【しっかり食べたいときはここ!】
母の愛情がこもったヘルシー定食『むすこのごはん』
「自分のお店を持つことは、子育てがひと段落した頃からの夢でした」。2人の息子の母である本間法子さんが、シェアキッチンでの営業を経て開店したのが2024年12月のこと。家族を思って日々手作りする献立と同じように、健康面も意識した定食はお守りのような一食。玄米にあずき、黒米を入れて圧力鍋で炊いた発酵玄米と国産食材を使った滋味あふれる家庭料理は、午後からの活力を満タンにしてくれる。
『むすこのごはん』店舗詳細
妻がよみがえらせた名人の味『とんかつ やまいち』
靖国通りに程近い閑静なオフィス街の一角で営業するとんかつの名店。名人と称された亡きご主人のかつの味をよみがえらせたのは、妻の里絵さん。3種の油を合わせた銅鍋でカラリと揚がったかつは、サクサク、ジューシーで柔らかで、豚肉の旨味と甘みがジュワッと広がり、感動間違いなしのおいしさ。ランチのイチ押しは数量限定の特ロース2200円。「始めは塩で、次におろしポン酢、最後にソースと、順々に濃い味に移っていくと味のバランスがいいですよ」と里絵さん。絶妙な炊き加減のあきたこまちのごはん、三ツ葉香るなめこの赤だしもほっと和む味わいだ。
『とんかつ やまいち』店舗詳細
部位によって揚げ方変えるこだわり『とんかつ旭軒』
昭和11年(1936)創業の老舗店。現在は3代目の笹原詳司さんを中心に、父と母とともに店を切り盛りする。揚げ油には精製ラードと、軽く空気に触れさせながら肉の筋からも旨味を抽出させた自家製ラードを合わせている。そうすることによって揚げるときに風味と旨味が凝縮されるのだ。ヒレカツ定食は、切って揚げることでヒレがパサつかない仕上がりになり、肉質の柔らかさと赤身本来の味わいを感じることができる一品だ。ロースカツ定食2000円は、2度揚げすることによって、均一に火が通り肉がほんのりとピンク色になっている。一切れを薄く切っているのが特徴で、脂と肉のおいしさを一緒に食べられる。ワインは5000円~とともに楽しみたい。
『とんかつ旭軒』店舗詳細
炭火で豪快に焼き上げた絶品ステーキをほおばる『東京ブッチャーズ』
驚くほどリーズナブルで満足度の高いランチで行列ができる人気店。牛赤身肉のステーキの付け合わせにフライドチキンまで付いて、結構な量のフライドポテト、グリーンサラダを盛り合わせ、スープとライスが付いてお会計はなんとたった1200円。カウンター席から見えるレンガ造りの炭火焼きグリルの上で、火通りを考えながら焼き位置を変えつつ炭火で焼かれた肉は、ほどよいミディアムで肉本来の味を思う存分堪能できる。がっつり食べたいときにおすすめだ。
『東京ブッチャーズ』店舗詳細
うまいカレーに隠されたマスターの生き様『葡萄舎』
マスターの池田賢一さんは、若いころ放浪の旅の途中でマラリアにかかった。その時に食べたのがミールス料理(南インドのベジタリアン中心の定食)。ここでの体験がメニューに生かされている。1980年代、ワインバーとして開店したが、カレーの味が評判になり、やがて、昼はカレーランチ750円~、夜はカレーのほか、にこごりや刺し身などのつまみも楽しめるバーになった。ゆったりと居心地のよい店内にも、マスターの人柄がにじみ出ている。
『葡萄舎』店舗詳細
たまには池波正太郎のように昼酒を『神田まつや』
ビル街の一角で、屋号を記した釣り行灯(あんどん)や軒下に下がる大きな提灯が目を引く。かつてこの地には明治17年(1884)創業のそば屋『松屋』があったが、昭和2年(1927)に閉店することになり、その店を譲り受けたのが始まり。ソバは、北海道や長野、茨城など、その時季に最もよい産地のものを選び、石臼で碾きぐるみにして、そば粉10に対してつなぎ2の割合で手打ちする外二(そとに)。そば粉が多く、つなぎに鶏卵を使用するため、そばの香りと喉越しのよさが特徴だ。食通で知られた池波正太郎がなじみにした店としても知られる。
