経八艘飛の凧。
江戸凧の絵師・橋本禎造による義経八艘飛の凧。

1977年に創設させたのは、無類の凧好きだった老舗洋食店『たいめいけん』初代・茂出木心護。2代目・雅章氏がコレクションを充実させ、2024年現在100点ほど展示する。
古いものでは大正時代の凧絵があるが、「凧は紙と竹と米(糊)でできているのでなかなか昔のものは残らないんです」と担当の福岡正巳さん。アジア、中東、南米の凧も多く、デザインも形状も実にバラエティー豊か。空に映える飛ぶアートだ。

マレーシアのワウ(凧)。
マレーシアのワウ(凧)。
立体的な大田区の六郷トンビ凧。
立体的な大田区の六郷トンビ凧。
愛嬌のある香川県高松の蝉凧。
愛嬌のある香川県高松の蝉凧。
標本のように収まるリアルな蝶のミニ凧。紙と煤竹で作られ、ちゃんと飛ぶそう。
標本のように収まるリアルな蝶のミニ凧。紙と煤竹で作られ、ちゃんと飛ぶそう。
創設者 茂出木心護の像。「日本の凧にはアブや蝉のモチーフも多いんだ」。
創設者 茂出木心護の像。「日本の凧にはアブや蝉のモチーフも多いんだ」。

『凧の博物館』詳細

住所:東京都中央区日本橋室町1-8-3 室町NSビル2F/営業時間:11:00〜17:00/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄銀座線三越前駅から徒歩1分。地下鉄銀座線、東西線日本橋駅から徒歩4分

『太皷館』叩けばもっと親しめる古今東西の太鼓[田原町]

アメリカインディアンなどのさまざまな部族の太鼓も集められている。
アメリカインディアンなどのさまざまな部族の太鼓も集められている。
旧猿若町の芝居小屋「市村座」の太鼓は、明治生まれで台東区有形文化財。
旧猿若町の芝居小屋「市村座」の太鼓は、明治生まれで台東区有形文化財。

和太鼓を製造販売する『宮本卯之助商店』が1988年に開館。世界各地の太鼓、打楽器を一堂に公開する世界初の博物館だ。収蔵数は徐々に増え、2024年現在約900点のうち100点ほどを常時展示。祭礼や芸能だけでなく神との交信、富の象徴などさまざまな太鼓の役割を通して文化や民族性に触れられる。
うれしいのは大半の展示品を実際に叩けること! 叩けば音や響きを体感でき、太鼓がもっと身近になる。

雅楽の荷鉦鼓。
雅楽の荷鉦鼓。
ブラジルの四角い太鼓、クアドラトン。
ブラジルの四角い太鼓、クアドラトン。
直径90㎝の黒い大締太鼓。説明書きに「♪」マークがある太鼓は叩けるぞ。
直径90㎝の黒い大締太鼓。説明書きに「♪」マークがある太鼓は叩けるぞ。
ココナツヤシを胴に使ったハワイのパフ。妖精たちが支える。
ココナツヤシを胴に使ったハワイのパフ。妖精たちが支える。

『太皷館』詳細

住所:東京都台東区西浅草2-1-1 宮本卯之助商店4F/営業時間:11:00~16:00(15:00最終入館受付)/定休日:月・火(月が祝の場合は開館)/アクセス:地下鉄銀座線田原町駅から徒歩2分

取材・文=下里康子 撮影=山出高士
『散歩の達人』2023年12月号

上等な腕を見抜く目利きのプロが江戸時代より集ってきたこのエリア。大通りに立ち並ぶ老舗のみならず、路地やビルに新たなスポットがひしめき、お宝ザクザク。親しみやすさもあるこの街を、じっくりのんびり歩きたい。
江戸城外堀のさらに南側で、地下鉄が弧を描くこの区間。ビジネス街・官庁街の印象が色濃いけど実は江戸の情緒や懐かしい昭和風情もあちこちに。東京の真ん中過ぎて敬遠してたけど歩くとこんなに楽しいなんて!
浅草の顔、雷門から老舗で腹ごなし。昼飲みで憩(いこ)ったらガチ中華タウンと化す上野エリアへ。サイバーな末広町エリアをするっと抜け、飲み偏差値高めの神田へと。ようこそ、飲み食い倒れ地帯へ!
江戸時代、大山道と呼ばれていた青山通り。人々がこぞってこの道を通り、相模国の霊山・大山を目指したからだ。当時、行楽を兼ねた大山参りがブームに。時は過ぎ、令和。我々も物見遊山といきましょうか。