高尾山口駅
高尾山口駅から甲州街道に出て右へ。すぐ左の道に入り坂を上がると四辻・草戸峠方面の標識。
↓ 15分
四辻
標識の先は民家の脇の細道を通り抜けて行く。すぐ山道になり、上がった尾根道が四辻になる。右へ。
↓ 50分
拓大分岐
多少のアップダウンはあるが、快適な尾根歩き。展望はなし。朽ちた鉄塔の先に拓大分岐。草戸峠方面へ。
↓ 30分
草戸山
梅の木平分岐を過ぎ、草戸峠に出ると高尾山が見える。ベンチあり。ここから10分程度で草戸山山頂。
↓ 35分
三沢峠
草戸山の先にふれあい休憩所。城山湖の展望がいい。展望のない榎窪山のすぐ先が三沢峠になる。
↓ 30分
西山峠
三沢峠からは関東ふれあいの道。展望のない尾根歩きが長い。西山峠は山下バス停に通じる分岐。
↓ 50分
中沢峠
展望のない尾根歩きから一転、見晴台からの大展望。中沢山から中沢峠に出て、バス停までは50分。
↓ 50分
ゴール
山下バス停
体力度:★★☆
歩行時間:4時間20分
歩行距離:約11km
アクセス:[行き] 新宿駅から京王線特急で高尾山口駅、約55分。
[帰り] 山下バス停から神奈中バスで高尾山口バス停、約10分。後は行きと同じ。
※山下バス停から駅へは午後は16時台に一便(平日のみ)しかないので、それに合わせて計画を。バス停から高尾山口駅まで徒歩30分。
交通費:990円(往復)
静かな山歩きを楽しむ高尾山周遊コース
いまや高尾山に行くには勇気が必要だ。そもそも山歩きに行くなら、街歩きとは違い、あまり人には会いたくない。せいぜい友人や山仲間くらいで歩きたい。せっかく山まで行って喧騒の中に入るのはちょっと、と思う人も多いはずだ。高尾山にそれを求めることはできない。喧騒の山が好きなら別に問題はない。
ということで勇気が必要になるわけで、勇気のない人は高尾山口駅に背を向けて、目の前にある山に向かおう。高尾山に限りなく近く、喧騒とは無縁な山。それが草戸山と南高尾山稜の尾根歩き。ただし高尾山に何軒もある素敵な茶屋などは一軒もないので、飲み物や食べ物は持参しなければならない。
高尾山へ背を向ける人は、ほんのひと握り。甲州街道を横切って住宅脇の細い道を抜けると、もう山の中。尾根までは10分ほどの急な坂道を上がっていく。尾根は四辻という分岐点で、左に行けば高尾駅、まっすぐ下りれば拓殖大学方面。右手の縦走路が草戸山方面になる。
標高ほぼ300m前後の尾根縦走。縦走というと、きつさがイメージされるが、ここはほどよいアップダウンで、それほどきつい勾配もなく、気持ちのよい山歩きとなる。ただし展望を望んではいけない。
小さなピークをいくつか越えて行くと、拓殖大学に行く道を左に分け、四辻からおよそ1時間半で草戸山手前の草戸峠に。今日初めての展望で、西側に高尾山が見える。ここにはベンチもいくつかあったので、しばし休憩してからスタート。
八王子市街地を一望できる、広々とした山頂へ
草戸峠から約10分。坂を上がりきると広い草戸山山頂だが、キャーキャーと、なにやらにぎやかな声が響いている。山頂が広いので子供たちの格好の遊び場になっているようだ。小学生の遠足かもしれない。元気でいいのだが、ここでひと休みと思ったのに、どうも落ち着かないので早々に退散する。
山頂を後にして城山湖(しろやまこ)が望めるという「ふれあい休憩所」まで進んでから休憩をとることにした。
城山湖は正式には本沢調整池という相模原市のダム湖。しばし休憩してスタート。展望のない榎窪山(えのくぼやま)を通り、ようやく五差路の三沢峠に到着。ここから梅の木平から来る関東ふれあいの道「湖のみち」に合流する。
大展望の見晴台へ
峠道の先は、ほぼ展望のない山道。泰光寺山(たいこうじさん)から西山峠に出て、その先のベンチでひと休み。手作りのようなベンチは、ほっとする。入沢山を巻いて進んで行くと、突然視界が開けた。
今は見晴台という名がついていて「湖のみち」では最高の絶景地。南側が開け、眼下に相模川、その対岸の街並み、丹沢の山々の眺望が素晴らしい。
展望を楽しんで、再び縦走開始。ほどなく中沢山へ。中沢峠の先からは金比羅山(こんぴらさん)、大洞山(おおぼらやま)を過ぎて甲州街道の大垂水(おおだるみ)峠へ出て、高尾山方面に出るコースが「湖のみち」になっているが、今回は中沢峠から下山することに。
ちょっと荒れた道を下りて行くと中沢川沿いの中沢林道へ出る。林道をのんびり歩いて、山下バス停へと向かうことにした。
喧騒の苦手な人には、この高尾山周遊尾根歩きをおすすめする。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より