独自のカレー哲学に基づき編み出される、珠玉の一皿が揃うこの沿線。具材や調理法、スパイス使いなど、作り手により味わいは千差万別。カレーは無限の可能性を秘めている!
東急東横線沿い、元住吉駅、日吉駅、大倉山駅、白楽駅の、地元で暮らす人々から愛されている、素敵なスイーツの店を紹介。ケーキにしようか、それとも和菓子にしようか? バラエティ溢れるスイーツに囲まれたちょっと贅沢な生活がそこにはある。パティシエがこだわって、丁寧に作り上げた絶品スイーツを頬張れば、疲れも吹き飛び、自然と笑みがこぼれる。一度口にすると忘れられない、魅惑の甘い世界に足を踏み入れてみてはいかがだろう。
戦後の高度経済成長期に日本の発展を支えた4大工業地帯のひとつ、京浜工業地帯。その中を走る京急線の沿線には、一生懸命働く人を癒やす懐の深い酒場が多いのだ。
老若男女を包み込む昼飲みの聖地。『三ちゃん食堂』[新丸子]
やわらか食感のレバーショーガ550円(左下)やハムエッグ300円など。生中450円。
「もともとは中華屋だったんだけど、いつの間にか大衆酒場みたいになっちゃった(笑)」と2代目の中山知久さん。常連の老紳士が「うまい、(量が)多い、早い!」とほめる料理は、知久さんたちが注文のメモも取らず皿の種類で料理を覚え、手早く作るから、すぐに客の元へ。熱々のハムカツ250円や麻婆豆腐700円をビールで流し込み、恍惚顔でいると対面に座るギャルがひとこと。「ここさ、おしゃれしないで来れるし、とにかく居てラクなの!」。
丸椅子と長テーブルは創業の1967年当時から変わらないスタイル。
中山さん一家で切り盛り。中央の2代目女将の人柄に引かれる酔客も多い。お米は3代目のお嫁さんの弘前にある実家から送られる、あきたこまちを使用。「壁のメニューは増え続けて約150種に!」。
『三ちゃん食堂』店舗詳細
住所:神奈川県川崎市中原区新丸子町733/営業時間:12:00〜20:15/定休日:水/アクセス:東急東横線・目黒線新丸子駅から徒歩3分
焼き鳥の巻き物を考案。『炭火焼 仲』[武蔵小杉]
ユズの香り立つつくね(手前皿の奥)176円、とりわさ440円など。当日は秋とんぼ880円など地酒も約10種あり。
断面の美しいアスパラ巻き253円はカリカリの豚バラの旨味の後にアスパラの甘みが広がり、香ばしいひな皮176円をかむと脂のジュースがあふれる。雑居ビルの奥でこんな珠玉の焼き鳥に出合えるとは! 聞くと、店主の中川欣昭(よしあき)さんは六本木の名店『南蛮亭』の創業時、焼き場を任されていたそう。「焼き鳥の巻き物を考えたのは、東京では私が初だと思います」。絶品串を安く味わうなら串7本と料理5品が付く2640円コースで!店内はテーブル含め全19席。
店主は午前中から肉をさばき、串を打つ。「屋台時代含めて備長炭だよ」。
『炭火焼 仲』店舗詳細
住所:神奈川県川崎市中原区小杉町3-258-3 石橋ビル1F/営業時間:17:00~22:00LO/定休日:日・祝/アクセス:東急東横線・目黒線・JR武蔵小杉駅から徒歩3分
元気ママと常連のやりとりに笑顔咲く。『大衆酒場 亀勢』[元住吉]
絶妙な酢加減のシメサバなど3~5品つく刺身盛合せ1200円、氷頭450円、アジフライ1枚300円。弘前・六花酒造の白藤330円。
前沢紀美子ママを中心に3人の看板娘で切り盛り。「うちは心の美がモットー!」とママが言えば「でもママ、今日は妙に服もきれいじゃん。撮影だから?」と常連のツッコミが入り、空気が和む。そのママが毎朝、生麦魚河岸通りへ仕入れに行く海の幸が肴の主役。刺身盛合せは中トロクラスのマグロなどどれも肉厚で、アジフライは身がふわふわ。改良した酒燗器で熱々にしたおしぼりやそろばんでの会計など、アナログな雰囲気に心が一層温まる。
物事をはっきり言うママ(中央)と話したくて通う常連も。「私たち永遠の38歳です!(笑)」。
1975年創業の老舗。
『大衆酒場 亀勢』店舗詳細
