【日本橋エリアのカフェ】
大人の隠れ家のようなカフェ&バー。『ぺしゃわーる』[日本橋]
日本橋駅からほど近いビルの地下にある『ぺしゃわーる』。ペシャワールとは、中国とヨーロッパとの間を繋ぐシルクロード沿いにあるパキスタンの商業都市で旅人の疲れを癒やす宿場町。この地名を店に名付けたのは小説家の井上靖だ。1989(平成元)年に店を開いた先代のオーナーは銀座の文壇関係者が集まるクラブでママをしていた人物で、井上靖はなじみ客の1人だった。
ここでは深い味わいのデミタスコーヒーがおすすめだ。注文が入ると銅製のイブリックで温めて提供してくれる。栗の産地として名高い長野県小布施町の老舗小布施堂のモンブランも食べられる。
『ぺしゃわーる』店舗詳細
スウェーデンスタイルのコーヒーを。『SR COFFEE ROASTER & BAR』[日本橋]
日本橋兜町の証券マンが“鰻上り”の現担ぎで通った鰻屋「松よし」。2018年に惜しまれつつ閉店した跡地にできたのが焙煎機を備えた『SR COFFEE ROASTER & BAR(エスアール コーヒー ロースター アンド バー)』だ。入ってすぐの場所に大きな焙煎機が据えられた店内は、かつて鰻屋だったとは想像も出来ないほどおしゃれな雰囲気。
スウェーデンにいる2人組のマイクロロースター『ストックホルムロースト』が焙煎したコーヒーを出している。コーヒーは雑味が少なく、キレがあって飲み飽きない。コーヒーカードを通してスタッフと客の会話が弾むのも、コミュニケーションを売りにするこの店の特徴だ。
『SR COFFEE ROASTER & BAR』店舗詳細
野菜と果物が盛りだくさん!『カフェ ラフレッサ』[日本橋]
大テーブルに雑誌や新聞がどっさり置かれ、窓辺の席にはレース越しに朝の日差しが差し込む。通勤前にモーニングを食べて行く常連さんは数多く、笑顔を交わしながらママさんの手はフル回転だ。チーズトースト、ジャムトースト、バタートースト+ハムエッグと、モーニングは多彩。「安くておいしい食材を探し巡ってるの」と笑うママさんは、ポテトサラダと、旬のフルーツをどんと付けてくれる。取材当日はメロン。ありがたや~。
遊び心満載の謎解きカフェ!『サニサニーピクニック』[日本橋]
メニューの「謎解き」とは? 客が店内を散策するのはなぜか? 初来店時には戸惑う要素が多いが、店主・小栗太さんの自然体のウエルカムに、つい引き込まれてしまう。ハンドドリップで淹れるコーヒーやクラフトビールでのカフェ利用もいいが、小栗さんが考案した「謎解き」に挑戦を。問題用紙を手に、店内に隠されているヒントを探して謎を解くが、なるほど、散策必須なわけだ。謎は新作も登場、遊び心はさらに膨らみ、店内を砂浜にする計画もある。
手作り感満載の路地裏コーヒー専門店『松秀珈琲』[日本橋]
カップをかたどった看板をはじめ、内装はほぼ手作り。 「喫茶日曜大工って名付ければよかったかな」 とは、店主の松本文秀さん。1階のカウンター席に、コーヒーを淹れる手元がのぞき見できる小窓を設けるなど、趣向もおもしろい。自家焙煎する豆は素材や季節を鑑みて、ブレンド具合や温度などを調整。まろやかな旨味と香りを味わいつつ、松本さんとコーヒー談議を始めたら、時間は瞬く間に過ぎてゆく。
『松秀珈琲』店舗詳細
ガラスの白鳥が運ぶ、甘い夢『カフェウィーン』[日本橋]
“ウィーンのカフェハウスの伝統を正式に継承した日本で最初の店”と現地に認定されるだけあり、内装もメニューもウィーン一色。白鳥のガラス器に麗しく盛られたこの品も別名、ピーチ・メルバという代表的なスイーツだ。シロップ漬けの黄桃を主役に、ラズベリーソース、バニラ入りのアイスクリームなどが脇を固める。ローストしたアーモンド糖衣も小気味よいアクセントになっている。
『カフェウィーン』店舗詳細
古びたビルの階下に心ときめく味と空間あり『珈琲家』[日本橋]
2代目店主の加藤義一さんは、「親父の味を引き継いでます」と朗らかに笑う。ボリューム満載のサンドイッチにも引かれるが、ホットケーキは見逃せない。注文のたびに生地を配合し、銅板で焼くこと30分。パリッサクッの表面と打って変わり、中はふっくらふわふわだ。甘さ控えめゆえ、メープルをたっぷりかければ恍惚(こうこつ)必至。オランダ風、ウインナなど、コーヒーバリエーションも多彩だ。
『珈琲家』店舗詳細
【人形町エリアのカフェ】
本格コーヒーと人気のプリン。『BonTin Cafe』[人形町]
『BonTin Cafe(ぼんたんかふぇ)』がオープンしたのは2020年7月。創業70年の和装を扱う問屋がアンテナショップとして開いた『BonTin Tokyo』に併設されたカフェだ。
「コーヒーは化学です」と話す研究熱心な店長でバリスタの金さんが、コーヒー豆の焙煎から抽出、そしてフードメニューの開発まで一貫して担当している。豆は精製方法から厳選。ナチュラルとウォッシュドという精製方法のものを選んでいる。コーヒーのおいしさが自慢の『BonTin Cafe』だが、フードのメニューではプリンが人気だ。卵は赤卵を選んでいて、牛乳の量が多め。自立するぎりぎりの柔らかさを狙った、とろりとした舌触りと濃厚さが絶妙だ。
