東銀座エリアを謎解きしながら歩いてみよう

歌舞伎座は、明治22(1889)年に開場した歌舞伎専用の劇場。
歌舞伎座は、明治22(1889)年に開場した歌舞伎専用の劇場。

やってきました、歌舞伎座! いつ見ても風情があって素敵な建物ですよね。今回のリアル宝探しイベントは、ここ歌舞伎座からスタートします。

提供:株式会社タカラッシュ
提供:株式会社タカラッシュ

リアル宝探しイベント「いにしえから受け継がれた秘められし宝」は、創業から20年以上宝探し事業を続けている日本で唯一の宝探し専門会社「タカラッシュ」と、一般社団法人中央区観光協会、一般社団法人東銀座エリアマネジメントが共同で実施する体験型イベントです。

そもそも「リアル宝探し」とは? タカラッシュの広報さんに聞いてみました。

「リアル宝探しは、宝の地図を手に、実際に街中を散策して隠された宝物を探し出す体験型のプログラムです。全国各地、お子さんから大人向けまでさまざまなテーマで開催されていますよ。それぞれの謎解きはクエストと言います」

今回のクエストは、東銀座の街中に散りばめられた謎を解いて宝を探しながら、街の魅力や、最近注目されているSDGsについて学べるそう。

いろんな要素が詰まっていて好奇心がくすぐられる~!

赤ちょうちんが目印の『お土産処 かおみせ』。
赤ちょうちんが目印の『お土産処 かおみせ』。

クエストに参加するには、地図や謎が載った冊子を手に入れることが必須。冊子の設置場所である歌舞伎座の地下2階「木挽町広場」の『お土産処 かおみせ』に向かいます。

レジの前で冊子を発見!
レジの前で冊子を発見!

お、レジの前に設置されているのを発見! さっそくゲットします。

冊子は『お土産処 かおみせ』と同じ木挽町広場にある、インフォメーションにも設置されています。ほかにも『中央区観光情報センター』などに設置されているので、手に入れやすい場所に行ってみてくださいね。

クエストの参加費は無料で、さらに自分の好きなタイミングで参加できます。こういうイベントは「開始時間と集合場所が決まっていて、参加者が一斉にスタートする」というイメージがあったけど、こんなに気軽に参加できるんですね。前もって予定していなくても「ちょっと時間ができたから参加しちゃおう」なんてこともできちゃいます!

チラシは再生紙を使っているのだとか。そんなところもSDGs!
チラシは再生紙を使っているのだとか。そんなところもSDGs!

じゃーん! 冊子を手に入れると一気に楽しみが倍増。今回のクエスト体験者は、すでにトータルで4000人以上(取材時点)になるのだとか! 大人気ですね。冊子は英語版もあるので、海外の参加者も多いみたいです。

必要な道具は冊子のほかに、答えを記入する筆記用具(ボールペンや、えんぴつ・消しゴム)です。文字を書きやすいように下敷きやバインダーなどもあると便利。道に迷ったらスマホでマップを見るのもOKです。使えるものは上手に駆使しましょう。

それでは、謎解きと街歩きのスタートです!

いざ、街に隠された宝箱を探しに出発!

リアル宝探しは、参加者が物語の主人公になれる没入型のイベント。事前にHPや冊子に書かれているストーリーを読んでからスタートすると楽しめます。

今回のクエストのストーリーは……

 

歌舞伎座や築地本願寺など、歴史ある建物が今と昔を結んでいる東銀座。ある日あなたがそんな街を散策していると、見知らぬ青年から声をかけられました。
「あ、いた! いきなりすみません、僕の話を聞いてください!  実は僕、100年後の未来の東銀座から来たんです。 環境破壊が進んだ未来では、今は素敵なこの場所もゴミだらけの汚い街になっていて……この時代の人たちがもっと環境問題に目を向けてくれれば未来も守られると思って、こうして時を超えてきました。これが未来の東銀座です」
突然の出来事に驚くあなた。
しかし見せられた写真には、たしかに歌舞伎座や築地本願寺、新橋演舞場など、 東銀座のランドマークが写っていました。

……しかし、周りにはゴミが散乱していて人も閑散としている、 とてもさみしい街になっています。
「伝えたいことをまとめてきたんですけど、タイムワープをしている最中にデータが壊れてしまったみたいです。僕と一緒に、 データを修復してくれませんか? 僕はこの素敵な街を……東銀座の街という大切な宝を守りたいんです!」

にわかには信じがたい話ですが、この青年が嘘をついているとは思えないあなた。なんだか、彼の顔を見ていると助けてあげないと いけない気がしてきました。
こうして、あなたは青年とともに、未来の東銀座を救うべく不思議な冒険へと旅立つのでした。

 

という、ちょっぴりSF要素のあるストーリー。もう、このストーリーを読んだだけでワクワクしてきませんか!?

