かま家 ［箱根湯本］
入浴中に、釜めしいっちょあがり！
しゃけ親子釜めし定食 1580円。釜めしはすべて定食で、味噌汁と小鉢、漬物がつく。
もとは寿司屋だったが、1995年に釜めし屋となり温泉も開放。毎朝、沼津の市場で仕入れた魚介を具材に使う。人気はしゃけ親子釜めし。注文すると「40分で炊けるから、ごゆっくり～」と、店主の大倉スズさん。硫黄香る湯に浸かり、戻ってくればちょうど炊き上がりだ。蓋を開ければ、昆布とかつお出汁で炊いたご飯の芳香ににんまり。サケのホクホクとイクラのプチプチが交じり、たまらない。
かに釜めし定食。ほかにも鶏、貝、エビ、アナゴ、梅ジャコなど多彩なラインナップは、全て1580円。
ほがらかな人柄の大倉さん。「こないだ、86歳になったばかりなの～」って、元気すぎやしませんか！
ザ・純和風の風情に感動。
泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム- 硫酸塩泉。
『かま家』詳細
住所：神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817／営業時間：9:00～20:00／定休日：不定／アクセス：小田急電鉄小田原線・箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス「桃源台」行き25分の「仙石案内所前」下車徒歩5分
おふろcafé白寿の湯 寝かせ玄米と糀料理 俵や ［丹荘］
体を内側から整える、発酵三昧の御膳
寝かせ玄米®と糀料理 俵や御膳 ソフトクリーム（お醤油もしくはバニラ）、あさみ珈琲付き 1848円。御膳の総菜は、ぬか漬けの天ぷらや赤城どりの味噌和えなど8種。
「温泉で体の外から、食事で体の内から代謝を整えてほしくて」とは、支配人の吉田健一郎さん。名物の御膳は、総菜から甘味まですべてに発酵食品を使う健康志向だ。ふっくら柔らかな寝かせ玄米®は、噛むほどに味わい深く、つみっこ汁の優しい風味に一息つく。また、サバ料理店から仕入れたサバも外せない。押し寿司は、肉厚なサバと甘みある寝かせ玄米の酢飯がマッチして、頬が緩む。
食事処の奥にはサバの稚魚が泳ぐ水槽が。
とろさばと寝かせ玄米®の押し寿司 858円。いずれは施設隣で育てているサバもお目見えする予定。
泉質はナトリウム- 塩化物強塩泉。
『おふろcafé白寿（はくじゅ）の湯 寝かせ玄米と糀料理 俵や』詳細
住所：埼玉県児玉郡神川町渡瀬337-1／営業時間：10:00～22:30（食事処は11:00～21:30）／定休日：無／アクセス：JR八高線丹荘駅から徒歩5分の丹荘駅入口から朝日バス「神泉総合支所」行き11分の「下渡瀬朝日工業前」下車3分
東京染井温泉 Sakura ［巣鴨］
湯上がりピリ辛麺で、代謝がさらに爆上がり
酸辣湯麺 1070円。酸辣湯麺目当ての常連客もいる。
和洋折衷多彩に並ぶメニューは、各分野専門の料理人がそれぞれ考案した本格派。中でも「風呂上がりの体に、酸味が良い感じに効くんです」と、副支配人の岩井さんが熱く語るのは、創業時から一番人気の酸辣湯麺（スーラータンメン）だ。とろとろのスープをすすると、鶏ガラのコク深い味わいとほのかな酸味、辛味が全身を駆け巡り、芯から温まる。喉越しよい中太麺も相性良く、一気に平らげてしまう。
牛ホホ肉のオムライス～ポルチーニ茸のピラフ～スープ付き 1580円。長時間煮込んだ頬肉はホロホロ柔らか。デミグラスソースも旨味が深い。
隠れ宿的風情がまたよし。
泉質は含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩泉。
『東京染井温泉 Sakura』詳細
住所：東京都豊島区駒込5-4-24／営業時間：10:00～23:00（22:30受付終了、最終浴室利用時間～22:50。レストランは10:30～23:00）／定休日：無／アクセス：JR山手線巣鴨駅から徒歩8分、地下鉄南北線巣鴨駅から徒歩6分（巣鴨駅南口から無料送迎バスあり）
サイボク天然温泉 花鳥風月 ［笠幡］
肉の甘みと風味がじわり広がる
とんかつ膳（ごはん・味噌汁・小鉢・お新香付） 1880円。ゴールデンポークのとんかつは、肉のキメが細やかで、ほのかに甘みを感じる。