『BonTin Cafe』店舗詳細
3種類のクリームソーダがロマンチック。『PEARL BAKERY』[人形町]
昭和20年代築の古い一軒家を大幅にリノベーションして2021年6月にオープンした『PEARL BAKERY(ぱーるべーかりー)』。横丁の角地という立地を生かした店には、焼き立てのパンやソフトクリームを求めて近所の人が立ち寄っていく。店名はパン屋開業を夢見ていたオーナーの亡き母の名前から命名。甘酒横丁にちなんだ甘酒食パンや真珠貝をイメージしたパールシュークリームが店頭に並ぶ。
2階には窓が大きく、光がたくさん入ることを活かしたカフェスペースがあって、近隣の会社員もパソコンを持って訪れる。白を基調とした店内では、ソフトクリームとさくらんぼをのせた3種類のクリームソーダが映える。スタッフの意見を取り入れた完成しあた懐かしくてロマンチックなメニューだ。
『PEARL BAKERY』店舗詳細
イギリスの家庭のお菓子でおもてなし。『Tiny Toria Tearoom』[人形町]
甘酒横丁脇、かわいい鉢植えに誘われて扉を開けば、そこはまるごと英国式の田舎のティールーム! ざっくりしたスコーンなど本場の伝統菓子が目に飛び込んでくる。店主は、英国のライフスタイルに魅了され、ティールームを巡る旅を繰り返したという慶本佐知子さんだ。「こういうお店、いいな」と、老舗が多く落ち着いた人形町で開店したと言う。紅茶は、本場で愛される銘柄やさまざまな産地の茶葉を使う。紅茶とお菓子と交互に味わっていれば、そのうち時間を忘れる魔法にかかる。
『Tiny Toria Tearoom』店舗詳細
/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩2 分
路地裏おやつ天国。『おやつのこぼく』[浜町]
ガラス戸の向こうは、生クリームとカスタード色に包まれた空間。眺めるだけで頬が緩むようなおやつが出迎えてくれる。「ケーキ屋さんではなく、あそこのお母さんお菓子作りが上手だね、みたいな」と、店主の田所かな子さん。手の込んだものはないと言いつつも、家で作り続けて完成の域に達したチーズケーキは、しっとり夢のように口溶けていく。故郷の北海道にちなんで置いている富良野のハーブティーとの相性も抜群。「座ってゆっくりできていい」とは、毎日通うご近所の声。
『おやつのこぼく』店舗詳細
/営業時間:11:00~18:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄新宿線浜町駅から徒歩5 分
交差点近くの、甘~く優雅な特等席。『かふぇ あっぷる』[人形町]
店主の滝本さんは「初めてのお客様には特に慎重になります」と迷いつつ一客を選ぶ。カウンターに座れば、お客は並ぶコーヒーカップに見惚れるだろう。そして次は、別嬪ぞろいのケーキ選びに迷うことになる。日替わりで種類は少ないが、生クリームにホワイトチョコを入れたショートケーキなど、とっておきが揃うのだ。豆を挽く音に耳を傾け、ドリップの見事な膨らみを眺めつつ、しっとりふわっとした甘味に陶酔する。1982年の開店以来、少しずつ変わっていく人形町で、ちょっぴり贅沢な喫茶時間を刻んでいる。
『かふぇ あっぷる』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり・松井一恵( teamまめ)、野崎さおり 撮影=加藤昌人、金井塚太郎、加藤熊三、野崎さおり
手際よく仕上げられていくモカゼリーは、湿気と日差しに虐げられた(ほんの数分なのに)私にとってまさにオアシスの聖杯のよう。
心地よい冷気と香ばしさ楽しんだあと、すぐに駆けつけてくるソフトクリームのあまーいコク。ほろ苦さも加わり、暑い日でもすいすいスプーンが進む。
パイとコーヒーのお店ということで、ショーケースに魅力的なスイーツがいろいろ並んでいましたがベリー&カスタードパイとカフェラテを注文しました。インスタグラムにはおしゃれなラテアートが載っていたのでそちらも楽しみにしていたのですが、残念ながらパイは紙のボックス、ラテはテイクアウト用でした。残念さはサックサクの温められたパイの美味しさとラテの美味しさでノーブロブレム! ベリーの甘酸っぱさとほどよい甘さのカスタードが絶妙でした。カロリー的にも重厚なはずのパイ生地ですが美味しくてペロリと完食いたしました。
DIXANS (ディゾン)人形町店は座席指定制。なかなかの急な階段を登って2-3階へどうぞ。私たちは階段を上がる自信がなかったので笑1階のカウンター席で頂きます。バリスタさんの所作をずっと眺めていられる特等席!
ハンドドリップのブレンドと爽やか。スッキリ爽やかと後からコクが感じられるブレンド。ごちそうさまでした!