目指せ! 若返り祈願

若返り祈願できる神社仏閣から対照的な2カ所を選出。一方はイケイケな都会のド真ん中、もう一方は近郊の趣向に富んだシブシブ神社である。

十番稲荷神社 [麻布十番]

蛙様が若返りを授ける、小粋な雰囲気よし

麻布十番商店街のほど近く、太いしめ縄と石段が凜々(りり)しいコンパクトな神社にいらっしゃるのは江戸時代、大火事を近くの池にすむ大蛙が水を噴き消火を助けたとの故事に由来する霊験あらたかな蛙様。
「かえる」の語音から旅や入院の際に無事かえる、若返るのお守りとして貴ばれている。

所願成就の張り子のかえるさん 1000円。

『十番稲荷神社』詳細

住所:東京都港区麻布十番1-4-6/アクセス:地下鉄大江戸線麻布十番駅から徒歩1分

新田神社 [武蔵新田]

ご神木が若さをくださるテーマパーク的神社

新田義興を祀る歴史ある神社。樹齢約700年のケヤキのご神木に健康長寿・病気平癒・若返りの御利益あり。場所は地味だが、アートラインプロジェクトの石の卓球台(プレイ可)にLOVE神社の石碑、平賀源内奉製の破魔矢の元祖、素朴なお稲荷のきつね人形など、興味深いもの目白押し。

ご神木の葉入りのお守り 800円。

『新田神社』詳細

住所:東京都大田区矢口1-21-23/アクセス:東急多摩川線武蔵新田駅から徒歩3分

いいさんぽ祈願

散歩するならば、できることなら天気に恵まれて、思わぬ事故などにも巻き込まれたくない。そんな希望をお持ちなら、こちらの神社をお参りあれ。

気象神社 [高円寺]

鈴なりの下駄が御利益の証しなり

晴・曇・雨・雪・雷・風・霜・霧を司る八意思兼命(ヤゴコロオモイカネノカミ)を祀った日本唯一、気象に御利益ある神社。境内に下駄形の絵馬が鈴なり。結婚式や試験など重要な日の晴天を願うものに加え「脱雨女・雨男」も少なからずあってなるほど。高円寺駅前なので参拝後の街ブラも楽しい。

『気象神社』詳細

住所:東京都杉並区高円寺南4-44-19/アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩2分

三崎稲荷神社 [水道橋]

江戸を代表する旅の安全お守りで安全さんぽ

水道橋駅前の街中に溶け込んでいる地味な神社だが創建は鎌倉時代以前の歴史を持つ。かつて3代将軍徳川家光がこの神社を崇敬、大名も参勤交代などで登城する際に参拝した故事から旅行安全の御利益があるとされる。明治期の南極探検隊もここのお砂守りを携帯したそう。

『三崎稲荷神社』詳細

住所:東京都千代田区三崎町2-9-12/アクセス:JR中央線・地下鉄三田線水道橋駅から徒歩2分

街のお薬師さま

健康、病気治療に御利益ありと祀られる薬師如来様には、新井薬師さんを筆頭に方々のお寺でお目にかかれる。街さんぽがてらひょいと出合える場所を選んでみた。

本郷薬師 [本郷三丁目]

不思議な立地は寺の跡地だった名残

大通りの裏手に唐突に立つ小さなお堂。この辺りはかつて寺院の敷地だったが空襲で焼失し移転。難を逃れたここが残ったことによる。17世紀に奇病が流行りここの薬師様に祈願して治まったとの伝承を持つ。御利益は病気治癒、食中毒、インフルエンザ予防にも効果アリとか。

『本郷薬師』詳細

住所:東京都文京区本郷4-2/アクセス:地下鉄大江戸線本郷三丁目駅から徒歩3分

智泉院(茅場のお薬師様) [茅場町]

ご本尊はお出かけ中なれど御利益ありと願いたい

茅場町のビルの谷間にあるこのお寺、江戸時代には「茅場のお薬師様」として親しまれ落語の舞台にもなっている。現在本尊の薬師如来は川崎の等覚院に安置されている。敷地にあるのは青銅の地蔵像だから間違えないこと。徒歩10分の大観音寺(後述)にも立ち寄るべし。

『智泉院』詳細

住所:東京都中央区日本橋茅場町1-5-13/アクセス:地下鉄東西線・日比谷線茅場町駅から徒歩1分

いざ! 足腰健康祈願

自分の足がメインの交通手段だった昔、足腰の健康は生活に直結する死活問題だった。そんな時代の御利益を現代の散歩者へ伝える、足腰に効く御利益スポット。

延壽寺 [根津]

