自家製麺 そのさき
はじける食感のうどんに刮目(かつもく)せよ!
「喉越しの讃岐と、コシ強めの武蔵野のいいとこどりをしたくて」とは、店主の池田武司さん。水分と塩の分量に気を配り、麺は毎日自家製だ。看板は鶏天や豚ヒレ天、人参天がどっさりの肉天ぶっかけ。ひと思いに麺をすすれば、伊吹島産のいりこや利尻昆布、さば節などさまざまな魚介出汁を使ったつゆの芳香がふわり。麺の食感と喉越し、サクサク天ぷらの心地よいハーモニーが、口中で躍る。
『自家製麺 そのさき』店舗詳細
PIZZERIA ROCCO
ペロリ平らげる、薪窯焼きのピザ
数多のピザ店を食べ歩き、自身の味を模索した店主の高木洋一さん。水分を多めにして、外サクサク中ふんわりの軽い食感の生地がこだわりだ。「たまに楕円形になるけど、それもご愛嬌(あいきょう)」と、笑う。薪窯で焼かれた出来たてアツアツを頬張れば、こんがり小麦とチーズの風味に、薪の薫香がかすかに混ざって後引く味わい。レモンチェッロを使った自家製のレモンサワーや、つまみも合わせて楽しみたい。
『PIZZERIA ROCCO』店舗詳細
きょうのごはん ゆるりCafe
体が喜ぶおばんざいに人心地
店主の尾形亮伍さんは、以前体調を崩した際に妻・明日香さんが栄養バランスを考えてこしらえた食事に感動。京都のおばんざいの見目麗しさも参考に「健康的でおいしくて、量はたっぷり」がテーマのプレートを考案し、店を開いた。プレートには、ローストビーフやポークジンジャー、季節野菜のサラダなど10種のおばんざいが。十六穀米や味噌汁とともに口に運べば、やさしい味にほっとひと息。
『きょうのごはん ゆるりCafe』店舗詳細
分
Non Lavora MASSA
本格派店主による、ゆるイタリアン
店主の雨宮優一さんは、イタリアン一筋10年以上。味よし量よしコスパよしをモットーにしているのは「修業でイタリアに渡ったら、現地の店が良い意味でいい加減だった」ことが理由だ。人気は肉料理で、この日は骨付きの三元豚や牛肉を塊のままローストし、分厚くカット。口中に含むと、しっとりした舌触りで頬が緩み、あふれる肉汁に恍惚(こうこつ)となる。赤ワインを流し込んだときの相性たるや、もう。
『Non Lavora MASSA』店舗詳細
蕎麦 酒 十限無
石臼碾きの香り高いそばに舌鼓
「ソバの実は、香りを出すため石臼で粗めに碾(ひ)いています」とは、店主の斎藤賢一さん。十割そばに合わせるめんつゆは、鍋を埋め尽くさんばかりのかつお節の出汁で作る。せいろもいいが、ドでかいかき揚げに視線が釘付けになる鬼おろしかき揚げそばもアリ。そばとつゆの芳醇な香りにかき揚げのエビとホタテ、三つ葉の食感が相性よく、後を追う大根の辛味でさっぱり。次のひと口を誘う。
『蕎麦 酒 十限無』店舗詳細
すずのや おやさいとくだものとお酒と
旬の野菜の旨味が、口中を直撃!
店主の鈴木豪さんは地産地消にこだわり、川越野菜が主役の品書きを構成。「がっつりメシでもちょい飲みでも、ご自由に」とにっこり。看板のおでんは、昆布とかつお節を鍋底に敷き、簀子(すのこ) で押さえてとる黄金色の出汁が決め手だ。ほどよい塩味がタネと好相性で日本酒がほしくなる。また、野菜盛りも外せない。氷水でシメた旬野菜はパリッとみずみずしく、秋田味噌をつければ中毒性ヤバし。
『すずのや おやさいとくだものとお酒と』店舗詳細
取材・文=高橋健太(teamまめ) 撮影=加藤熊三
『散歩の達人』2020年10月号より