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profile:湯沢祐介(ゆざわ ゆうすけ)
1980年東京都生まれ。
月に500匹以上のペット撮影を手がける。
七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。
その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。
写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書多数。

その① シャッタ速度優先モードで撮る

動きのあるペット写真にブレは厳禁です。速い動きをピタッと止めたブレのない写真に仕上げるには速いシャッタースピードで撮る必要があります。シャッター速度優先モードで撮るためにモードダイヤルをSまたはTv(メーカーによって呼び方が異なります)に切り替えましょう。そうすることでシャッター速度を自由に変更することが可能になります。

シャッター速度は被写体の動く速さにもよりますが1/1000秒以上で撮ることをお勧めします。実際に撮ってみて被写体がブレている場合はもっと速いシャッター速度に設定しましょう。

ハードルを飛ぶ犬。この写真はシャッター速度1/2000秒で撮影。
ハードルを飛ぶ犬。この写真はシャッター速度1/2000秒で撮影。

ここで注意点。シャッター速度を上げるほど写真は暗く写ります。撮った写真が暗い場合はISO感度をあげて明るさを調整しましょう。

猫じゃらしに戯れる猫ちゃんを撮影。 室内は外に比べて暗いのでISO感度をあげてシャッター速度を速くします。
猫じゃらしに戯れる猫ちゃんを撮影。 室内は外に比べて暗いのでISO感度をあげてシャッター速度を速くします。

その② 追尾AFにする

動き回る被写体に一回一回半押しでピントを合わせるのは大変ですよね。でもオートフォーカス(AF)を追尾AFにするとシャッターボタンを半押ししている間は被写体にピントを合わせ続けてくれます。お使いのカメラのAFモードを追尾AFに設定しましょう。(メーカーによってAF-CやAIサーボなど呼び方が異なります。)これのおかげで遠くから近づいてくる被写体にも常にピントが合っている状態になります。あとは良きタイミングでシャッターを切るだけです。

シャッター半押し状態でフォーカスエリア内に被写体を捉え続けるとピントを合わせ続けてくれます。
シャッター半押し状態でフォーカスエリア内に被写体を捉え続けるとピントを合わせ続けてくれます。

こちらに向かってくる犬を撮るコツ

おすわり、待てができる子はスタート位置で待てをさせます。ワンコから離れてカメラを構えたらワンコを呼び、こちらに向かって走ってくる瞬間を撮りましょう。

二人一組で撮影する場合

サポートの人がワンコをスタート位置に連れて行きおすわりさせます。撮る人の準備が整ったら撮る人がワンコを呼ぶか、サポートの人がボールをカメラに向かって投げワンコを走らせます。ボールを追ってカメラに向かってくる瞬間を撮りましょう。この時サポートの人は急いで横に逃げてください。ぼーっとその場に立っているとカメラに写り込んでしまいます。

猫ちゃんの動きも。机からジャンプする瞬間を捉えました。被写体の動きを予測する事も重要です。
猫ちゃんの動きも。机からジャンプする瞬間を捉えました。被写体の動きを予測する事も重要です。

スマホの場合は画面長押しでフォーカスロック。被写体がピントのあっている部分を通過する瞬間にシャッターを切り連写で撮影しましょう。

その③ 連写で撮る

動いている被写体の最高の瞬間を1発で撮るのは至難の技です。良い瞬間を逃さずに撮るために連続撮影に設定しましょう。

フリスビーを空中でキャッチした瞬間。ジャンプする直前から着地後まで連写した中の一枚。
フリスビーを空中でキャッチした瞬間。ジャンプする直前から着地後まで連写した中の一枚。

連続撮影の速さは機種によって異なり、ほとんどの機種で高速、中速、低速と連続撮影の速さを選ぶことができます。高速連写になるほど1秒間に撮れるコマ数が増えますが、連続撮影の枚数が増えると次第に撮影速度が遅くなります。これは記録メディアへの書き込みが間に合っていないために起こる現象です。カメラの連写速度が速くても記録メディアの書き込み速度が遅いとシャッターチャンスを逃してしまいます。記録媒体(SDカード、スマホならマイクロSD)のランクによって記録の速度が違うので、動き物(うごきもの)の撮影をする時は出来るだけ書き込み速度の速い記録メディアを用意しておきましょう。

最近のカメラはAFの精度が良くなってきていますが、それでも不規則な動きをするペットの動きシーンは止まっている姿を撮るよりも難しいです。成功の鍵はファインダー内に被写体を捉え続ける力とシャッターを切るタイミング。ペットたちが楽しんで遊んでいる間はたくさん撮って最高の瞬間を残してください。

文・写真=湯沢祐介

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