ずばり健脚に御利益あり。谷中の名刹

お目当ては境内の日荷堂(にちかどう)。仁王尊2体を担いで3日3晩かけて山梨の身延山に奉納したという伝説を持つ健脚の僧侶、日荷上人が祀られている。江戸時代から健脚祈願の人が絶えず。堂内に飾られた日荷上人の絵図、草履や下駄(げた)をあしらった絵馬、天上画もすばらしい。

『延壽寺』詳細

住所:東京都台東区谷中1-7-36/アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩8分

放生寺 [早稲田]

早稲田大学のお膝元で霊験を発揮

境内に霊験あらたかな修験道の開祖・神変大菩薩こと役行者(えんのぎょうじゃ)が祀られている。役行者は修験者だけに山野を駆け巡り修行していた健脚の人。それに由来して、足腰の弱い人を救ってくださる御利益がある。本堂向かいの小さなお堂の壁には草履の形をした絵馬がずらり。

『放生寺』詳細

住所:東京都新宿区西早稲田2-1-14/アクセス:地下鉄早稲田駅から徒歩3分

猿田彦神社(品川神社) [新馬場]

富士塚からの眺めも絶景の御利益スポット

品川神社は東京十社に数えられる名刹。正面の石段(男坂)中腹に都内最大の高さを誇る15m超えの富士塚の入り口があり、脇に「足神様 猿田彦神社」が健脚祈願の草鞋(わらじ)と共に祀られている。ここの男坂は急勾配かつ長いので、登るだけでもそこそこ運動になる。

『猿田彦神社(品川神社)』詳細

住所:東京都品川区北品川3-7-15/アクセス:京急本線新馬場駅から徒歩3分

亀有香取神社 [亀有]

ヤングな雰囲気の足腰健康のお宮

ご祭神の経津主大神(ふつぬしのおおかみ)、および武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)は武神でスポーツの神様としても崇められている。加えて境内の北向道祖神は、足腰健康・健脚の御利益がある。これらが組み合わさり、道祖神脇にはキャプテン翼絵馬とサッカーゴールを象(かたど)った絵馬置き場も用意されている。

『亀有香取神社』詳細

住所:東京都葛飾区亀有3-42-24/アクセス:JR常磐線亀有駅から徒歩3分

東京韋駄天様

韋駄天様も足の神として、よき散歩に導いてくださる。韋駄天様ごとに容姿が異なるのも興味深いところ。まとめて巡ってみるのも楽しい。

新宿韋駄天尊 [都庁前]

マラソンランナーが訪れる足祈願の聖地

新宿ワシントンホテル正面玄関脇にある、知る人ぞ知る穴場的お堂。管理はあきる野市の稲足(いなたり)神社。収められたご本尊は板碑で、空襲で失われた江戸中期の作を戦後、精緻に復元したもの。凜々しい容姿の韋駄天様である。マラソン完走を祈願する人も少なくないとか。

『新宿韋駄天尊』詳細

住所:東京都新宿区西新宿3-2-9/アクセス:地下鉄大江戸線都庁前駅から徒歩6分

西光寺 [千駄木]

強そうなのではナンバーワンかも

西光寺は江戸時代初期に活躍した武将、藤堂高虎と縁がある谷中の古刹。境内の韋駄天像も高虎が多数の石像とともに安置したものだという。プロレスラーのごときがっしりした大柄な容姿でいかにも強そう。周囲の寺町の散策も魅力。近くの延壽寺(前述)もおすすめ。

『西光寺』詳細

住所:東京都台東区谷中6-2-20/アクセス:地下鉄千代田線千駄木駅から徒歩10分

世田谷観音 [三軒茶屋]

建物だけでも一見の価値ある都会のオアシス

都心らしからぬ緑生い茂る静かな境内に、見事なお堂が4棟。京都から移築した阿弥陀堂1階に、本尊の阿弥陀如来ほか仏様方と鎮座まします韋駄天像。コロナの影響で入堂して拝見できないが、どことなくエキゾチックな感じ。境内を巡るだけで小旅行気分が味わえる。

『世田谷観音』詳細

住所:東京都世田谷区下馬4-9-4/アクセス:東急田園都市線・世田谷線三軒茶屋駅から徒歩15分

大観音寺 [人形町]

間近で拝める下町の小粋な韋駄天様

人形町の飲食店街に挟まったスリムなお寺さん。鎌倉時代の鉄製の菩薩の頭部をご本尊とする。狭い敷地に馬頭観音、荼吉尼天(だきにてん)など霊験あらたかな仏様が並んでいる。こちらもランナーの聖地だそうで、ガラス越しに間近で参拝できる韋駄天尊像はキンキラでゴージャス。

『大観音寺』詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町1-18-9/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

文・取材・撮影=奥谷道草 撮影=編集部
『散歩の達人』2021年2月号より