【クリームソーダ】しゅわっとソーダとトロリとしたアイスの相性を堪能
バニラアイスが浮かぶカラフルソーダは、店主のひらめき次第でさまざまな姿に。目にもおいしい、しゅわっと美しく透き通るきらめきで喉をうるおしたい。
少女時代の思い出と憧れがよみがえる『喫茶 宝石箱』
昭和40〜50年代のかわいいものを愛してやまない店主が、「自分の好みを詰め込んだ空間をつくりたい」と2009年にオープン。当初から人気のクリームソーダは、ルビー(いちご味)、トパーズ(パイン味)と、名前、色ともに宝石をイメージした全10種類だ。店主が「子供のころアイスが少ないと寂しかったから」と、アイスはビッグサイズに。上にちょこんとのるプラスチックの造花は、昭和世代にお馴染みのケーキトッパー。昔懐かしい見た目に心がきゅんとときめく。
ソーダをとおして広がる旅先の情景『旅する喫茶』
旅をしながら、その道中で出合った食材を使ったメニューを提供するカレー職人とクリームソーダ職人のユニット『旅する喫茶』。その拠点となる店舗が高円寺にオープン。旅先の空をイメージしているクリームソーダは、シロップや飾り付けに、新潟県産イチゴ、長野県産リンゴなど各地の旬の果物を使用している。こだわるのは見た目だけではない。かち割り氷を使うことで、すっきりと繊細な味わいに仕上げた。炭酸も甘みも控えめで、飲みやすい一品。
キラキラ輝く7色のクリームソーダ『味の珈琲屋 さぼうる』
1955年の創業当時から変わらない店内は、レンガと木で造られた山小屋を彷彿とさせ、「なぜか落ち着くんですよね」と店主の伊藤雅史さんは天井を見あげる。色が鮮やかになるようにとたっぷり入ったシロップと大きなバニラアイスが特徴のクリームソーダは7色並べると圧巻。一つひとつ丁寧に削られた、溶けにくい氷には店内での時間をゆっくりと楽しんでほしいという思いが込められている。美しいだけでなく、あれんばかりの愛と心遣いを感じる。
ひと口飲めば爽やかな風が吹く、すっきりクリームソーダ『濱時間』
店自慢のクリームあんみつの寒天をモチーフにしたのれんが目印の古民家カフェ。店内には中庭から心地よい風が吹き込み、地元の常連客は小旅行気分で足を運ぶ。爽やかな色合いの濱時間クリームソーダは、バニラアイスの甘みと中に入ったブドウの酸味が合わさったすっきりとした口当たり。つるんとした食感のクリームあんみつと一緒に注文すれば、涼し気な見た目とあんこのやさしい甘み、ソーダの炭酸が弾ける音が五感を刺激してくれる。
懐かしさに心打たれる、昔ながらのクリームソーダ『angie café』
透き通ったグリーンのソーダにバニラアイスがたっぷりのった昔ながらの王道クリームソーダ450円。「皆さん懐かしいと喜んでくれます」と語る店主の千綿恭子さんは、常連客の期待に応えようとさまざまなメニューを考案。軽食や酒など数十種類のメニューの中でもクリームソーダは開業当時から人気。ほの暗い店内には、心地いい音楽が流れ、壁には洋画のポスター。ソファーに深く腰掛ければ、自分だけのおこもり空間に。
【プリン】シンプルなのに個性が光る! 自分好みを見つけよう
卵、牛乳、砂糖とシンプルな材料で作られるからこそ、名喫茶店の“らしさ”が浮き彫りになる。濃厚な風味をカラメルソースと合わせて召しあがれ。
いいとこどり食感の“少し背伸び”したプリン『器カフェ棗』
素朴で親しみやすいけれど、家ではちょっと再現できない。店主が“棗っぽさ”と表現するその味は、プリンにも。丸みを帯びた器、ホイップクリームとさくらんぼがちょこんとのった見た目はザ・王道だが、こだわったのは卵とミルクの配合だ。試行錯誤を重ね、卵のコクを残しつつも、クリームと一緒に食べたときに口の中でちょうどよく混ざるようななめらかさを追求。ランチ後の胃にも負担がないようにと甘さは控えめ。店主の気配りを感じる。
ひと口でラム酒の芳醇な香りが広がる『NORIZ COFFEE』