どんな謎が待っているのだろうとドキドキ……。
どんな謎が待っているのだろうとドキドキ……。

今回は特別に、タカラッシュの広報さんにもついてきてもらい、クエストのポイントを説明してもらいながら体験します(通常はもちろんついてきません!)。

今年は暖冬なので、日中だとまだまだお散歩日和でうれしい。るんるん気分で街を探索します。

 

広報さんいわく「今回のクエストはやさしいレベルなので、お子さんと一緒でも楽しめると思います」とのこと。

ちなみにクエストを体験するライターの謎解き遍歴(?)は、かの有名な謎解きゲーム「レイトンシリーズ」を一通りクリアしたので、人よりも少しは謎解き耐性があると自負しています。このような謎解きイベントに参加するのは初めてですが、それなりに自信はありました。そう、ありました(過去形)。

提供:株式会社タカラッシュ
提供:株式会社タカラッシュ

冊子には、こんな感じで4つの謎が載っています。謎を解くと、同じく冊子に載っている「捜索範囲マップ」のどこかに隠された手がかりの在りかがわかり、手がかりをすべて入手すると宝箱の場所を特定できます!

見つけた手がかりを必死にメモ。
見つけた手がかりを必死にメモ。

謎を解いて見つけた手がかりは、忘れないようにメモ。実際に街を歩きながら宝箱を探すというのが、現実世界でRPGゲームをしているような新しい感覚です。手がかりを見つけた瞬間は「あった!」と声を出してしまうほどうれしい!

最初は「4つしか謎がないのか~。もしかして余裕かも?」なんて油断していたら……一つめの謎からちょっとだけ戸惑い、二つめからは完全に頭が「????」でいっぱいに。さっきまでの自信は一体どこへ?

難しく考えすぎると迷宮入りしてしまうし、逆にけっこう頭をひねる謎もあります。頭をやわらかくして、柔軟な発想を持つことが大切なようです!

指定された場所に向かう道中は街歩きも楽しみます。
指定された場所に向かう道中は街歩きも楽しみます。

見かねた広報さんから、ところどころ天の声(?)をもらいながら謎を解いていきます。しかし、実際に参加するときにはもちろん天の声は聞こえないので……(笑)

「どうしてもヒントがほしい!」というときには、冊子に書かれている「ヒント提供店」に行くとヒントが書かれたボードがあります。行きづまったときは存分に頼りましょう! そして心が折れかけても、めげずに考えれば光が見えてきます(たぶん)。

謎が難しければ難しいほど、解けたときのスッキリ感はやみつきですよ~!

東銀座・銀座エリアで見つけたおすすめスポット

ここからは、東銀座・銀座の周辺エリアを街歩きして見つけた印象的なスポットをご紹介。

まずはなんといっても、銀座のランドマークである時計店『銀座・和光』。街を見おろす時計塔はすっかりおなじみですが、初代時計塔が完成したのはなんと明治27(1894)年! そんなに昔から銀座の街を見守ってきたんですね。

館内ではいろんなイベントも開催されているので、この機会に立ち寄ってみてもいいかも。

少し歩くと、豊富な品ぞろえが魅力の岩手県のアンテナショップ『いわて銀河プラザ』も。お肉やお魚などの生鮮食品を中心に、お酒もバラエティ豊か。ご当地ならではのユニークな商品に囲まれて、プチ旅行気分を味わえちゃいます。

そして東銀座エリアに移ると、雰囲気がガラリと変わるスポットもありました!

『築地本願寺』は、インドなどアジアの古代仏教建築を模したお寺。敷地に入ると「本当にここは日本?」と疑ってしまうほど、オリエンタルな雰囲気を感じます。本堂は自由に参拝ができるほか、境内では本格的な精進料理を味わえたり、おしゃれなカフェで和スイーツを味わえたりと、お寺とは思えないほど幅広く楽しめるスポットです。

お寺の名前はなんとなく聞いたことがあったけど「こんなに楽しいお寺だったなんて!」と驚きでした。これは街歩きをしなければ気づかなかったな~。

浄土真宗を広める寺院であり、「開かれたお寺」でもある築地本願寺。仏教を信じている人だけでなく、散策目的の人や観光客も参拝に訪れる。境内には見どころが多く、興味深い学びのトピックも。さあ、その世界をのぞいてみよう。

気づかなかったといえば……。

歌舞伎座の5階には緑いっぱいの屋上庭園があるんです。謎解きの途中、ちょっと疲れたら日差しを浴びながら休憩するのもいいですね。

首都高速道路に架かる采女橋 (うねめばし)からは、歌舞伎座と並んで東銀座エリアを代表するスポット『新橋演舞場』の姿が見えます。

洋風なデザインの柵もかわいい!
洋風なデザインの柵もかわいい!

