神田伯剌西爾

民芸調の店内で味わう骨太コーヒー

1972年創業。時間を忘れる空間。

白のれんを頼りに地下へ潜れば、まさかの和の風情。障子ごしの明かりを土っぽい壁が受け止め、丸太の柱、太い梁、囲炉裏まで備えている。カウンターでドリップするのは、店長の竹内啓さん。学生時代に自家工房で焙煎する豆に惚れ、そのまま30年近く、コーヒーを淹れ続けることに。まずは店の顔、神田ぶれんどを。マンデリンも配合され、しっかりした苦味のあと、立ち上る甘みにため息。

のれんが下がったら開店の合図。

『神田伯剌西爾』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-7 小宮山ビルB1/営業時間:11:00~21:00(日・祝は~19:00)/定休日:無/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分。

味の珈琲屋 さぼうる

60年以上変わらぬ店にもある楽しい変化

並べると壮観な6色のクリームソーダ各680円(昼料金)

トーテムポールが出迎える木を多用した店構えは山小屋のよう。1955年の創業時から外観はもちろん、半地下と中2階のある入り組んだ造りも変わらない。「でも結構変わっていますけどね。表のヒマラヤスギも去年、やむを得ず切ってしまったし」と正社員の伊藤雅史さん。メニューでは、4色あったクリームソーダにグレープとオレンジが加わり6色に! 「でもこれで限界ってことはないですよ」と不敵な笑み。いつかまた増えるかも!?

店主の鈴木文雄さんは昭和8年(1933)生まれの86歳。1階奥の暖炉の前にて。「60年以上よく持ちこたえた。いい夢を見てきたよ。運がよかったんだね。与えられた仕事を一生懸命やれば運は自然とついてくるんだ。」
鈴木文雄マスターを支える伊藤さんと同僚である妻・智恵さん。

『味の珈琲屋 さぼうる』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-11/営業時間:9:30~23:00/定休日:日(祝は不定)/アクセス:地下鉄神保町駅からすぐ

ミロンガ・ヌオーバ

甘美なケーキとタンゴの調べを堪能

ミロンガブレンド648円、ガトーショコラ432円、ピザ・ミロンガ864円。

LPレコードは500枚、CDも300枚、70年代頃までを中心としたコレクションがそろう、創業66年のタンゴ喫茶。「タンゴはどれも同じと思われがちですが、バリエーションは多いし演奏家ごとにアレンジも違う。聴き比べると楽しいですよ」と店長・浅見加代子さん。店の長い歴史の間にはフロアは2軒分に広がり、世界のビールも飲めるように。最近は、元従業員が独立開業した高円寺『Citron』特製のガトーショコラなどが本日のケーキとして味わえる。

「タンゴを楽しんでほしい」と浅見さん。

『ミロンガ・ヌオーバ』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-3/営業時間:10:30~22:30(土・日・祝は11:30~19:00)/定休日:水/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分

ラドリオ

歴史の重みと渋さの中に、柔らかな空気

ナポリタンとウィンナーコーヒーのランチセットはサラダ、スープ付きで1050円。

生クリームホイップがなみなみ盛られたウィンナーコーヒー。その発祥地としても知られる1949年創業の店。レンガ積みの内外装に、高さが不ぞろいの丸釘のような木のカウンター席が印象的だ。17時までランチセットがあるのも魅力で、ボリュームたっぷりのナポリタンが食べられる。「麺は固めで、トマトソースにタバスコを入れるのがポイントです」と7代目店長の篠崎麻衣子さん。店の渋さとは裏腹に、店員はみな女性で柔らかな空気感にホッとする。

