注ぎ方で変化する3つの味わいを飲み比べ『内田日和』[日ノ出町]
大岡川沿いにあり、開放感のある店内。カウンターとテーブル2席。
注ぎ方を選べる生ビールが自慢だ。3種類のうち、より違いを体感するなら二度注ぎを。ガスを飛ばして注ぎ、泡が落ち着いてから継ぎ足すことで、麦汁の味が引き出されるという。確かにうまみまろやかで濃厚だ。「ガスの飛ばし方とグラスの上下で調節します」とは、店主の内田明周さん。この技は、ビールの名店『ドライドック』の流れを受け継いだ『Brasserie Beer Blvd.』で習得したとか。素材の組み合わせの発想がユニークな本日のポテサラにも注目!
「不老泉」「惣邑」「東魁盛」など日本酒も充実。
左からシャープ注ぎ、一度注ぎ、二度注ぎ。
本日のポテサラ600円、トマト土佐酢漬け500円、苺の白和え600円(季節替わり)など。
店主の内田さん(中央)ほか、調理担当のたっちゃんとさやかちゃん。
『内田日和』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-40 長島ビル1F/営業時間:17:00~24:00(土は15:00~24:00、日・祝は15:00~23:00)/定休日:火/アクセス:京急電鉄本線日ノ出町駅から徒歩2分
旬野菜と選りすぐりの国産シードルを堪能『Noge West end』[日ノ出町]
以前ここで営業していた小料理店の風情そのまま。
軒先テントは「肴 地酒 みかみ」と書かれたままで小料理店のような趣だが、知る人ぞ知るクラフトビールと国産シードルの専門店だ。店主の東和彦さんが生産者と直接やり取りしているという力の入ったラインアップにわくわくする。料理は初めてなら前菜盛り合わせ一択。旬野菜のフリットやグリル、サラダから揚げ物まで、もはや前菜ではない驚きの山盛りだ。訪れるときはぜひ空腹で!
前菜盛り合わせ2人で4000円ほどから。1人分からOKで注文は22時まで。
日替わりで4~7種類用意。グラス900円~。6タップあり、生のシードルが飲めることも。
山菜と春野菜のフリット990円。
『Noge West end』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-16/営業時間:18:00~23:00(土・日・祝は16:00~)/定休日:木/アクセス:京急電鉄本線日ノ出町駅から徒歩3分
一人ひとりにじっくりと丁寧なおもてなし『松澤ワイン食堂』[日ノ出町]
豚肉やレバーで作った食べ応えあるパテ・ド・カンパーニュ1090円(内容で値段が変わる)は、砂肝のコリコリとした食感がアクセント。しっとりやわらかな自家製豚ハム690円。
長年ワイン販売に携わっていた店主兼ソムリエの松澤年尋さんが主に作るのは、旬の味を生かしたシンプルな料理。そのため、ワインも果実感が際立ち、ひと口飲んで素直においしいと感じるものを揃えているとか。他ではあまり見られない、ナパバレーにある「ケンゾーエステート」の高級ワインも。時折ジョークを交えながら、やさしい物腰で接してくれる松澤さんの人柄にも癒やされる。
奥にはカウンター席も。
クミンが香る短角牛とパプリカの鉄串焼き1本1290円。
『松澤ワイン食堂』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-57-1 野毛ガレリア3-A/営業時間:18:00~22:00ごろ/定休日:月/アクセス:京急電鉄本線日ノ出町駅から徒歩2分
目利きされた魚介のおいしさと鮮度に感動『野毛ウミネコ』[桜木町]
連日満席になることが多いので予約がおすすめ。
刺し身の盛り合わせはどの魚も厚みがあり、味わえばプリッとして抜群の鮮度を実感する。すべて店主の齋藤佑一さんが毎朝三浦半島の油壺まで足を運んで仕入れてきたもの。「魚を買ってさばくのが趣味なんです。お客さんに食べてもらわないと明日仕入れにいけないからね」と聞いて、値段とボリュームに納得。休みの日もほぼ釣りに出かけるほど魚漬けの齋藤さんの目利きは間違いない。
刺盛1人前1320円。9種類が2切ずつのる。タチウオの塩焼1050円はふっくらとした身で味が濃い!
