【コースガイド】

前川十二橋遊覧船は通年運航

前川にかかる12本の橋を動力付きの船で遊覧できる(30分コース/5人まで1艘5000円)。
●潮来遊覧船組合 ☎︎0299-62-2294 ほか複数運航。

水辺の道はサイクリングロード!

平坦な地の多い市内を巡るなら自転車もおすすめ。JR潮来駅横の観光案内所にレンタサイクルあり(1日500円)。
●水郷潮来観光協会観光案内所 ☎︎0299-63-3154

アクセス

電車:JR・地下鉄東京駅からJR総武快速線・成田線・鹿島線で約2時間10分の潮来駅下車。

車:首都高速湾岸線・東京外環自動車道高谷JCTから東関東自動車道を利用し、潮来ICまで約75km。潮来ICからJR潮来駅まで約4km。

水郷潮来 あやめまつり

1952年から続く潮来最大のイベント

前川に面して広がる水郷潮来あやめ園(写真提供:潮来市)。

例年5月下旬から6月下旬にかけ、早咲きから遅咲きまで約500種100万株ものあやめが咲き競う水郷潮来あやめ園で開催される「あやめまつり」。2021年のまつり期間は5月21日~6月20日で、芸座舟での潮来囃子の演奏やライトアップなどが予定されている(「嫁入り舟」など園内イベントは中止)。

 

住所:茨城県潮来市あやめ1-5ほか/営業時間:入園自由/定休日:無

ろ舟遊覧

手漕ぎのさっぱ舟で水郷情緒を満喫

ふだんと違う目線で水上遊覧を楽しもう。

水郷潮来あやめ園や津軽河岸あと広場を起点に、さっぱ舟を巧みに操る船頭さんの手慣れた櫓(ろ)さばきに身を委ね、前川を約30分で遊覧。エンジン音のない、昔ながらの手漕(こ)ぎならではの情緒を味わえる。2021年の運航日時は現地に確認を。

●例年の運航はあやめまつり開催期間、9・10月の土・日・祝、GWの9:00~16:00。乗船料1000円。茨城県潮来市あやめ1-5ほか ☎0299-63-1111 (潮来市観光商工課)

津軽河岸あと広場前をさっぱ舟がゆるやかに進む様子は、 どこかしら懐かしさを覚える。

水郷旧家磯山邸&津軽河岸あと広場

前川沿いに整備された潮来の新拠点

あやめまつり期間中に実施される「嫁入り舟」の出発地、水郷旧家磯山邸。

明治32年(1899)築の古民家(磯山邸)をリノベーションし、宿泊施設やイベントスペース、風情ある甘味処として再利用。磯山邸の目の前は、江戸時代に津軽藩の物流拠点として栄えた屋敷跡で、開放的な広場として整備された津軽河岸あと広場がある。

まこものパウンドケーキに飲み物が付いた、磯山邸甘味せっと500円。
大谷石造りの蔵のほか、石燈籠や舟着き場が新たに整備された津軽河岸あと広場。
住所:茨城県潮来市潮来595/営業時間:9:00~17:00(甘味処は10:00~15:30LO)/定休日:月(祝の場合は翌火)

前川

水の郷・潮来を象徴する存在

市内を東西に貫く長さ約7.4kmの一級河川。JR潮来駅に近い西側では、水郷潮来あやめ園を中心に、飲食店、宿泊施設、住宅が集まり、舟が浮かぶ光景が見られる。
対照的に『道の駅いたこ』のある東側は水田に囲まれ、川岸に葦(あし)が生い茂るのどかな風景が広がっている。

●茨城県潮来市あやめ、茨城県潮来市前川ほか

長勝寺(ちょうしょうじ)

源頼朝が創建し、徳川光圀が再興

参拝者を出迎える禅宗様式の山門。

文治元年(1185)、武運長久を願う源頼朝が創建した潮来を代表する名刹。一時期、伽藍の荒廃が進んだが、徳川光圀(水戸黄門)により堂宇の修復などが施された。水郷潮来あやめ園から徒歩圏内にあるので、あわせて歴史散策を楽しむのにも都合がよい。

本堂のかたわらに立つ鐘楼。北条高時が寄進した総高115㎝の銅鐘は国の重要文化財に指定。
住所:茨城県潮来市潮来428/営業時間:境内自由/定休日:無

潮来にしくらの手焼せんべい

地元の米・醤油・炭にこだわる

息の合った手さばきも見事な塚本誠一さん・孝子さんご夫妻。

こまめに裏返しながら炭火で丁寧に焼き上げたせんべいは香ばしく、懐かしい味わい。醤油せんべいのほか、胡麻、唐辛子、海苔味があり、いずれも6枚入り480円~。余裕があれば、気さくな店主ご夫妻に潮来の今昔を尋ねてみるのもいいだろう。

目を引く印象的な店名のロゴは版画家・土屋正男氏の手による。
住所:茨城県潮来市潮来1086-33/営業時間:7:00~19:00/定休日:無

名曲『潮来笠』を伝える橋幸夫像や歌碑

潮来といえば『潮来笠』はもう古い?

