民芸調の店内で味わう骨太コーヒー『神田伯剌西爾』
白のれんを頼りに地下へ潜れば、まさかの和の風情。障子ごしの明かりを土っぽい壁が受け止め、丸太の柱、太い梁、囲炉裏まで備えている。カウンターでドリップするのは、店長の竹内啓さん。学生時代に自家工房で焙煎する豆に惚れ、そのまま30年近く、コーヒーを淹れ続けることに。まずは店の顔、神田ぶれんどを。マンデリンも配合され、しっかりした苦味のあと、立ち上る甘みにため息。
『神田伯剌西爾』店舗詳細
60年以上変わらぬ店にもある楽しい変化『味の珈琲屋 さぼうる』
トーテムポールが出迎える木を多用した店構えは山小屋のよう。1955年の創業時から外観はもちろん、半地下と中2階のある入り組んだ造りも変わらない。「でも結構変わっていますけどね。表のヒマラヤスギも去年、やむを得ず切ってしまったし」と正社員の伊藤雅史さん。メニューでは、4色あったクリームソーダにグレープとオレンジが加わり6色に! 「でもこれで限界ってことはないですよ」と不敵な笑み。いつかまた増えるかも!?

『味の珈琲屋 さぼうる』店舗詳細
甘美なケーキとタンゴの調べを堪能『ミロンガ・ヌオーバ』
LPレコードは500枚、CDも300枚、70年代頃までを中心としたコレクションがそろう、創業66年のタンゴ喫茶。「タンゴはどれも同じと思われがちですが、バリエーションは多いし演奏家ごとにアレンジも違う。聴き比べると楽しいですよ」と店長・浅見加代子さん。店の長い歴史の間にはフロアは2軒分に広がり、世界のビールも飲めるように。最近は、元従業員が独立開業した高円寺『Citron』特製のガトーショコラなどが本日のケーキとして味わえる。
『ミロンガ・ヌオーバ』店舗詳細
歴史の重みと渋さの中に、柔らかな空気『ラドリオ』
生クリームホイップがなみなみ盛られたウィンナーコーヒー。その発祥地としても知られる1949年創業の店。レンガ積みの内外装に、高さが不ぞろいの丸釘のような木のカウンター席が印象的だ。17時までランチセットがあるのも魅力で、ボリュームたっぷりのナポリタンが食べられる。「麺は固めで、トマトソースにタバスコを入れるのがポイントです」と7代目店長の篠崎麻衣子さん。店の渋さとは裏腹に、店員はみな女性で柔らかな空気感にホッとする。
『ラドリオ』店舗詳細
オールドビーンズとネルドリップを貫いて40年以上『カフェ・トロワバグ』
創業は1976年。フランス語で“3つのリング”を意味する店名は、創業者の名字の“三輪”にかけたというが、「コーヒーとお客様と私たち店員も表すそうです」と2代目店主の三輪徳子さん。ネルドリップとコクテール堂のオールドビーンズを創業以来貫くコーヒーは、その甘みに驚く。「ワインと似ていて、温度が下がるうちに味がまろやかになるんです」。ワイン好きが高じて、2018年、神泉にワインとコーヒーが楽しめるスタンドもオープンさせた。
『カフェ・トロワバグ』店舗詳細
世界基準の焙煎技術が生み出す味『GLITCH COFFEE & ROASTERS』
2015年4月にオープン。ハンドドリップでいれるコーヒーがすべて浅煎りなのは、「豆の個性を生かし、風味をしっかり感じさせるため」と、オーナーの鈴木清和さん。味や香りはカップの形状でも変化するため、オリジナルのカップを用意。豆は、ドイツから取り寄せたPROBAT社の機械で焙煎。火の入れ方などは毎回データで管理し、国内外のバリスタとも技術共有して世界基準の味を提供している。
『GLITCH COFFEE & ROASTERS』店舗詳細
ハングルを読めない方もどうぞ!『CHEKCCORI』
「新しい韓国の文学」シリーズを出版する『クオン』が、“読者とふれあいたい”との思いから、2015年7月にカフェを開設した。本棚に並ぶのはハングルで書かれた文芸書や実用書、日本語によるガイドブックなど。韓国の文化や本について店員に質問しながら本を読んだり、現地をイメージしつつ旅の計画を立てたり、楽しみ方は十人十色だ。「お客様と一緒にお店を創っていきたい」と代表の金承福さん。「だから、違う店みたいに変わっちゃうかも。ウフフ」。
『CHEKCCORI』店舗詳細
店名に込めた意味は「20世紀の記憶装置」『ブックカフェ二十世紀』
人気古書店『@ワンダー』に併設されたカフェ。文学や芸能、食文化、サブカルなど20世紀を象徴する本が揃う。約35年前早稲田で創業した当初、店はサロンも兼ね、頻繁に読書会を開催。その後販売に絞ったが、2015年6 月、20余年ぶりにカフェを始めた。「初心に帰り、本を介して人が交わる場所を創りたいと思ったんです」とは店主の鈴木宏さん。「食事しながらだと気兼ねなくゆっくりできるから」と料理も手抜きなし!
『ブックカフェ二十世紀』店舗詳細
構成=前田真紀 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、下里康子、佐久間春奈・加藤桐子(風来堂)、野田りえ、信藤舞子 写真=オカダタカオ、加藤昌人、中込 涼

扉を開けるともう独特の雰囲気が広がっています。1Fはカウンター席。2階へどうぞ!と言われ一面本の壁にそいながら2階へ上がるとそこでもずらりと並ぶ本。忍者屋敷のような仕掛けのお手洗いも必見です♪ お客さんもほとんどが読書楽しんでいらっしゃいます。物珍しそうにお店を楽しんでいるのはわたしたちだけだったかも。

ご年配のご夫婦がいらして、時間自体もゆっくり回っているような不思議な空間です。薄暗さがとても遠くへ来たかのような錯覚。器は源右衛門、とても貴重な器だと思われます。なぜかついてくるのがバナナ。でもなんだか嬉しいサービスです。ご夫婦のたわいもない日常会話が素敵に感じられました。ひっそりと、そして静かな空間を楽しめるお店です。

階段を上がり扉を開けると素晴らしい空間が広がる「珈琲舎 蔵」。そして迎えてくださるのは黒い蝶ネクタイをしたマスター。お客様として大切に迎えてもらっていると感じます。丁寧に入れてくださった珈琲とケーキをじっくりと楽しみました。カウンターに並ぶWedgwoodの器もアート。店内もアートに溢れています。足を運びたくなるお店です。