選考委員
Mr.tsubaking(ゲスト審査員)
Boogie the マッハモータースのドラマーで、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌など担当。BS朝日「世界の名画」の構成、週刊SPA!、週刊プレイボーイなどに寄稿・執筆。温泉ソムリエ・仏教検定1級。
Web「さんたつ」にて、「超簡単!仏像のミカタ」を連載中。
受賞作品
1名の方を「ベスト・Mr.tsubaking賞」、9名の方を「さんたつ編集部賞」として選出させていただきました。
コンテストという形式のため何点か選出しましたが、どれもグッとくるものばかりで、悩みに悩んで選びました。Mr.tsubakingさんの寸評とさんたつ編集部のコメントと合わせ、ご紹介します。
さんたつ編集部賞
ヤーンカールさん @yarncurl 八幡神社(群馬)の狛犬
【寸評】確かに酔っ払ったように見えますね!八幡神社のご祭神である応神天皇は、日本神話の中で、大酒を飲んで酔っ払う場面が出てくるので、不思議なつながりを感じます。こちらの狛犬は、享保8年(1723年)に作られたもののようですが、300年もこの笑顔を振りまいてくれていると思うと、ありがたい上に楽しくなってきますね!
花月鏡さん @JABEE510 天神社(新潟)の亀?うさぎ?
【寸評】たしかにウサギにも見えますが亀ですね!というのも、七つの尻尾をもった亀が天神様(菅原道眞)の像を背負ってやって来た地に神社(名古屋市の七尾天神社)を建立したという逸話もあるほど、亀と天神は近い存在なのです!
snowdropさん @phRG9Ky3t40m4M9 深大寺(東京)の鳳凰
【寸評】鳳凰は元々、中国の神話に描かれた霊獣で、舞い降りる場所には大切なものがあるとされていました。それが、仏教とともに日本に伝来しました。そんな外来の存在でしたが、今では一万円札の裏にも描かれるほど日本に定着していますね!
なお、鳳凰は龍と対になっていた場合、女性性を表し龍が男性性を表します。
鳳凰を見つけたら、近くに龍がいないか探してみるのもいいですね!
Mix33さん @Mix33Mix 小野照崎神社(東京)の猿
【寸評】膝を立てた姿が愛らしいお猿さんですね。猿は浅間神社の使いでもありますし、こちらの神社の隣には庚申塚もあります。庚申信仰は読んで字のごとく「申(さる)」にも関わりがあります。お隣との繋がりもあるのかもしれませんね。
SORAさん @SORA02952234 法輪寺(東京)のカエル
【寸評】カエルは仏教経典に、登場することは寡聞にしてないと思います。けれど現代では、「福が還る」「お金が帰る」「生きて帰る」「活力が生きかえる」などの言葉遊びから、お寺などで大事にされている例も多い生き物です。
柳谷ナオさん @08naoyanagiya08 明徳稲荷神社(東京)のキツネ
【寸評】キツネは小高い盛り土の麓に巣穴を掘ります。古代、それが古墳の麓だったりすることもあり、神聖な場所とこちらの世界を行き来する存在であったため、神の使いになったと考える学者もいます。ちなみに、キツネが巣穴を使うのは子ギツネが小さい時期だけ。もしかすると、古代の人が見ていたのは、こんな親子のキツネだったかもしれませんね。
柳谷ナオさん @08naoyanagiya08 日本橋日枝神社(東京)の狛犬
【寸評】寡聞にしてここまで上を向いている狛犬は初めて見ました!狛犬は神域に邪気や悪者が入るのを防ぐ番犬です。
実際、番犬となっている犬には、侵入者に直接噛みつくような者もいれば大声で吠えて主人に知らせる者もいるでしょう。
こちらは後者タイプなんでしょうね!
Comakiさん @comaki 宇治神社(京都)の見返りうさぎ
【寸評】真っ白な体に真っ赤な目が可愛いうさぎですね。宇治神社の神様が道に迷っているところ、うさぎが道案内したという説話からここに祀られています。そう聞くと、うさぎの「こっちだよ〜」という声が聞こえてきそうですね!
Comakiさん @comaki 宇治神社(京都)のうさぎ
【寸評】うさぎも神社で見かける動物ですね。「因幡の白兎」のように古事記や日本書記にもウサギがよく登場します。これは西洋にも見られますが、繁殖力が強いので豊穣や豊作のいのりと結びつきやすいのでしょうね。
花月鏡さん @JABEE510 竹駒神社(宮城)の鶴
【寸評】「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるくらい、日本人にとって鶴はめでたい存在です。そんな長寿の象徴でもあり、声が遠くに届くことから「天上界と通じている存在」とも考えられています。そして優美でありながら華奢な体は、日本人が愛する「儚い」美しさも表現していると言えるでしょう。そんな点から、投稿者さんのおっしゃる通り、まさに「癒し」をもたらしてくれますね。
まきっさん @uw39abc 川越八幡宮(埼玉)の親子犬
【寸評】親子の信頼関係が見えるいい像ですね。造形のタッチから、信仰とは無関係に作られてようにも感じられますが、実は八幡宮のご祭神である応神天皇は犬好きなのです!
また、日本書紀ではヤマトタケルを犬が助けたりするなど、日本人は古代から犬を神様の近くに置いていました。無意識にそんな心理が働いているのかもしれませんね。
ゆずみさん @yuzumi108 長福寿寺(千葉)のゾウ
【寸評】お釈迦さまのお母様は、白象の夢を見た翌日にお釈迦さまを身ごもったとされているので、ゾウは「生み出す」イメージがあり、そこからお金を生むご利益に繋がったのかもしれません。ここから、車で15分ほどの場所に「市原ぞうの国」もあるので、長福寿寺とあわせて「ゾウツアー」をするのもオススメです!
SORAさん @SORA02952234 蛇窪神社(東京)の白蛇
【寸評】蛇や龍は古くから水神として信仰されてきました。水が「湧き出る」ことから、お金が湧き出るイメージにつながり金運をもたらすと考えられています。また、美のご利益があるとされるのは、女神である弁財天と習合されたためでしょうね。それにしても、つぶらな目が愛らしい白蛇ですね。
ベスト・Mr.tsubaking賞
佐久屋さくさん @s39sakuya 豊川稲荷(東京)のイケメン
【寸評】キリッとしたまさに「キツネ目」のイケメンですね!稲荷神社のご祭神は五穀豊穣を司る神。関西などではキツネをケツネと言います。古代の言葉で「ケ」は食べ物を表し、まつげが「目の毛」を表すように、「ツ」は助詞の「の」になります。「ネ」=根と捉えると、「食べ物の根源」という意味になり、稲荷神社にキツネがいる意味が見えて来ますね。
賞品は「さんたつオリジナル手ぬぐい」or「この街、どんな街?オリジナルマグカップ」
受賞された10名の方には、賞品をお贈りさせていただきます。
*2作品以上入選された方でも、賞品はおひとつです。ご了承ください。
*受賞者のみなさまには順次TwitterのDMをお送りしますので、ご確認をお願いします。
改めまして、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
こういった企画を引き続き実施してまいりますので、またご参加いただけたらうれしいです。