『兵六』など神保町の店で飲むのが好きな篠崎さん(右)。

『ラドリオ』店舗詳細

カフェ・トロワバグ

オールドビーンズとネルドリップを貫いて40年以上

人生の先輩として学生アルバイトたちの相談役も務める三輪さん。

創業は1976年。フランス語で“3つのリング”を意味する店名は、創業者の名字の“三輪”にかけたというが、「コーヒーとお客様と私たち店員も表すそうです」と2代目店主の三輪徳子さん。ネルドリップとコクテール堂のオールドビーンズを創業以来貫くコーヒーは、その甘みに驚く。「ワインと似ていて、温度が下がるうちに味がまろやかになるんです」。ワイン好きが高じて、2018年、神泉にワインとコーヒーが楽しめるスタンドもオープンさせた。

珈琲屋さんのティラミス650円、サバと野菜のカレーパンのコーヒーセット1200円。

『カフェ・トロワバグ』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-12-1富田メガネB1/営業時間:10:00~21:00(月は~20:00、土・祝は12:00~19:00)/定休日:日/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩すぐ

GLITCH COFFEE & ROASTERS

世界基準の焙煎技術が生み出す味

ハンドドリップコーヒー600円。

2015年4月にオープン。ハンドドリップでいれるコーヒーがすべて浅煎りなのは、「豆の個性を生かし、風味をしっかり感じさせるため」と、オーナーの鈴木清和さん。味や香りはカップの形状でも変化するため、オリジナルのカップを用意。豆は、ドイツから取り寄せたPROBAT社の機械で焙煎。火の入れ方などは毎回データで管理し、国内外のバリスタとも技術共有して世界基準の味を提供している。

ガラス張りで店内は明るい雰囲気。
最大5kgまで焙煎できる焙煎機。小さい機械よりも火力とファンの風力が安定し理想の味が出せるのだとか。
86℃のお湯でゆっくりと抽出。コーヒー通に人気のエチオピア産の豆はベリーのような風味。

『GLITCH COFFEE & ROASTERS』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田錦町3-16 香村ビル1F/営業時間:7:30~20:00(土・日は9:00~19:00)/定休日:無/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分

CHEKCCORI

ハングルを読めない方もどうぞ!

「新しい韓国の文学」シリーズを出版する『クオン』が、“読者とふれあいたい”との思いから、2015年7月にカフェを開設した。本棚に並ぶのはハングルで書かれた文芸書や実用書、日本語によるガイドブックなど。韓国の文化や本について店員に質問しながら本を読んだり、現地をイメージしつつ旅の計画を立てたり、楽しみ方は十人十色だ。「お客様と一緒にお店を創っていきたい」と代表の金承福さん。「だから、違う店みたいに変わっちゃうかも。ウフフ」。

韓国伝統茶や韓国餅といったカフェメニューも評判。写真の韓国餅はドライフルーツや 豆類がたっぷり入った栄養チャルトック500円。
素敵な挿絵の本が多く、絵本好きにもおすすめ。ほぼ全品購入可。

『CHEKCCORI』店舗詳細

ブックカフェ二十世紀

店名に込めた意味は「20世紀の記憶装置」

キリッとした爽やかな辛味とバターの甘みがバランスよく合わさったカレー。サラダ付き600 円。オリジナルブレンドコーヒー280円。

人気古書店『@ワンダー』に併設されたカフェ。文学や芸能、食文化、サブカルなど20世紀を象徴する本が揃う。約35年前早稲田で創業した当初、店はサロンも兼ね、頻繁に読書会を開催。その後販売に絞ったが、2015年6 月、20余年ぶりにカフェを始めた。「初心に帰り、本を介して人が交わる場所を創りたいと思ったんです」とは店主の鈴木宏さん。「食事しながらだと気兼ねなくゆっくりできるから」と料理も手抜きなし!

トークショーなどのイベントも実施。
稀少本も気軽に手に取れる。

『ブックカフェ二十世紀』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町2-5-4 開拓社ビル2F /営業時間:11:00~19:00(日・祝は~18:00)/定休日:無/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩1分

構成=前田真紀 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、下里康子、佐久間春奈・加藤桐子(風来堂)、野田りえ、信藤舞子 写真=オカダタカオ、加藤昌人、中込 涼