【コースガイド】
尾瀬探勝の際は車両交通規制に注意
今年は10月10日までの混雑日を対象に交通規制が実施される。鳩待峠利用で入下山の場合は戸倉に駐車し、乗合バス・タクシーを利用のこと。
月イチのお楽しみ“Katashina Market”
5月〜11月の第1(7月のみ第2)日曜10:00〜15:00に道の駅『尾瀬かたしな』芝生広場で開催。ワークショップや雑貨、パン、農産物販売などがある。
アクセス
電車:JRほか上野駅から上越新幹線で約1時間の上毛高原駅下車。関越交通バスに乗り換え約1時間25分の鎌田(片品村中心部)下車。
車:関越自動車道練馬ICから沼田ICまで約126㎞。沼田ICから鎌田まで約25㎞。
尾瀬探勝
トレッキングで尾瀬の魅力を体感
尾瀬への入山口である鳩待(はとまち)峠と大清水(おおしみず)。村内のこの2カ所を起点・終点で結べば、尾瀬ヶ原や尾瀬沼をはじめ、随所で尾瀬の多彩な表情に触れられる。なお平坦な木道(もくどう)だけでなく、足元の悪い箇所もあるので登山装備は必須。総歩行距離は約25 ㎞に及ぶので、途中の山小屋に宿泊し、余裕をもって行動したい。登山道や季節の花などの情報は尾瀬保護財団や片品村観光協会のHPで確認を。
●群馬県片品村戸倉ほか
尾瀬ヶ原
標高1400mの地に広がる天上の楽園
ともに日本百名山の至仏山(しぶつさん・群馬県)と燧ヶ岳(ひうちがたけ・福島県/写真正面)に挟まれた高層湿原で、東西約6km、南北約2kmと本州最大級の規模を誇る。稀少な植物の宝庫でもあり、尾瀬といえば『夏の思い出』の歌詞にあるミズバショウのイメージが強いが、見ごろは5月~6月。夏はニッコウキスゲやワタスゲなどが、ハイカーを出迎えてくれる。
●群馬県片品村戸倉ほか
丸沼
丸山堰堤は国重要文化財に指定
日光白根山の噴火に伴う溶岩流により堰(せ)き止められた小湖だったが、昭和6年(1931)竣工の丸沼堰堤(えんてい)(ダム)建造を機に、現在の姿に。北岸の丸沼温泉から丸沼堰堤、さらに下流の大尻沼にかけての沼畔には、喧騒(けんそう)から隔てられるかのように丸沼自然遊歩道が整備されている。
●群馬県片品村東小川
とうもろこし街道
20軒近い出店が道の両側に立ち並ぶ
村の中心部から丸沼方面にかけての国道120号沿いには、4㎞にわたり出店が点在。糖度の高い片品産焼きとうもろこしを味わえるのは例年8月初旬からだが、それ以外の期間も山菜や野菜、加工品などが並ぶ。
●営業期間・時間は店舗により異なる。群馬県片品村東小川
☎ 0278-58-3222(片品村観光協会)
iikarakan(いーからかん)
店名は地元の方言で“いいかげん”
牛舎を改装した自宅兼工房を拠点に、片品村での暮らしの魅力を発信。自然農法や味噌作り、苗販売から雑誌への寄稿まで、大らかで好奇心旺盛なセトヤマミチコさんが手がけるのが、年輪の詰まった尾瀬木炭を利用した炭アクセサリー(各1950円)。販売は道の駅『尾瀬かたしな』農産物直売所がメイン。
●営業時間・休業日不定。問い合わせはHP(iikarakan.com/)から。群馬県片品村東小川2959
村民キッチン
道の駅『尾瀬かたしな』に併設
家庭の主婦から旅館関係者やプロの料理人まで、食品衛生責任者の資格をもつ村民自らが週替わりで厨房に立ち、工夫を凝らした食事やデザートをランチタイム中心に提供。地域に根差したユニークな活動で、地元食材を中心としたメニューは、ピザから郷土料理まで当番店ごとに変わる。
尾瀬の郷片品湧水群
平成の名水百選に認定
ぐるりと山に囲まれた村内には湧水ポイントが点在。これら湧水群は平成の名水百選として環境省の認定を受け、水道水として利用されているほか、一般にも開放。むらづくり観光課作成のマップ片手に名水巡りに出かけたい。
●群馬県片品村村内各所
☎︎0278-58-2112(片品村むらづくり観光課)
農家レストラン みのりの里
体験農園や農家民宿にも隣接
昼夜の寒暖差があり、日照時間の長さにも恵まれた片品村産の高原野菜は、旨味が凝縮して味が濃いのが特徴。農場で収穫したての旬の野菜を具材に、ライ麦のピッツァみのり風1650円、みのりのパスタ1100円、スペアリブのトマトソース煮1650円(いずれもスープ・ミニサラダ付き)などを提供している。
花の駅・片品 花咲(はなさく)の湯
山に抱かれた開放的な露天風呂
日本百名山・皇海(すかい)山の眺望が自慢の日帰り温泉で、レストラン(11:00〜)やナチュラルガーデン、農産物直売所を併設。趣向の異なる露天風呂を備えた浴室は男女日替わりで、片品村産出の貴陽石を用いた岩盤浴(別途1000円)もある。
尾瀬 万里姫(まりひめ)どうふ
大豆本来の甘みとコクを感じる
片品村産の稀少な地豆「大白(おおじろ)大豆」、平成の名水百選の湧水、天然にがりにこだわったざるどうふを製造・販売。シンプルなプレーン(大950円、中680円)に加え、ゆずや枝豆の入ったかわりどうふ(中750円)も人気。濃厚ながら特有の臭みのない豆乳(500㎖ 650円、200㎖ 300円)や万里姫あげどうふ(大950円、中680円)も気になる。
プロムナード渡辺製菓
ロールケーキの太さに思わず仰天
国道120号からやや奥まった場所にある手作りパンとケーキの店。ふっくらとした大粒の片品村産花豆をふんだんに使った花まめぱん560円と、花豆の餡を混ぜた生クリームと花豆、抹茶スポンジの相性が抜群の抹茶花豆ロールケーキ1250円が評判だ。
尾瀬大橋
ライトアップは一見の価値アリ
国道120号から同401号へ入ってすぐ、尾瀬への玄関口ともいえる場所にあるのが、ひときわ大きな尾瀬大橋だ。片品川の支流に架かる橋長230mの斜張橋で、優美な姿に魅せられる。日没に合わせてライトアップされる様子は、暮れゆく背後の山並みとの対比も含め、一見の価値アリ。余談ながら尾瀬大橋手前の鎌田交差点には村内唯一の信号機が設置されている。
取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2021年7月号より