特徴的なホイップの形は、「たまたま店にあった100均一のスプーンを使ったらこうなったんです」と店主の田中宣彦さん。ラム酒の香り豊かなプリンは、高級ホテルでシェフをしている友人から譲り受けたレシピに改良を重ねたもの。オレンジリキュール入りの生クリームによく合う。「自分たちの感覚を大切にしたいからトレンドは意識していない」と話す。流行を追わないところがまた、この店の魅力だ。
昭和の匂いがする店内で正統派プリンを堪能『アマンデン』
店内に入ると出迎えてくれるのは、常時10種類以上のケーキが並ぶショーケース。2階の喫茶スペースに上がれば、1970年の創業当時から変わらない昭和の匂いを感じさせる絨毯やシャンデリアが。店の看板商品・アマンデーヌは、卵の味が濃く、柔らかな食感が特徴の正統派プリン。そのプリンを囲むように盛られたアイスクリーム、エクレア型のシュークリームや季節のフルーツの数々が、贅沢な気分にさせてくれる。
ラム酒とほろ苦カラメルの大人プリン『2F coffee』
狭い入り口から恐る恐る2階に上がれば、大きな窓のある開放的な店内が広がる。プリン550円は、スプーンを入れた瞬間に感じる固さとは裏腹に、なめらかな口当たり。ほろ苦いカラメルと軽やかな苦みのあるコーヒーと合わせることで、風味が際立つ。鼻を抜けるラム酒の香りも忘れられない。「いつもの常連さんが来ないと心配になるんです。いつまでも変わらない街の喫茶店でありたい」と語る店主の植村ケイ子さん。会話とコーヒーで安らぎのひとときを演出する。
【パフェ】器にぎゅっとつまった、美しさと味のバランスを味わうパフェ
透明な器にぎっしりと重ねられたアイスやフルーツ、クリームゼリー。バランスの取れた繊細な美しさと味には、やはり最後まで飽きがこないものだ。
白鳥の運ぶパフェが乙女心をくすぐる『カフェウィーン』
白鳥の形をしたガラスの器に飾り付けられたフィルシメルバ1078円は、ウィーンの伝統的なスイーツ。「フィルシ」は桃、「メルバ」は女性オペラ歌手の名前から付けられたとされている。黄桃のコンポートを主役に、舌触りのいいバニラアイス、甘さ控えめのホイップクリームに酸味の効いた木苺のソースが味のコントラストを引き立てる。上品な甘さがお姫様気分を演出する夢のような一品。
広がるココアの地平に金粉がキラリ『SALONE VENDREDI』
昼は落ち着いたカフェ、夜は大人の社交場としてのバーという2つの顔を持つ『SALONE VENDREDI』は“人と音楽とお酒を楽しむ”がコンセプトのラウンジ。salon de Parfait“Tiramisu”1500円はミルクアイスのまろやかな甘みに、カカオのコクとキャラメリゼしたピスタチオのザクザク食感が引き立つ、お店の新たな看板メニュー。隠し味のリキュール漬けチェリーが、味と香りに深みをもたらしている。
夜に食べるフォトジェニック・パフェ『夜パフェ専門店 Parfaiteria beL』
北海道にある本店発祥の夜パフェは別名“〆パフェ”とも呼ばれ、一日の終わりに食べる特別なパフェ。ディナーの後やお酒を飲んだあとでも食べやすいすっきりとした甘さと、写真映えする繊細で美しい見た目に癒やされる。みずみずしいフルーツにさっぱりとしたソルベ、甘さ控えめのクリームが口の中いっぱいに広がる。メニューは1ヶ月ごとに2、3種類ずつ変わっていくので、いつ行っても旬の食材を使った新しいパフェを楽しむことができる。
色鮮やかなゴージャスパフェにひと目ぼれ『白鳥』
昭和50年創業。街の喫茶店として多くの常連客から愛されている昔ながらの空間。アーチを多用したやさしい雰囲気の店内には、現役稼働中のスペースインベーダーゲームも。看板メニューは華やかな見た目に圧倒されること間違いなしのフルーツパフェ770円。たっぷり盛り付けられたクリームと濃厚なバニラアイスの下には、メロンシロップに浸かったフルーツが詰まっている。アイスが溶けないうちに、口いっぱいに頬張ってほしい。