住所:神奈川県川崎市中原区木月1-32-6/営業時間:17:00~22:00(早じまいの場合もあり)/定休日:土・日・祝/アクセス:東急東横線・目黒線元住吉駅から徒歩2分
男気マスターと大人の社交場。『立ち呑み 寅さん』[日吉]
ジャガバター塩辛のせ500円、国産豚タン塩コショー焼き680円、サンマ刺680円、もどり鰹680円。レモン風味のハイッピー520円。
日吉で立ち飲みを6年、その後、立ちと座りの二刀流に。「働いた後日吉に帰ってくる人たちが楽しく和める店にしたいから、学生さんはお断りしてるんです」とねじり鉢巻きのマスター・曽我部裕さん。酒肴は横浜南部市場で仕入れる鮮魚やマスターの出身地・北海道の味覚である生ラムのジンギスカンなど100種以上。マスターの人柄を慕い長年通う常連いわく「大皿料理はカウンターの角の皿が当日のスター料理だから、ぜひ頼むべし!」。
立ち飲み用のカウンター。座り用のテーブル席も用意。「中二以来、髪型はずっとリーゼント!」。
『立ち呑み 寅さん』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市港北区日吉2-5-15/営業時間:17:00~23:00フードLO(~23:30ドリンクLO)/定休日:日(月が祝の場合は月も)/アクセス:東急東横線・目黒線・地下鉄グリーンライン日吉駅から徒歩3分
酒屋+居酒屋=ハイブリッド角打ち。『三国屋』[反町]
牛ハラミステーキ550円。ひじき五目煮330円。母・和子さんお手製のぬか漬け270円は、赤星(大瓶)470円によく合う。
「コンビニにするか、酒屋を続けるかで悩んで今のスタイルにしました」と店主・岩瀬光重さん。昭和9年(1934)創業、かつては24時間営業で、朝からも飲める角打ちだったが、時代の変化に合わせて現在のハイブリッドスタイルを選び、人気店になった。秘訣は数ある酒を選べるのと、料理。通常、角打ちだと乾きものと缶詰程度しか出せないのだが、各種許可をとりつけ、漬物からステーキまで日替わりで20種類ものメニューをそろえている。
常連に愛され今では皆で、草野球チームを作るほど。「気のいいお客さんばかりですよ~」。
一歩入れば、ズラリと並ぶ酒瓶が壮観。
『三国屋』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市神奈川区広台太田町5-2/営業時間:16:00~22:00LO/定休日:第2・4日/アクセス:東急東横線反町駅から徒歩7分
潮風に吹かれて岩ガキで乾杯。『キンカウーカ グリル&オイスターバー 横浜ベイクォーター店』[横浜]
生牡蠣の6ピースプレート3424円~。
ベイブリッジを望む広いテラスは約20卓あり、夜景を満喫できる特等席だ。自慢の食材は、日本各地の生産者が丁寧に育てるカキで、より安全に提供するために、自社施設にて特許技術で浄化殺菌している。春から夏は、岩ガキ、秋から春先までは真ガキ。時季で変わる産地&銘柄もお楽しみ。殻からはみ出んばかりの身にレモンを搾って、一気にツルンといこう。
焼き牡蠣全種盛り合わせ2189円。
海と空が近い!
牡蠣エキス入りオリジナルクラフトビール「オイスタースタウト」がおすすめ! 樽生 アサヒスーパードライエクストラコールド649円など。
『キンカウーカ グリル&オイスターバー 横浜ベイクォーター店』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市神奈川区金港町1-10 横浜ベイクォーター5F/営業時間:11:00~15:00・17:00~23:00(土・日・祝は11:00~23:00)/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄横浜駅から徒歩3分
取材・文=鈴木健太、フリート横田、teamまめ(佐藤さゆり、信藤舞子、松井一恵) 撮影=丸毛透、本野克佳、泉田道夫、井原淳一