年間2000種以上飲むビール好き店主が厳選『Canal brewing』【大井町】
全国に先駆けて明治時代からビール醸造を行ってきた大井町にある、クラフトビール専門の立ち飲みバー。店主の濱口恵さんはLAでクラフトビールに開眼。帰国後は年間2000種以上のクラフトビールを飲み、ブルワリーを訪問するなど知見を深め、2023年5月に開店した。ビールサーバーのタップ(注ぎ口)は10口あり、それぞれ種類が異なる。限定醸造の缶・ボトルも50種ほどそろえている。自社の醸造所の設立も準備中だ。
『Canal brewing』店舗詳細
もう一杯、のニーズにクラフトビールで応える『大井町PUB 810』【大井町】
鉄板料理『八天』の真裏にあり、「裏八天」の店名で愛された歴史をもつ。そこそこ腹もふくれ、ほろ酔い気分になりながらも“もう一杯飲みたい” 時にピッタリな隠れ家的パブで、強炭酸のウイスキーハイボールとクラフトビールの品ぞろえに定評がある。ビールは「箕面(みのお)」「九十九里オーシャンビール」など国産を軸に約8種。運が良いとメニューにない限定醸造のゲストビールが味わえるので、気軽に聞いてみるのもよいだろう。
『大井町PUB 810』店舗詳細
上野アメ横の高架下でクラフトビールをゴクリ『Jalana(Coffee by Jalana)』【御徒町】
上野アメ横のほぼ真ん中、JR高架下にあるコーヒースタンド。アメリカを中心に世界各国から仕入れたカジュアルアイテムを販売するショップが、コロナ禍で落ち込んだ地域の活性化を願い2021年にオープンした。3種類の最高級豆を配合したコーヒー、専用機で焼くホットサンドのほか、クラフトビールも提供。アメリカ「バドワイザー」、ドイツ「シェッファーホッファー」、ベルギー「ニュートン」などをそろえている。
『Jalana(Coffee by Jalana)』店舗詳細
世界の逸品に肩を並べる自家醸造ビールも登場『ノベル クラフト』【千歳烏山】
店主は、クラフトビール=IPA(ホップを大量に使用したビール)の概念を壊したく、タップから瓶、缶まで多様なスタイルのビールをそろえている。イギリス発祥のビターエールから樽熟成、ハーブとスパイスの効いたものなど幅広く、丁寧な説明を聞くのも楽しい。2023年には念願の自家醸造所と併設の姉妹店を杉並区高井戸でオープン。さらに品ぞろえが豊かになり、ビール好きを喜ばせている。
『ノベル クラフト』店舗詳細
厳選した国産シードルとクラフトビールを堪能『Noge West end』【日ノ出町】
縄のれんを下げた小料理屋『肴地魚 みかみ』と思いきや、その正体はクラフトビールと国産シードルの専門店というユニークな店。酒類の仕入れは店主の東和彦さんが生産者と相談し、日替わりで4〜7種類を提供する。名物料理は前菜の盛り合わせ。店主のサービス精神が示すように、大皿に旬野菜のフリットやグリル、サラダ、揚げ物などがてんこ盛りに。一人前から注文できるが、最終入店は22時なので気をつけよう。
『Noge West end』店舗詳細
タンゴが流れる店内で世界のビールを味わう『ミロンガ ヌォーバ』【神保町】
1953年創業の名喫茶。アルゼンチンタンゴをBGMに、炭火焙煎のコーヒーが楽しめる。もう一つの名物が期間限定のクラフトビールを含めて約30種そろう世界各国のビール。店長おすすめの「ライオンスタウト」1000円は、ほろ苦さと甘さが融合したスリランカの黒ビール。自家製酒の珈琲酒650円は、ブレンドコーヒーに使用する豆を焼酎に約2カ月漬け込み、約1カ月寝かすことで、まろやかな味になる。
『ミロンガ ヌォーバ』店舗詳細
国内外で受賞を重ねる家族一丸で造るビール『こまいぬブルワリー』【柏】
家族経営のクラフトビール醸造所。父・丹羽文隆さんの「みんなが好きなビールを造る仕事がしたい」という発言をきっかけで開業した。ビアソムリエでもある次男の一宇(かずひろ)さんが醸造長を、ベンチャー企業や流通会社に勤めていた長男の岳悠(たけひろ)さんが醸造を手伝いながら広報と営業を兼務する。目指した味は、ビールが苦手な母でもおいしく飲めること。国内外のビールコンペティションで受賞を重ねていることからも、その確かさがわかる。
『こまいぬブルワリー』店舗詳細
団地醸造のビールで笑い、楽しみ、元気に『ガハハビール』【東陽町】
マンモス団地の1階にある旬魚が自慢の居酒屋で、クラフトビールの醸造も行う。店主の馬場哲生さんは料理修業中にIPAにハマり、酒類醸造免許を取得。『高円寺麦酒工房』で働いていた現醸造長と知り合い、2017年に江東区初の醸造場を開設した。店名には“ビールは笑って飲むものだから”という思いが込められている。自家製ビールは定番に限定品を加えた10種ほど。まずは飲み比べ3種セットがおすすめだ。
『ガハハビール』店舗詳細
チェコ出身の醸造家が故郷の製法で醸す『EBINA BEER』【海老名】
『ららぽーと海老名』の向かい側に立つブルワリーパブ。通り側はガラス張りになっていて、店内は明るく醸造設備を見ることもできる。醸造主任のトーマス・レハクさんはピルスナーの発祥地・チェコ出身で、故郷の製法を貫いている。無濾過無殺菌の生ビールのため、濃厚な麦の風味とさわやかなホップの香りが楽しめる。パブでは定番6種類と季節替わり2種のビールを提供。チェコの家庭料理ブランボラークと一緒に味わいたい。
『EBINA BEER』店舗詳細
小ロット醸造を武器に斬新なビールに挑戦『26K Brewery』【武蔵境】
JR中央線の高架下にある食の複合施設『ond craft food+(オンド クラフト フードプラス)』内でクラフトビールを醸す、わずか3坪の醸造所。仕込みは週1回200ℓと少ないが、醸造も担うディレクターの平槇駿一さんは「小ロットだからこそ多品種のビールが造れ、さまざまな挑戦ができる」と語る。これまで、紅茶、山椒、唐辛子、コーヒー豆などを使ったものが登場し、ビール好きの注目を集めた。併設のタップルーム『オンド武蔵境』では常時5種をラインアップしている。
『26K Brewery』店舗詳細
来店者だけが味わえる小工房の手づくりビール『ならしのクラフトビール むぎのいえ』【谷津】
地元の家族連れや学生にも愛されるビール醸造所併設のビアバー。ビールは缶詰め、瓶詰めをしないので、この店でしか飲むことができない。どこか文学的な銘柄は「谷津で醸造している意味・物語性を大事にしたい」という代表の今井貴大さんの思いから。ペールエールの「谷津遊路」は干潟の野鳥のさえずりや花を連想させる華やかな香りから命名された。常時10種を用意し、その中には「紫薫(しくん)」という燗で味わうビールもある。
『ならしのクラフトビール むぎのいえ』店舗詳細
取材・文・撮影=アド・グリーン 撮影=小野広幸、岡田孝雄、丸毛透、佐藤侑治、鈴木奈保子、井上洋平、加藤熊三
『散歩の達人 東京名酒場』より