レモンサワーだけで5種類も揃う!『酒肆 一村』[門前仲町]
日本酒酒場『酒亭 沿露目(ぞろめ)』の姉妹店。看板もなく、敷居の高そうな隠れ家バーの佇まいだが、オーセンティックバー初心者も安心の店。豊富なフードメニューも絶品だが、イチオシは5種類もあるレモンサワーだ。冷凍庫で冷やしたジンがベースのスタンダードな名代、酒粕塩によるまろやかな塩気が人気の塩味、甘みのあるジンを用いた甘味、唐辛子を漬け込んだジンが喉を刺激する辛味、薬草ベースの香りを堪能できる苦味。飲み比べてみるのも楽しい。
『酒肆 一村』店舗詳細
魚料理にはガリのサワーでキマリ!『かまとと』[青砥]
鎌形さん夫妻が営む魚(=とと)の店だから、かまとと。日本酒に力を入れている店だが、おすすめはさっぱりとした辛味と甘酸っぱさが癖になる、鮮やかなピンクのガリハイ。寿司の相棒といえばガリ。刺し身、天ぷらなどの旬魚料理と合わないわけがない。「千住の市場でその日に買い付けてくるから、魚介の鮮度は折り紙つきだよ」と店主・鎌形浩一さん。ガリハイのグラスにたっぷりと入ったガリは、かき混ぜて味をなじませてから食べてもよし。飲みきるまで残し、グラスに酎ハイを追加するのもよし。
『かまとと』店舗詳細
飲むほどにピリリと辛さがしみる。『豚星』[武蔵小山]
市場から直接仕入れた新鮮な豚肉を用いたもつ焼きを、リーズナブルな価格で味わえる名店。17時を過ぎると、サラリーマンでにぎわう。ここを訪れたらぜひとも頼みたいのが、大葉を水草に、唐辛子を金魚に見立てた金魚サワーだ。見た目の涼しさもさることながら、大葉のさわやかな香りと唐辛子のピリリとした辛さが食欲をそそり、強炭酸が脂を切ってくれるので、もつ焼きが何本でもペロリと食べられてしまう。サワーをお代わりするたびに増えていく金魚を、「1匹、2匹……」と数えながら、長い夏の夜を楽しもう。
『豚星』店舗詳細
ソルティ・ドッグのレモンサワー版。『埼玉屋』[東十条]
言わずと知れたやきとんの名店。大将が「ウチのは特別だから。他じゃ食べられないよ」と言うだけあり、究極の味を求めて開店前には行列ができる。なかには外国人客も見られ、そんな客を相手に英語で接客をするから驚きだ。このやきとんと相性抜群なのが、50年以上前からメニューにある生レモンハイ。ジョッキの縁には塩が塗られており、いわばソルティ・ドッグのレモンサワー版だ。おかわりの際に「同じジョッキで」と頼めばカットレモンがどんどん増えて酸味が増す、という常連の技もぜひ試してみてほしい。
『埼玉屋』店舗詳細
最後の1滴までレモンの風味を楽しむ。『素揚げや』[小岩]
大山鶏のモモや手羽の素揚げが名物。ヒナ鶏の肉を20分以上かけて温度の異なる鍋でじっくり二度揚げするので、外はパリパリ、中はふっくら柔らか。噛めばジューシーな肉汁があふれ出す。塩加減も絶妙で、部位ごとに違う味わいが楽しめる。これに合うのが元祖・最強レモンサワー。氷の代わりにカチカチに凍らせた広島・瀬戸田産レモンが丸1個入っているため、最後まで薄まらない。「むしろ、レモンが溶けていくと、より果実味が増す」と店主・宮崎明さん。2杯目以降は、ナカ462円だけオーダーもできる。
『素揚げや』店舗詳細
皮まで丸ごとミキサーにかけたレモン!『立呑み とだか』[五反田]
通称「五反田ヒルズ」と呼ばれる雑居ビルにある『食堂とだか』は、店主・戸高雄平さんがかけ持ちで営むお店。柔らかい半熟の煮卵と良質のウニが絶妙に絡み合うウニ・オン・ザ・煮玉子や、軽く炙った牛肉を甘辛く味付けしてご飯にのせた牛ご飯など、見た目よし、味よしの創作料理が揃う。店名を冠したとだかハイボールと生おろしレモンサワーには、皮まで丸ごとミキサーにかけたレモンがたっぷり。爽やかな香りとツブツブの食感、ほんのりとした苦みが楽しめる。
『立呑み とだか』店舗詳細
多い日で150杯以上出る極上ハイボール。『ロックフィッシュ』[銀座]
誰もが知るハイボールの名店。材料は 43度の角瓶(復刻版)、ウィルキンソン、レモンピールのみ。しかし、これが多い日で 100杯以上出るという極上の一杯なのだ。オーナーは「どこが違うか?わからないぐらいの方がいいんじゃない?」と笑う。2002年の開店時からレシピは一切変えていない。また、オイルサーディンやスコッチ・エッグなど、フードも充実している。オープン時刻が早いため、明るいうちから飲むハイボールも格別だ。
『ロックフィッシュ』店舗詳細
ばあちゃん直伝もんじゃとラムネ酒『と陸』[柴又]
「ラムネを使ったお酒を出したくて、ハイボールがひらめきました」と、店主の増田斗夢さんは自慢顔。駄菓子屋発祥のもんじゃに合わせた、甘口ボールの誕生だ。戦後、祖母が営んだ店のもんじゃを真似て、ソースより塩味がウリ。もちチーズ明太子1045円を突きながら熱々と塩っぽさをシュワ〜ッと流そう。
『と陸』店舗詳細
取材・文=石原たきび、臺代裕夢、戸田恭子、野田りえ、平野貴大(風来堂)、松井一恵(teamまめ) 撮影=丸毛透、オカダタカオ、高野尚人、木村心保