西インドスパイス ガヤバジ[浅草]
西インドの多彩な味わいに見惚(ほ)れる
大阪で「間借りカレー」をしていた富永卓見さんとガヤさんは、「新たな挑戦をしよう!」と東京へ移住。プレートには、ガヤさんの故郷・西インドのカレーと総菜がズラリ並ぶ。豆カレー・ミサルの食欲そそる風味の正体は、オニオンガーリックマサラだ。さらに、辛味強めのタンブラーラッサ、ココナッツミルクが優しいパンドララッサと、味の波状攻撃に心躍る。
『西インドスパイス ガヤバジ』店舗詳細
昼飯屋 SPICE CURRY[大森町]
風変わりな一品は和食の技法が光る
和食を経て、代々木八幡で人気のカレー屋『SPICE POST』でも修業を積んだ高瀬晋一さん。大森界隈の名産の海苔を佃煮にして、カレーと合わせてしまった! 磯の香りが口中に広がり、スパイスと魚介出汁の風味が後を追う。また、途中で海苔無しのカレーをかける“追いスープ”なるサービスも。一つで二度おいしい一品だ。「このスタイルの暖簾(のれん)分けとかもしたいです」と、野望もチラリ。
『昼飯屋 SPICE CURRY』店舗詳細
うな達[池袋]
一見、おうち系だけど真似できぬ金曜昼限定のひそみカレー
うな重、かぶと焼、ひれ焼など、うなぎ自慢の酒場ランチは、金曜になると100%カレー目当て。20食分の鍋を9つ用意しても完売続出だ。「昔、金曜が暇でね。好評だったまかないカレーを30年以上前から出すようになったんです」と、2代目店主の木村達志さん。スープは専用に仕入れたゲンコツで、ジャガイモやニンジンなどを1日じっくり煮込む。黒糖、コーヒーを加え、まろやかながらカレー粉&一味が後引く辛さ。
『うな達』店舗詳細
神楽坂 龍公亭[飯田橋]
老舗中華にひそむカレー。にぎやかな食感に惚(ほ)れる
「中華では桂皮や山椒などの香辛料をいろんな料理に用いるので、カレーにも独自に加えているんです」と、4代目女将の飯田花さん。注文ごとに作るカレーライスは、戦前から続くメニューのひとつ。エビ、イカ、きくらげ、タケノコなど、湯通しした大ぶりの具の歯触りがいいアクセントだ。しかも、鶏ガラスープの土台がまろやか&軽やか。あとから、ヒリリと辛さが追いかける。ランチでがっつり味わいたい。
『神楽坂 龍公亭』店舗詳細
馬肉専門店 柿島屋[町田]
シンプルながら馬の風味が癖になる
北海道で生まれ、山梨の牧場で飼育されたメスを一頭買い。柔らかな赤身は癖がなく、わさびで馬刺しを味わえば、馬の香味がうめ割とバッチリ合う。そして、密かなオススメは、サクッとして後味あっさりとメンチカツをトッピングした締めカレーだ。昭和初期から作るカレーは、馬の端肉でとるスープに、肩肉の煮込みを加えた馬エキスがたっぷり入った一皿。スパイスの芳香が馬のまろみを際立たせる。
『馬肉専門店 柿島屋』店舗詳細
ごはんといえば、長男堂[吉祥寺]
鍋ごとに変わる、一期一会のカレー弁当
新潟県糸魚川市出身の吉田さんが用いるのは、郷里の特別栽培米コシヒカリ。「冷めてから本領発揮する米なので、弁当にもってこい」と胸を張る。作り置きおかずなど、多彩なメニューのなか、約1週間ごとの鍋替わりで作るのがカレーだ。旬味を用いて直感で仕込むため、酢を加えた酸味の立つカレーになったり、ココナッツを入れたり。マタギ一族の実家からジビエが届くことも。「しれっと鍋に加えたりしてます」。
『ごはんといえば、長男堂』店舗詳細
ライスカレー ぺろり[目黒]
食べれば無性に元気になる昭和味
店主の古き良きスタンドカレー愛は深い。まず、スプーンはコップに入れて出すという昭和トラディショナルスタイル。カツウインナーカレーを頼めば、粗びきパン粉の揚げたてカツの隣に、これまた昭和の赤ウインナーだ。口に運ぶと、店でひいた大ぶりミンチの入ったカレーは、どろりとして濃厚な味わい。どろりカレーは爽やかなざく切りトマト200円も抜群に合うので、ぜひトッピングを!
『ライスカレー ぺろり』店舗詳細
カレーライス専門店 ブラザー[高田馬場]
チキンと鯖、迷いスプーン必至!
3坪の極小店舗に鎮座する巨大寸胴鍋。チキン野菜カレーは、ここで長時間煮込んだ鶏ガラや炒めたタマネギなどの出汁、クローブやクミンなどスパイス13種のバランスが取れた、日々食べたくなるさらさらカレーだ。かたや鯖キーマは、三つ葉にミョウガ、トマト、甘みのある青魚の風味が織りなす甘辛さが魅力。ともに、お米屋さんで精米したてのごはんがワシワシ進むのは間違いなし!
『カレーライス専門店 ブラザー』店舗詳細
かえる食堂[要町]
色とりどりのルーで具が半身浴
看板はミックスカレー。炒めたタマネギやトマトなどを煮込んだものと約4時間煮込んだ鶏白湯スープを合わせたカレーは辛さすっきり。そこに一晩マリネしたとあと3時間近く焼いたホロホロの手羽元、ニンニクの芽、甘く味付けしたゴボウといった具が妙味を加える。ほかにも店主奥様の実家から送られたほうれん草から生まれたみどりのカレーや、赤坦々カレーなど彩りあるカレーがずらり。
『かえる食堂』店舗詳細
取材・文=高橋健太(teamまめ)、佐藤さゆり(teamまめ)、鈴木健太 撮影=金井塚太郎、原幹和、本野克佳