この日の仕入れ。魚に合わせて冷やす温度や時間が調整され、店でも身が生きていて硬直していない。
『野毛ウミネコ』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市中区野毛町3-122/営業時間:17:00~23:00(日・祝は~22:00)/定休日:火・水/アクセス:JR・地下鉄桜木町駅から徒歩4分
空間も料理もお酒も計算されたバランスが見事『金井商店』[桜木町]
席が早く埋まることもあるので予約がベター。
酒場でおなじみのコの字型だが、随所にクールなセンスが散りばめられている。寿司店で思いついたという鯵のなめろう生春巻き、ホタルイカを使ってアラビアータに仕上げた水餃子など、日替わりメニューは他にはないひとひねりが心にくい。お酒はワインをはじめ、日本酒、焼酎、ウイスキー、クラフトビールまで何でもそろう懐の広さ。いろんな要素が混ざった空間は通うほどにクセになりそう。
鯵のなめろう生春巻き968円、自家製水ぎょうざホタルイカのアラビアータ1408円など(写真は1人分用のハーフサイズ)。
4周年記念オリジナルビール1080円。
どのジャンルのお酒も人気の希少銘柄がずらり。
『金井商店』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市中区野毛町1-15 はやせビル1F/営業時間:17:00~21:30LO/定休日:不定(Instagramを確認)/アクセス:JR・地下鉄桜木町駅から徒歩2分
リラックスしながら楽しく飲める幸せな時間『ワインのお店 ムー』[桜木町]
明るい雰囲気で楽しく飲める。
「雑多な感じでナチュラルワインを気軽に楽しんでほしいですね」と、店主の草柳潤さん。ワインは体に染み入る味から、個性のあるパンチの効いた味まで幅広い。メニューは随時変わるが、ワインを後押しするスパイスがポイント。この日のラムの煮込みもクミンがほのかに香り、トロトロの春キャベツとの相性も抜群だ。草柳さんとお客さんのおしゃべりが飛び交う雰囲気も和やかで、時間が経つほどに居心地の良さが増していく。
前菜盛り2人分2000円(写真)で1人分1200円もOK。メニューは日替わり。パンも自家製で、この日のピックペッパーとフェンネルのパンはお酒のつまみにも◎。
飲み物は基本的にナチュラルワインのみ。グラスで750円~。
ラム・豚もつのスパイス煮1000円。
『ワインのお店 ムー』店舗詳細
住所:神奈川県横浜市中区野毛町3-133-1/営業時間:16:00~23:00(土・祝は15:00~23:00、日は15:00~21:00)/定休日:火(臨時休あり)/アクセス:JR・地下鉄桜木町駅から徒歩4分
取材・文=井島加恵 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2023年5月号より
横浜最大の飲み屋街として知られる、野毛。その最南端に昨年9月にオープンし、一線を画す酒場として話題になっているのが『野毛のスタ場』だ。ここは待ち合わせの0次会から使える“スタート”と、立ち飲みスタイルの“スタンディング”をする場所という意味から名づけられた施設。ビルの解体工事が決まっており、2025年5月31日までの約3年間限定の営業となっている。 写真=1階はまさに立ち飲み横丁という雰囲気。常時、にぎわいを見せる。
野毛に近く、飲み屋が多い桜木町。伊勢佐木町がある関内は買い物客でにぎわう。中華街を通過し、石川町へ行くと下町に似た空気が強まり、再開発を経たみなとみらい、北仲には新しい風が吹く。出かけよう、バラエティに富んだイーストサイドへ。