銀座エリアは川に囲まれているため、采女橋のほかにもたくさんの橋があるみたい。ちょっぴりマニアックな“橋巡り”も楽しそうですね。

気ままに街歩きを楽しんでいると「こうして街中を歩いていると、同じクエストに参加している方と出会うことも多いんです。参加者同士で交流してみるのも面白いですよ」と広報さん。

なるほど、そんな偶然の出会いを楽しめるのもリアル宝探しならではです!

誘惑だらけの築地市場。
誘惑だらけの築地市場。

東銀座エリアから少し足を延ばすと、何やら活気のあるエリアを通りかかりました。

そう、都民の台所として親しまれてきた『築地場外市場』です! 平日の日中でも、関係なしにめちゃめちゃにぎわっています。おいしそうな海産物がたくさんあってお腹が鳴る~!!

バケツからあふれるほど大量のカニを食べている海外の方もいて(!)、みなさん新鮮な海産物を満喫しているようでした。

広報さんにおすすめのお店を教えてもらったり、おいしそうな食べ物を探したりしているうちに謎解きをすっかり忘れかけていましたが、こうした寄り道もリアル宝探しの醍醐味です。時間制限がないので、気になる場所はどんどん寄り道しちゃいましょう!

築地場外市場の路地を散策。おいしそうなものがありすぎて目移り!
築地場外市場の路地を散策。おいしそうなものがありすぎて目移り!

謎を解きながら街をじっくり歩いてみると、知っている場所でも「こんなところがあったんだ!」と再発見することが多く、とても新鮮な気持ちになりました。

広報さんに教えてもらったのですが、リアル宝探しは事前に謎解きを考えるスタッフさんが下見をして、その場所に合った謎を考えているんだとか。だからこそ、謎解きを楽しみながら、その街の魅力的なスポットも巡ることができるんですね。

そして忘れかけていた(?)謎解きはというと……無事に宝箱を発見することができました!

なかなか解けない謎もあった分、宝箱を見つけたときの喜びといったら(泣)。ネタバレになってしまうので詳しくは紹介できませんが、最後の謎解きは思わず「おぉ~!」と歓声をあげてしまうほど驚きました。こんな謎を思いつくなんて、タカラッシュのスタッフさんたちって天才なの……?

この爽快感は、実際に体験して初めて味わえますよ!

東銀座は今と歴史が隣り合った面白い街だった!

スタート地点の『お土産処 かおみせ』でキーワードを報告!
スタート地点の『お土産処 かおみせ』でキーワードを報告!

宝箱を見つけたら「宝発見のキーワード」をしっかりメモして、スタート地点の『お土産処 かおみせ』に戻り、店員さんに報告しましょう。キーワードが合っていれば、ストーリーの結末が書かれたエンディングカードがもらえます。自分が歩いて見つけた宝箱によってストーリーが完結するので、本当に自分が物語の主人公になれたようで達成感がすごい!

リアル宝探しを通して街の魅力を再発見できたし、SDGsの大切さも学べたし、想像以上に充実したイベントでした。

そしてリアル宝探しのHPで「ハンター登録」をすると、クエストをクリアするたびにハンターポイントが付与され、ハンターランクが上がると、さまざまな特典や賞金がもらえるクエストに参加できるようになるのだそう。なかには、1日じゃ終わらない激ムズのクエストもあるようです。これはほかのクエストにも挑戦したくなる……!(ゴクリ)

歌舞伎座新開場10周年記念の特別パッケージでした。
歌舞伎座新開場10周年記念の特別パッケージでした。

最後は『お土産処 かおみせ』で、売れ筋No.1の歌舞伎揚をお土産に買っちゃいました。ちょっとした観光気分を味わえるのもリアル宝探しの魅力です。

今回のクエストにかかったトータル時間は約2時間。歩き疲れないちょうどいい距離感で、頭も体も動かしてスッキリしました。

東銀座・銀座エリアをあらためて歩いてみたら、都会的な洗練された雰囲気もありながら、少し歩けば昔ながらの風情を感じられる面白い街ということがわかりました。都内に住んでいる方でも、街の魅力を再発見できるいい機会になると思います。

ぜひぜひ、みなさんも宝探しを楽しみながら、東銀座の街を再発見してみてください!

取材・文・撮影=稲垣恵美

イベント情報

リアル宝探し 東銀座街歩き謎解き いにしえから受け継がれた秘められし宝

開催期間:2023年11月1日(水)~2024年1月31日(水)
開催場所:中央区東銀座周辺
参加費:無料
探索推奨時間:10:00~18:00
クエストレベル:★★☆☆☆
主催:一般社団法人中央区観光協会
共催:一般社団法人東銀座エリアマネジメント
企画・制作:株式会社タカラッシュ
イベントの詳細はHPから。