湯気立つ幸せたまごサンド『エスポワール』[門前仲町]

たまごサンド。
たまごサンド。

「卵が熱いって言うまで静かに待つんです」とガスコンロに向かうマスターが言えば、その横で「トーストにも絶対使いません」と常に最高の切れ味を保った専用包丁で食パンを切る奥さん。先代直伝のレシピを守り、メニューも増やさない。いつも笑顔、いつも仲良しだから、いつもほっかほか極上の玉子サンドが、あっという間に出てくる。この優しい味と色合い、ふくよかな厚みと柔らかさは、この明るいチームプレーから生まれるのだ。

マスターが卵を焼き始めると同時に奥さんがパンをカッ ト。
マスターが卵を焼き始めると同時に奥さんがパンをカッ ト。
自慢の自家製マヨネーズを塗ってキュウリをのせると、卵も焼き上がる。
自慢の自家製マヨネーズを塗ってキュウリをのせると、卵も焼き上がる。
流れるような見事な連携プレーで、玉子サンド640円の完成。ブレンドコーヒー 470円。
流れるような見事な連携プレーで、玉子サンド640円の完成。ブレンドコーヒー 470円。

『エスポワール』店舗詳細

住所:東京都江東区富岡1-9-8/営業時間:9:00~18:00LO(日・祝は~17:00LO)/定休日:土(縁日の場合は翌週の月)/アクセス:地下鉄東西線・大江戸線門前仲町駅からすぐ

変わらぬ味と佇まいで半世紀『みどり屋』[住吉]

ホットドッグ330円。ネルドリップのコーヒー330円。
ホットドッグ330円。ネルドリップのコーヒー330円。

ドアを開けるとタイムスリップしたような下町純喫茶。「これが壊れたら店を閉めます」とママさん自慢のガスオーブンは、昭和33年の創業時に取り付けた特注品。このベテランマシンを知り尽くした母娘だからこそ、先代の考案した味をそのまま出せるのだ。こだわりのウインナー、和えた千切りキャベツをドッグパンに挟んで焼くというセンスが、どこか懐かしい味と食感を持った一品になる。深煎りコーヒーと共に召し上がれ。

ドッグパンにウインナーとキャベツをはさみ、年季の入った電気オーブンの焼き具合を巧みに調節して作る。
ドッグパンにウインナーとキャベツをはさみ、年季の入った電気オーブンの焼き具合を巧みに調節して作る。
これぞ昭和喫茶の佇まい。
これぞ昭和喫茶の佇まい。

『みどり屋』店舗詳細

住所:東京都江東区扇橋2-6-13/営業時間:8:30~14:30(土は9:00~14:00)/定休日:日/アクセス:地下鉄半蔵門線・新宿線住吉駅から徒歩7分

ホットケーキはケーキである『小野珈琲』[森下 ]

ホットケーキ2枚740円。1枚370円でも注文できる。小野さんイチオシの小野珈琲ブレンド590円。コーヒー豆の購入もできる。
ホットケーキ2枚740円。1枚370円でも注文できる。小野さんイチオシの小野珈琲ブレンド590円。コーヒー豆の購入もできる。

「おいしいもの、良いものを出したい!それだけです」と言い切る小野さんは、喫茶店歴30年以上の若きベテラン。昔から焼いてたホットケーキをもっとおいしくしたいと、材料の分量、混ぜ具合、温度、焼き加減……思い付く限りのレシピを試して、初めて見たお客さんが必ずおぉ~と言う、この豊かな膨らみとしっとり感を持つスタイルにたどり着いた。今まで見慣れたお手軽ホットケーキが、しっかり洋菓子だったことを再認識させる。

粘度の強いタネを、長年使い続ける銅板で時間をかけてじっくり焼き上げる。
粘度の強いタネを、長年使い続ける銅板で時間をかけてじっくり焼き上げる。

『小野珈琲』店舗詳細

住所:東京都江東区森下2-17-5/営業時間:9:00~20:30LO(日・祝は~18:30LO)/定休日:不定/アクセス:地下鉄大江戸線・新宿線森下駅から徒歩1分

取材・文=高野ひろし 撮影=小野広幸

水辺の下町でおすすめはどこ?と聞かれたら、私は深川と答える。特に清澄白河から森下にかけて辺りが最高だ。それはここが“水の都”だからなのだが、今はコーヒーの街としての方が名が売れている。だから、まずコーヒーの話から始めましょう。
ブルーボトルコーヒーの上陸以来、「カフェの聖地」としてすっかり人気の清澄白河。下町風情がたっぷり残る街並みに小さくても個性的なカフェがたくさん並んでいます。休日ともなるとずらりと行列ができるカフェもあれば、地元の人が密かに愛するカフェもあり! 清澄白河に訪れたなら、ぜひとも足を運んでほしい名カフェだけを12店厳選しました。