【和スイーツ】あんこの上品さや茶葉の香りを堪能する
茶葉の香りがふんわりと鼻に抜けていったり、あんこの上品な甘さを感じたり。“和”の時間の中でほっとひと息ついたら、きっと心が軽くなる。
洗練されたモダン和菓子『nanarica〜七里香〜』
ころんと丸く愛らしいフォルムが特徴的な最中は、上新粉、卵、豆乳でシュー生地を焼きあげるというこの店ならではのレシピで、サクサクふわふわの軽い食感が魅力。グルテンフリーで体にやさしいのもうれしいところ。餡にバターを少し加えることで、奥行きのある味わいに仕上げている。できたての和菓子を、その場でほうじ茶や抹茶と一緒にいただけば一瞬でとりこになってしまうだろう。
時期により変わる一期一会のお茶と菓子『伍』
路地の奥に佇む、ひっそりとした隠れ茶房。店主の玉井大介さんのおすすめは、2、3ヶ月に1回茶葉を変えている萎凋茶。「お茶の個性を引き出すことを大切にしています」と、品種の違いを楽しんでもらえるように仕入れてから2週間かけて、そのお茶にとって一番いい淹れ方を調整する。お茶に合わせて選ばれたお菓子は「見た目や素材から季節を感じてほしい」と時期によって変わるので、何度も足を運びたくなる。
4種のスイーツが織りなす抹茶の新たな味わい『表参道 茶茶の間』
こだわりの茶器が並ぶ静かでゆったりとした空間。茶茶の間抹茶プレート1980円〜はぜい沢にも4種類のスイーツが並び、それぞれで抹茶の異なる味わいが楽しめる。砕いた煎茶が入ったゼリーがのる抹茶ババロアは、サクサクとした食感となめらかな舌触りが新しい。「お茶の楽しみを知ってほしい」と語る店主の北川拓さんが淹れるお茶は透き通った黄金色で、すっきりとした甘みが口に広がる。抹茶のスイーツと合わせれば、お茶の味をより鮮明に感じられる。
お茶にも酒にもマッチするひと口果子『HIGASHIYA man 丸の内』
野菜や木の実などの素材本来の甘みを引き出した“ひと口果子”は鮮やかな色合い。お茶にも酒にも合うように作られており、ペアリングがコース仕立てで提供される。果子や飲み物は季節により素材や作り方、ブレンドが変わるので、そのときならではの香りや風味を感じることができる。棗バターは、手作業で厳選した棗椰子のやさしい甘さと発酵バターの濃厚なコクに、クルミの香ばしさと食感が加わった一品だ。
あんことチーズのアイデアスイーツ『うさぎやCAFÉ』
和菓子の名店『うさぎや』の4代目・谷口拓也さんのひらめきから生まれたスイーツが堪能できるカフェ。ブラジルで出会った日系人が、羊羹とチーズを一緒に食べていたという話から発想を得たうさ志る古フロマージュは、やさしい甘さのあんこに、オホーツク海近郊の牧場で作られた塩気の強いチーズがマッチする。最中の上にのせると、香ばしい味わいと食感に。和紙の壁紙が貼られた落ち着いた雰囲気の店内で、ゆったりスイーツを味わいたい。
自家製あんこの甘みに癒やされる『Chatoan 茶とあん』
店主の増田玲子さんの「地域の皆さんが集うことができる場になれたら」という思いが込められた店内は、連日常連客でにぎわう。自家製あんこを使った手作りのスイーツは、もちもちの生地にたっぷりのつぶあんが入ったクレープが人気。増田さんが毎朝炊いているあんこは、渋切りなどを丁寧にすることであずき本来の味を生かした、すっきりとした甘さが魅力。増田さんが丁寧に淹れた香り高いお茶と一緒に、口に広がるあんこの風味を楽しみたい。
抹茶ティラミスとコーヒーが香り立つ『鈴鵠』
鵠沼海岸のほど近く、格子戸が目を引くカフェ。京都宇治産の香り豊かな抹茶と、鮮やかな色合いの抹茶2種類を使ったティラミスは、抹茶のほのかな甘さとコクがコーヒーの苦味と酸味をよく引き立てる。「最近は、初心者の方に向けてラテアート教室も開催しています」と話す店主の谷尾陽平さんは、ラテアートの国内大会で優勝経験もあるバリスタ。和を感じる空間は、いつしかコーヒーを愛する客たちが集まるコミュニティとなるだろう。
構成・文=都恋堂