『神田まつや』店舗詳細
そばとつゆの相性にこだわる『神田 尾張屋 本店』
大正9年(1920)創業。屋号は初代の出身地である尾張町(現在の銀座5丁目あたり)に由来する。そばは、主に北海道産そば粉を使った細打ちの二八。温かいそばは、鯖節と本枯れ節で出汁を取り、風味を生かすためにつゆは薄口仕上げ。冷たいそばは本枯れ節のみで出汁をとり、つゆは濃いめの辛口。温冷とも、そばとつゆの相性を考え抜いた一品だ。ビジネス街という場所柄、丼もののメニューも多く、夜は酒席として利用する人が多数を占める。
『神田 尾張屋 本店』店舗詳細
具材とルーを調和させるスパイスの妙技『カレーノトリコ』
ご飯の横はインド風。バリッと焼いた鶏肉に、どんな具材にも合うようスパイス配合を考えたルーをかけ、桜の香りがするハーブ、カスリメティを散らす。上は、粗挽き合挽肉とマスタードシードが存在感大のドライカレーで、どこを攻めても口中がザワザワとにぎやかだ。店主・田邉周平さんは「食感を大事にしています」と、断言。「近隣のサラリーマンのパワーになれば」と、期間限定品も仕込む。
『カレーノトリコ』店舗詳細
名物煮込み+もう一品のダブル主菜ランチ『あぶくま亭』
「和牛黒煮込みは前日に作ってひと晩寝かせます」と、店主の大橋さん。牛のモツやバラ、タンは舌で溶けそうなほどトロットロ。味が染み込んだ大根と玉子にも心が躍る。真っ黒な見た目と裏腹に、口当たりはさらり。それでいて旨味は深く、ご飯にかけてもまた一興。さらに、主菜は日替わりの品からもうひとつ選べる。この日はサバの梅生姜煮。あっさり優しい味は煮込みと好対照でほっこり。
『あぶくま亭』店舗詳細
ネタがあふれんばかりの贅沢ちらし『すし定』
開店は明治36年(1903)。現店主の加藤さんは5代目だ。「ちらしは先々代の頃からこの形」と胸を張る。並盛りでも10種以上のネタがのるが、常連の目当ては大盛りだけに付く中落ち。脂がのった身から、マグロ旨味がガツンと舌に伝わってくる。また、シャリはコシヒカリの新米と古米を合わせ、硬さと粘りを調整。酢の香りは控えめでネタの味を邪魔せず、絶妙に食欲を刺激する。
『すし定』店舗詳細
サクふわポップオーバーは中毒性高すぎ!『trattoria Macco』
ランチの名物は食べ放題のポップオーバー。シェフの宇佐美光林さんは「常にオーブンフル稼働で焼きたてを用意しています」と、笑う。少し塩味の入ったホイップバターを塗り、口に運ぶと、シュー生地のような食感だ。ふわっと溶け、香ばしさ鼻腔を抜ける。また、パスタは6種から選択。開店時から人気の渡り蟹のトマトクリームソースは、もっちり生パスタが絡み、深い旨味が後を引く。
『trattoria Macco』店舗詳細
とろ~り玉子のオムハヤシにほおが緩む『洋食キッチン 美味卵家』
「自慢のデミソースのうまさを最大限引き出したくて作ったメニュー」と、店主の佐藤善樹さん。名物のオムハヤシは、とろけるような玉子とデミソースに目が行くが、その下に隠れた白ご飯にかかる、ケチャップで和えた鶏ひき肉が決め手。口に運ぶと、トマトの酸味がパンチになり、爽やかな後味に。さらに、上にのった牛タンもガブリ。長時間煮込んだことでホロリと崩れる食感に、思わずほおが緩む。
『洋食キッチン 美味卵家』店舗詳細
【優雅に過ごしたい、カフェランチはここ】
日替わりのごはんと手作りスイーツがおいしい『カフェ レスピーロ』
