アクセス
電車:JR・私鉄・地下鉄上野駅からJR常磐線で約50分の牛久駅下車。市域東部方面へは牛久駅またはひたち野うしく駅から関東鉄道の路線バスが運行。
車:常磐自動車道三郷JCTから常磐自動車道・圏央道を利用しつくば牛久ICまで約37㎞。同ICから牛久市中心部まで約7㎞。市域東部方面へは牛久阿見ICや阿見東ICも利用可。
明治中期築のレンガ造り建築群が壮観『牛久シャトー』
電気ブランの生みの親で実業家の神谷傳兵衛が明治36年(1903)、この地に国内初の本格的ワイン醸造場を建設。趣ある建物は旧醗酵室を記念館、貯蔵庫をレストランとして活用し、敷地で収穫したブドウを用いた数量限定ワインも醸造・販売している。
世界一を誇る高さ120mの青銅製立像「牛久大仏」
目にするや、あまりのスケールに圧倒される阿弥陀仏像で、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺が建立。胎内は5層に分かれ、地上85mの胸部展望台からは東京スカイツリーなどを見通せる。心を静めての写経体験もぜひ(別途200円)。手入れの行き届いた庭園も見事だ。
直売所入り口に置かれた木樽が目印『ヤマイチ味噌』
県産の米や大豆などを原料に、自家製糀(こうじ)からじっくり仕込んだ味噌を製造・販売。直売所にはコシヒカリ米を原料に大豆と糀が同量入った赤つぶみそ500g 540円をはじめ、味わいや食感の異なる酒精無添加生みそが米・麦合わせて10数種並ぶ。味噌造りを体験できる教室も適時開催(予約制、料金・開催日はHPで要確認)。
全国に10カ所ある「自然観察の森」の一つ『牛久自然観察の森』
里山の自然を保全し、多くの生きものが生息できるよう整備。平地林内に園路が延び、木育ひろば(体験料300円)を併設したネイチャーセンターには自然解説員が常駐する。
心を込めた一杯をじっくり味わう『サイトウコーヒー』
弧を描いたシックな外観が印象的な自家焙煎コーヒー店。湯の温度や抽出時間に注意を払い、ネルドリップで丁寧に淹れるコーヒーは、酸味を抑えたまろやかな味わい。オリジナルブレンド・シングルオリジンのいずれも500円で、コーヒー器具などのグッズ販売も扱う。各種ソフトドリンクのほか、手間をかけたスイーツやフードメニューも充実。
アクセス至便なサツマイモ菓子専門店『芋千(いもせん)』
牛久駅東口ロータリーの一角にあり、保存料無添加の安心・安全なサツマイモ菓子を販売。看板商品の大学芋は、行方(なめがた)産のベニアズマがホクホク、牛久産の希少種ベニコウケイはしっとりとした食感で、食べ比べも面白そう。白餡(あん)を加えず、芋本来の穏やかな甘みで勝負するスイートポテトや芋ようかんも見逃せない。
宝探し気分で思わずワクワク!『*-ita*(イータ)の小屋』
雑居ビルの一角にある消しゴムはんこと文具の店。「日々の生活に親しみやすさやかわいらしさを付け加え、使ってみたくなる文具を集めています」と店主のかとうみのりさん。温もりのある消しゴムはんこは、文字なし1100円〜や住所・名前入り4620円など希望に応じて作成。納品まで現在1〜2カ月待ちになる。
夫婦で切り盛りする心和む空間『BAIGETSU(バイゲツ) café』
大通りから少し入った住宅地にある気さくな洋食屋兼カフェ。料理・ドリンクとも手づくりを心がけ、食材は地場産中心。コーヒーも自家焙煎だ。料理はパスタ、グラタン、ハンバーグ、ピザなどの定番に加え、ボードに書かれた“季節のお料理”も気になるところ。メレンゲづくりから始めるパンケーキ830円のほか、ケーキにプリン、さらには焼き菓子販売まで、守備範囲の広さに驚かされる。
かれんな花々が牛久沼の初夏を彩る『牛久市観光アヤメ園』
牛久沼畔にあり総面積は8000㎡。例年6月中旬に見頃を迎えるハナショウブをはじめ、アヤメやカキツバタなど約200品種、2万本もの花が順次咲き誇る。敷地内には観賞用の散策路が設けられ、かたわらにはトイレ棟を兼ねた小さめの展望台もある。
●入園自由。茨城県牛久市城中町2831-2
☎︎029-874-5554(牛久市観光協会)
沼からかっぱがひょっこり現れそう「牛久沼かっぱの小径(こみち)」
「牛久沼観光アヤメ園」と室町時代の遺構とされる「牛久城跡」をつなぐように牛久沼の北東畔に整備された遊歩道。全長1㎞ほどと短く、ほぼ平坦なので、気軽に散策を楽しめる。『牛久市住井すゑ文学館』とは階段状の道で結ばれているので、見学がてら足を延ばしてみたい。
●茨城県牛久市城中町
“沼畔の仙人”の旧居を保存し活用『小川芋銭記念館 雲魚亭』
かっぱの絵を数多く描き、明治期から昭和初期にかけて活動した日本画家・小川芋銭(うせん)。彼が最晩年のわずかな時間を過ごしたアトリエ兼住居跡を一般公開し、複製した作品のほか、制作に使用した道具類や愛用品・資料などを展示している。
牛久沼を見下ろす高台に立つ『牛久市住井すゑ文学館』
被差別部落を題材とした長編小説『橋のない川』などを通して、自由と平和を訴えた作家・住井すゑ。住居や土地が市へ寄贈されたのを受け、かつての書斎を改修し、原稿やゆかりの品などを紹介する展示棟として公開。開館時間内であれば駐車場やトイレを利用でき、周辺散策の拠点の役割も果たしている。
【COLUMN】飲食店応援の冊子を独力で刊行‼『牛久コラティル』
取材中、各所で目にしたフリーペーパー『牛久コラティル』。コロナ禍で苦境に立つ飲食店を応援しようと市内在住の主婦・坂(さか)朋子さんが自費で食べ歩き、全くの素人ながら取材・撮影からレイアウト・地図作成、さらに印刷手配・納品まで一人でこなしたのだから驚く。2023年2月発行の第3弾には熱意に賛同した215店ものグルメ情報が満載。“牛久ツウ”必携の労作だ。
旅のワンポイント
詳細な解説板が立つ小坂城(おさかじょう)跡公園
市域の中央にある戦国期の城跡で、城主はこの地を領有していた岡見氏一族と推定。現在は起伏を生かした公園として整備され、曲輪(くるわ)や土塁、空堀の様子を明瞭に見て取れる。
夏の風物詩「かっぱ祭り」が4年ぶりに復活
例年7月最終土・日に行われる「うしくかっぱ祭り」。牛久駅東口の花水木通りをメイン会場にかっぱばやし踊りパレードが繰り広げられ、みこしや山車も登場。今年(2023年)は7月29・30日開催。
取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2023年6月号より