1960年発表の橋幸夫のデビュー曲『潮来笠』。全国に名を広めた功績をたたえ、水郷潮来あやめ園には歌詞にある伊太郎に扮した橋幸夫像や歌碑が立つ。私のような昭和どっぷり世代が「潮来」を「いたこ」とすんなり読めるのはこの曲のおかげだ。ところが近年、地名の読み方がわからない世代が増加中とか。『潮来笠』に続く知名度UPのアイテムがそろそろ必要かも。

フォー&まこもスイーツ

潮来の特産を、工夫を凝らして提供

土・日の11:00~15:00はキッチンカー『モット・フォー』でもフォーを提供。

新たなる潮来の食として、『道の駅いたこ』で提供しているのがフォーとまこもスイーツ。地元産米・夢十色を使用した生の米粉麵は風味豊かで鶏フォー、牛フォーとも500円。栄養価が高いが従来廃棄されていた、まこもたけの葉に着目して開発されたまこもスイーツは、抹茶風味で食物繊維も豊富。

●おふくろ亭(フォー) 9:00~16:30LO/うるおい館(まこもスイーツ) 9:00~19:00。無休。茨城県潮来市前川1326-1
☎0299-67-1161

フワフワ食感のまこもシフォンケーキ800円(右)と食べごたえ十分のまこもパウンドケーキ1本600円(1切れ120円)。

水郷トンボ公園

外浪逆浦に面した素朴なビオトープ

園内の池には自然観察用の木道がジグザグに延びている。

稀少な水生植物が生育する自然観察スポット。周辺の水田とは土手で隔てられているため、ここだけ異なる時間が流れているような錯覚に陥る。青紫色の花が鮮やかなミズアオイ(開花期は9~10月)が一番の見ものだが、それ以外の期間も飾らない素顔の自然に出合える。

●散策自由。茨城県潮来市福島地先

水郷北斎公園

川を前にのほほーんと過ごしたい

葛飾北斎の冨嶽三十六景「常州牛堀」が公園名の由来となっている。

霞ケ浦から滔々(とうとう)と流れ下る北利根川(常陸(ひたち)利根川)沿いの簡素な園地。東屋やベンチがポツンとあり、糸を垂れる釣り人の姿が見られる以外、とりたてて何もない。公園駐車場に隣接する豆腐店『ふくだや食品』で扱う豆乳レアチーズ200円を手に河川敷に腰かけ、濃厚な食感に舌鼓を打ちながら、川面をぼんやり眺めて過ごしたくなる場所だ。

●ふくだや食品 9:00~17:00、土休。茨城県潮来市牛堀25-4 ☎︎0299-64-2202

細かく砕いたビスケットが隠し味に。

島崎城跡

地元有志の保全活動に敬服

島崎城跡を守る会の手による案内板が城跡の各所に立つ。

中世の約400年間、この地を治めた行方(なめかた)氏の一族・島崎氏の居城跡。遠目には平凡な里山にしか見えないが、地元有志により登城口には案内冊子が置かれ、城跡整備にも尽力するなど、保全の熱意が伝わってくる。

●散策自由。茨城県潮来市島須530
☎︎0299-66-0660 (潮来市中央公民館生涯学習課)

あじさいの杜

今年は6月5日~7月4日に開催

境内では一方通行で観賞を(写真提供:潮来市)。

天長年間(824~834)の創建と伝わる古刹・二本松寺。毎年6月第1土曜~7月第1日曜は「あじさいの杜」として開放され、起伏のある4万㎡の境内に100種1万株ものあじさいが咲き誇る様子は圧巻。

住所:茨城県潮来市堀之内1230/営業時間:9:00~16:00最終受付/定休日:期間中は無

水郷県民の森

鮮やかな新緑に目を奪われる

総合案内施設であるビジターセンターの先にある橋長85mの吊り橋。

総面積51.5haのゆったりとした県営公園。平坦なイメージの強い潮来市では珍しい、起伏を生かした園内には、自然豊かな雑木林や平地林、野鳥観察ができる大膳池などが点在し、気軽に森林浴を楽しめる。110余基もの古墳が集まり、県内屈指の規模とされる大生(おおう)古墳群にもぜひ立ち寄りたい。

古墳時代中期の築造と推定される大生古墳群。
住所:茨城県潮来市島須3072-83ほか/営業時間:8:30~17:00(10月~3月は9:00~16:30)/定休日:無

北浦

水の郷・潮来のもう一つの横顔

北浦越しに鹿嶋市の工場群が浮かぶ光景もなかなかシュールだ。

市の北側に横たわる北浦。同じ水辺でも幹線沿いの北利根川側と異なり、立ち寄りポイントはごくわずかだ。越冬するハクチョウの飛来地としても知られるが、もちろん現在はこの地を離れ、お目にかかれない。風薫る今の季節なら、くつろぐ水鳥たちをめでながらのサイクリングが心地よい。

●茨城県潮来市水原ほか

取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2021年6月号より