自社牧場産のゴールデンポークを使った豚肉料理がズラリ。名物のロースカツは「素材のよさがわかるよう、あえて下味はつけていません」と、シェフの山﨑義一さん。何もつけず口に運べば、パン粉のサクサクと肉の柔らかな食感に感動。脂身の甘さが口内を包み込み、濃厚な肉の味に恍惚（こうこつ）となる。キャベツには大葉の千切りも混ざり、後味爽やか。最後のひと口までペロリと食べ進められる。
ポークとあらびき、ホワイトの3種のウインナー盛り合わせ 780円も人気。ビールのつまみに最高だ。
テーブル席のほかに個室（有料）もある。
泉質はナトリウム- 塩化物泉。
『サイボク天然温泉 花鳥風月』詳細
住所：埼玉県日高市下大谷沢546／営業時間：10:00～21:00（レストランは11:00～ 21:00）／定休日：火（月1回）／アクセス：JR川越線笠幡駅から東武バス「サイボク」行き5分の終点下車すぐ
深大寺天然温泉 湯守（ゆもり）の里 ［調布］
野趣あふれる郷土料理を独り占め
せり鍋（1人前） 1680円。せり鍋は冬から夏前まで。「おかわりする人も多いんです」と、佐々木さん。丸ごとおかわり皿 1180円、野菜のみ追加 780円、雑炊用のご飯 230円、生卵 80円。
「都内にいながら、田舎っぽいというのがテーマ」と、チーフの佐々木都さん。地方から仕入れた旬の山の幸を使った郷土料理で、湯上がり後もさらにほっこり心和ませる。毎年、常連衆が心待ちにしているのがせり鍋。根を入れて煮立てた出汁をすすると、しみ出た風味がじんわり滋味深い。葉の部分をサッとくぐらせば、青々とした風味が直撃。締めにはご飯と卵を頼み雑炊にして余すことなく味わいたい。
日本酒 1合560円～も合わせたい。
食堂は2階に。
泉質はナトリウム- 塩化物温泉。
『深大寺天然温泉 湯守（ゆもり）の里』詳細
住所：東京都調布市深大寺元町2-12-2／営業時間：10:00～22:00（食事処は11:30～15:00・17:00～21:30。土・日・祝は通し営業）／定休日：無／アクセス：京王電鉄本線調布駅から京王バス深大寺行き13分の「深大寺」下車。または調布駅から京王バス「吉祥寺駅」行き10分の「中央道深大寺バス停下」下車徒歩6分
（京王電鉄調布駅・JR中央線武蔵境駅から無料シャトル送迎バスあり）
杉戸天然温泉 雅楽（うた）の湯 食事処 みやび ［東武動物公園］
卵の優しさに包まれた、甘～いカレー
たまふわ杉農うどん御膳 1200円。御膳は天ぷら、サラダ、ご飯、漬物付き。契約農家でその日にとれた野菜を使っているので、サラダや天ぷらの味わいも抜かりなし。
「この界隈では、江戸時代に『たまごふわふわ』という料理があったそうなんです」と、副支配人の天野正明さん。杉戸農業高校と共同で、伝統料理と地元名産のカレーをかけ合わせて開発したのが、たまふわ杉農うどんだ。表面を包むのは、たっぷり生クリームとともに攪拌（こうはん）した卵。底のうどんを持ち上げ一気にすすれば、とろけるような甘みとピリリと軽い辛味が溶け合い、湯上がりの体に染み渡る。
うどんにはカレーと卵がよく絡む。また、十割そばに変更することも可能だ。
甘味の名物はかぼちゃプリン 480円。凝縮された濃厚な甘みに癒やされる。
食事処は、テーブルと座敷あり。
泉質はナトリウム- 塩化物温泉。
『杉戸天然温泉 雅楽（うた）の湯 食事処 みやび』詳細
住所：埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸2517／営業時間：10:00～24:00（食事処は11:30～23:00）／定休日：無／アクセス：東武スカイツリーライン東武動物公園駅から徒歩22分（約30分ごとに無料送迎バスあり）
取材・文＝高橋健太（teamまめ） 撮影＝井上洋平
『散歩の達人』2022年1月号より
新規オープンにリニューアル、今年も通わずにはいられない！ そんな我らがイチオシ温泉を山あいからオーシャンビューまで、シーン別に厳選してご紹介。日帰りで気張らずに。プチ湯治へ、どうぞ。
スーパー銭湯は、風呂好きを魅了する温泉テーマパーク。岩盤浴やリラクゼーションなど、充実施設を満喫するもよし、極上の湯なら、日がな一日風呂三昧という過ごし方もある。湯上がりのビールと名物グルメで腹を満たせば、至福のひととき。
都内に点在するスーパー銭湯＆日帰り温泉。ちょっとした旅行気分が味わえたり、仕事帰りに入浴できたりと、気軽に利用できるのも人気の秘訣だろう。のんびりと温泉に浸かれる施設から、機能浴満載や岩盤浴充実の最新施設、リゾート気分を楽しめる施設など、自分好みのスーパー銭湯＆日帰り温泉を探そう。
