おやつのこぼく

町内みんながほの字! 路地裏おやつ天国

チーズケーキ 300円、ふつうのプリン320円。

ガラス戸の向こうは、生クリームとカスタード色に包まれた空間。 眺めるだけで頬が緩むおやつが迎えてくれる。「ケーキ屋さんではなく、あそこのお母さんお菓子作りが上手だね、みたいな」と、店主・田所かな子さん。手の込んだものはないと言いつつも、家で作り続けて完成の域に達したチーズケーキは、しっとり夢のように口溶ける。故郷の北海道にちなんで置く富良野のハーブティーとの相性も◎だ。「座ってゆっくりできていい」とは、毎日通うご近所の声。

田所さんののんびりオーラに吸い寄せられる。
にぎやかなおやつ時。
路地裏に柔らかく甘そうな灯りが漏れる。
住所:東京都中央区日本橋浜町2-52-5 矢ケ崎ビル1F
/営業時間:11:00~18:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄新宿線浜町駅から徒歩5 分

かふぇ あっぷる

交差点近くの、甘~く優雅な特等席

旬のあまおうを使った ショートケーキとコーヒーのセット1150円。

カウンターに座れば、並ぶコーヒーカップに見惚ほれる。店主・滝本さんは「初めてのお客様には特に慎重になります」と迷いつつ一客を選ぶ。一方お客は、ケーキ選びに迷う。日替わりで種類は少ないが、生クリームにホワイトチョコを入れたショートケーキなど、別嬪(べっぴん)が揃うのだ。豆を挽く音に耳を傾け、ドリップの見事な膨らみを眺めつつ、しっとりふわっの甘露に陶酔。1982年の開店以来、少しずつ変わる人形町で、少し贅沢な喫茶時間を刻んでいる。

立派な梁(はり)と、一枚板の長いカウンターが趣を醸す。
通りの喧噪を遠ざけるしゃ れた二重扉が素敵。
住所:東京都中央区日本橋人形町3-4-13/営業時間:10:30~ 23:00(土は11:00~ 22:30)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

Mighty steps coffee stop

リノベ+シェア物件でコーヒーを

中浅煎りのエチオピア520円、アフォガード720円。

築60年の3階建て民家をリノベーション。蘇った空間に気軽なカフェが生まれた。「1つの農園で育つ1つの品種、つまり、生産者の顔が見えるコーヒーを浅煎り~中浅煎りで味わって」と語る、平田さんがドリップする光景、あふれる香りにほっとする。二枚看板のアイスクリームは、コーヒーの世界を広げる大切なアイテムで、秘かな人気はアフォガード。マスカルポーネ味に深煎りエスプレッソを注ぐ、大人スイーツだ。2017年より蔵前にある自家焙煎所で焙煎した豆を使用している。

天井をぶち抜き開放的に。
住所:中央区日本橋本町4-3-14 1F /営業時間:11:00~19:00(土・日・祝は10:00~18:00)/定休日:不定/アクセス:JR総武快速線新日本橋駅から徒歩1 分

Tiny Toria Tearoom

イギリスの家庭のお菓子でおもてなし

開店前に焼き上げ、慶本さんは営業中は接客に専念する。

甘酒横丁に面したかわいいエントランスに誘われて扉を開くと、そこはまるごとイギリスの田舎のティールーム! ざっくりしたスコーンや伝統菓子が目に飛び込んでくる。店主は、英国のライフスタイルに魅了され、ティールームを巡る旅を繰り返した慶本佐知子さん。「こういうお店、いいな」と、老舗が多く落ち着いた人形町で 開店した。紅茶は、本場で愛される 銘柄やさまざまな産地の茶葉を使う。 紅茶とお菓子と交互に味わううちに、 時間を忘れる魔法にかかる。

定番のスコーンセット800円、ジャムをサンドしたビクトリアスポンジケーキ450円。
少し古い時代のイギリスの食器や雑貨に囲まれる。
住所:東京都中央区日本橋人形町2-20-5 /営業時間:11:30~ 17:30/定休日:月・火(祝の場合は営業)
/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩2 分

サニサニーピクニック

無邪気に遊んで笑える、超異色カフェ

アフロの小栗さんが手造りした店。

メニューの「謎解き」とは? 客が店内を散策するのはなぜか? 初来店時には戸惑う要素が多いが、店主・小栗太さんの自然体のウエルカムに、つい引き込まれてしまう。ハンドドリップで淹れるコーヒーやクラフトビールでのカフェ利用もいいが、小栗さんが考案した「謎解き」に挑戦を。問題用紙を手に、店内に隠されているヒントを探して謎を解くが、なるほど、散策必須なわけだ。謎は新作も登場、遊び心はさらに膨らみ、店内を砂浜にする計画もある。

階段を上がると一面人工芝。靴を脱いでヤッホー! 弁当の持ち込みOKだ。
メニューの謎解きイベント参加費(コーヒー代別)1000円~。
住所:東京都中央区日本橋室町1-12-5/営業時間:11:30~23:00(月は~17:00)/定休日:火/アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩2 分

三日月座

コーヒーと映画、2つの文化が交差する

試写室は月曜夜に上映。こちらは夫の寛司さんが担当。

「ある日、夫(脚本家の柏原寛司さん)が35ミリの映写機を買っちゃって」と、店主・柏原久美子さんが開店の発端を振り返る。映画館作りの構想を進める中、映画人を目指す若い人が学べる試写室と映画好きもそうでなくても集えるカフェが生まれた。「実は、暗いのが苦手」と、久美子さん。試写室の暗闇とは真逆に、カフェは自然光がゆらゆらと注ぐ。自慢はサイフォンのコーヒーで、元スタッフが営む「珈琲焙煎カネコーヒー」の豆が絶品。たっぷり2杯楽しめる。

通りを望む小さなカウンターは、おこもり感あり
今月のコーヒー600円。
住所:中央区日本橋人形町1-15-5 柏原ビル2F/営業時間:11:30~18:00
/定休日:火・水/アクセス:地下鉄半蔵門線水天宮前駅から徒歩1分

取材・文=松井一恵( teamまめ) 撮影=金井塚太郎 構成=林本啓祐