食べて遊んで。一日中楽しめる「豚のテーマパーク」
JR川越線笠幡駅前からバスに乗り、終点で降りるとすぐに到着。「サイボク」の園内には、ふわーっと肉の焼けるいい匂い。どうやら屋外のフードコートでハムやベーコンを焼いているらしい。敷地内にはレストラン、ミートショップ、野菜の直売所があり、自社の牧場で育てた豚肉が提供される。広大な天然芝のサイボクの森は有料ゾーンで、親子連れがアスレチックを楽しんでいたり、ピクニック気分を味わっていたり。各所に豚などをモチーフにした顔ハメパネルがあるのもおもしろい。
精肉をはじめ、隣接する工場で出来たてのハムやウインナーなどを販売するミートショップは、サイボクのブランド豚「ゴールデンポーク」「スーパーゴールデンポーク」の商品が満載で、ゴールデンポークを使用した揚げたてのメンチカツやコロッケなどの総菜も買える。新鮮なモツがあるのも産直ならではのこと。面倒な下茹でなど必要ない「豚らくらくモツ」がオススメだ。野菜とつゆを入れて、そのまま煮込むだけでおいしいモツ煮込みが作れる。
豊富な湧出量の源泉と、療養泉として認められた泉質
たっぷり遊んだ後は、天然温泉で疲れを癒やそう。「天然温泉 花鳥風月」はなんといっても豊富な湯量と良質な泉質。地下2000mから湧出する源泉の量は、全国平均の10倍量というから相当なもので、「あたたまりの湯」と呼ばれる。
高濃度炭酸泉は、湯の中の炭酸ガスが血管に入ることで血流が活性化し、疲労回復や冷え性の改善にも効果が期待できる。38℃前後のぬる湯だが、まとわりつく気泡がなめらかでやわらかく、ゆっくり浸かっていると芯から温まってくるのがわかる。露天エリアにある空中炭酸泉が特におすすめ。階段を上って行くと岩の上にあり、露天を一望できる。風月の湯では、炭酸泉は寝湯でも楽しめる。清々しい空気の中、こちらもリラックス度満点だ。
浴室は「花鳥の湯」と「風月の湯」があり、1週間ごとに男女が入れ替わる。どちらにも内風呂、露天風呂、高温遠赤サウナ、水風呂がある。「美肌の湯」と呼ばれる弱アルカリ性の天然温泉で、開放感満点の大露天風呂は広さも十分。青空の下、やさしい肌触りが楽しめる。ちょっとおもしろいのが源泉洞窟風呂。岩をくり抜いて作られていて、探検気分が味わえると子供にも人気だ。開放的な広い場所ものびのびとして気持ちいいが、囲われた狭い場所もなぜか落ち着くのが不思議だ。
屋内の高温遠赤外線サウナは、3段で広々快適。対流式のストーブで温度・湿度ともに高め。サウナの後のお楽しみはやはり水風呂。その他、秩父の伏流水を使った「流水浴井水」は、リラックスにすぐれた効き目のある流水ゆらぎ浴が人気。ひとつアドバイスすると流水浴は「花鳥の湯」のみの設備なので、日程を確認の上で予定を立てよう。
毎朝入れ替えられる新鮮なお湯と、ぴかぴかの館内
衛生管理が徹底しているのは、「安全な食品」を提供するサイボクの理念。隅々まで清掃が行き届いた館内は清々しく感じた。閉館後にすべての浴槽からお湯を抜き、清掃、そして毎朝新しいお湯を入れ直すので、本当に鮮度の高いお湯が楽しめる。
ゆっくりお風呂を楽しんだ後は、サイボク自慢の豚肉でお腹も満足
入浴後のお楽しみに、併設のレストラン花鳥風月で一番人気のとんかつ膳をいただいた。サイボクのブランド豚であるゴールデンポークを使用で、揚げたての衣はサクッと音がするほど軽く、なんといっても肉のおいしさが際立つ。キメが細かく、しっとりとしてやわらか。肉汁はとてもジューシーで甘みがある。食事の利用のみで来店する人がいるほどのおいしさだ。
食事のあと、休憩所でのんびりしながらふと「あのソーセージとハム、買っておけばよかったな……」なんて思うことも。園内のミートショップは18時で閉店してしまうが、温泉施設内のショップは21時までなので安心してほしい。思い残すことなく買い物して帰ろう。
遊んで、買って、食べて、寛いで。丸一日大満足のリラックススポットだ。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