お江戸の中心に君臨する総鎮守『神田明神』
1300年もの歴史を持つ、東京有数の古社。もとは大手町の将門塚あたりにあったが、徳川秀忠が江戸城を拡張する際に、表鬼門に当たる現在の場所に遷(うつ)された。祭神は大己貴命(大国主命の別名)、少彦名命(えびす様)、平将門命の三柱。平将門命は災難や厄を祓う除災厄除けの神様として篤く崇敬されている。家康が関ヶ原の合戦に臨む前にこの神社に必勝を祈願したと言われ、勝守が有名。
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参勤交代の武士がお清めした『三崎稲荷神社』
創建は定かではないが、少なくとも850年ほど前から、駿河台山麓の三崎村に鎮守の社として祀られていた。徳川家康の入城や外濠工事の際に移転し、さらに鉄道の開通に伴って現在の場所に移された。三代将軍家光が参勤交代の制を定めて以降、大名たちが参勤登城する時はまず、この神社に参拝して心身を祓い清め、参勤を終えて帰る際にも道中の安全を祈ったという。明治以降は、一般庶民にも、海・陸の旅行守護の神として崇敬される。
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源頼朝のねがい牛発祥の地『牛天神 北野神社』
時は鎌倉時代、源頼朝が岩に腰かけて休んでいた際、夢に牛に乗った菅原道真公が現われ、「二つの喜びがある」と告げられた。翌年その喜びがあり、頼朝はこの神社を創建、それ以来、境内にある牛の形の石を撫でると願いごとが叶うという。境内には、全国で2社・関東では唯一の福の神の太田神社、五穀豊穣の高木神社もある。芸能の神の天鈿女命とその夫の猿田彦命を祀ったもので、「福の神になった貧乏神」という話も伝わっている。
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浮世絵にも描かれた江戸の名所『市谷亀岡八幡宮』
太田道灌が西方鎮護のために建てた神社で、鎌倉の鶴岡八幡宮の御霊を分けて亀岡八幡宮と称した。祭神は、勇猛果敢さで知られる神功皇后とその御子神の応神天皇。そのため、勝ち運の御利益があるとされるが、その一方で、ペットと一緒に御祈祷をしてもらえる神社としても有名だ。空海によって開かれた摂社、茶ノ木稲荷神社は、茶の木で目を突いてしまった白い狐伝説が伝わることから、眼病平癒の御利益もあるとされる。
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貴重な文化財も持つ四ツ谷の鎮守様『須賀神社』
もとは稲荷神社で、赤坂の一ツ木村の鎮守だったが、江戸城の外濠工事の際に現在の場所に遷った。その後、神田明神内に祀られていた日本橋伝馬町の守護神である須佐之男命を合祀する。須佐之男命は、古くから、神仏習合により牛頭天王と同一のものと考えられてきた。もとは病気を流行らせる神であり、それを祀ることにより、逆に厄病除けの御利益があるとされる。新宿区指定の文化財である三十六歌仙の絵も見ることができる。
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東京のお伊勢様『東京大神宮』
東京にいながらお伊勢参りが叶うように、明治13年(1880)、伊勢神宮の遥拝殿として創建された。当時は日比谷の地に鎮座しており「日比谷大神宮」と称されていたが、関東大震災後に現在地へ移り、戦後は社名を「東京大神宮」と改めた。伊勢神宮と同じ御祭神を祀り「東京のお伊勢さま」と称され親しまれている。また結びの働きを司る造化の三神をあわせ祀り、さらに神前結婚式創始の神社であることから縁結びのご利益でも名高い。
『東京大神宮』店舗詳細
取材・文=吉田さらさ 撮影=木村心保
2014年9月号『散歩の達人』より