神田駅から徒歩5分と近い割に、のんびりした雰囲気の神田紺屋町にあるカフェ。赤いシェードのある小さな間口の店内と外にオープンスペースがあり、まるで小さな隠れ家のよう。提供する料理やスイーツ、そしてパンに至るまで、すべて店内で手作り。とくに人気なのが「本日のゴハン&デリセット」。野菜と栄養がたっぷりの総菜がワンプレートにのったやさしい家庭の味だ。メニューは日替わりなので、毎日「ふだん着のゴハン」が楽しめる。また、自家製のクッキー、マフィン、プリン、ケーキなどもおいしいと評判で、コーヒーとともに、ほっとひと息つくのにおすすめ。
『カフェ レスピーロ』店舗詳細
上質な時間を提供する“コーヒーの達人”がいる喫茶店でランチ『高山珈琲』
中央通りと靖国通りが交差する、交差点近くの裏路地でひっそりと営業している『高山珈琲』。日中に訪れても外からの明かりがうっすらと入る程度のほの暗さと、その空間を静かに流れるジャズが大人の雰囲気を醸しだす。1994年の創業以来、まったく手を加えていない店内に、数十年ぶりに訪れるお客さんが当時を懐かしむこともしばしばだという。この店をオープンする以前から、複数の喫茶店の立ち上げに携わってきた店主の高山正秀さんは、いわば“コーヒーの達人”。2、3年乾燥・熟成させたオールドビーンズを、高山さんお手製のネルで丁寧に淹れたら、豆の味わいを細部まで表現した一杯の完成だ。
そんなこだわりのコーヒーと一緒に楽しみたいフードメニューも充実している。トーストやサンドイッチはランチにもちょうどいいボリュームで、サービスにりんごジュースが付いてくるのもうれしい。人気ナンバーワンのシナモン・トーストは、コーヒーとの相性も抜群。贅沢に生クリームをつけて頬張れば、至福の時間が訪れる。
『高山珈琲』店舗詳細
【うまいラーメンをたべるならここ】
【移転】上品なあっさり醤油が後を引く『麺や そめいよしの』
羅臼昆布を筆頭に乾物を十数種使うスープは、やさしい味を追求して完成させた。「まず、熱々のスープを試してほしい」と、店主の大津直人さん。スープの温度が下がらぬよう、全部載せは具を別に盛る。ブレンド小麦「そめいよしの」を使う特注麺は、低加水で冠水を使わない。ざらっとした舌触りと歯切れのよさが持ち味だ。「そばを意識しています」。控えめに語る大津さんだが、実は、神田明神の神輿を担ぎたくてこの地へ来た、祭男!
『麺や そめいよしの』店舗詳細
唐辛子と山椒が効いた刺激的な味噌ラーメン『カラシビ味噌らー麺 鬼金棒 神田本店』
山椒と唐辛子を使った味噌ラーメンを提供しようと2009年にオープン。カラシビ味噌らー麺1080円は、オリジナル調合の濃厚な味噌を使ったスープに、こだわり唐辛子スパイスと香り豊かな山椒のしびれ油が入る。麺は太さが異なる3種類が入り、バラエティ豊かな食感を堪能できる。唐辛子の辛さ「カラ」と山椒のしびれ「シビ」は抜き・少なめ・普通・増し・鬼増し(200円)があり、個別に調整できる。奥深い辛さとしびれを堪能しよう。
『カラシビ味噌らー麺 鬼金棒 神田本店』店舗詳細
一面ガラス張りでおしゃれな造りのラーメン店『塩生姜らー麺専門店 MANNISH』
外堀通り沿いにある一面ガラス張りでおしゃれな造りのラーメン店。塩生姜らー麺950円には、辛みが少なく、香りが高いことからアロマ生姜とも呼ばれる熊本県産「きな生姜」を使用。スープだけを飲むとかすかな生姜の風味だが、かき混ぜれば、生姜の風味が一層引き立つ。卓上にある生姜酢を加えれば、さらに生姜の風味やおいしさが増す。ほぼ日替わりで登場する限定ラーメンも試してみよう。
『塩生姜らー麺専門店 MANNISH』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり ・松井一恵・高橋健太(teamまめ)、塙 広明・速志淳・ミヤウチマサコ(アド・グリーン)・池田実香、柿崎真英、新居鮎美 撮影=オカダタカオ、高野尚人、山出高士、鈴木賢一、丸毛透、加藤昌人、井原淳一、池田実香、柿崎真英、速志 淳、井上洋平






