小高い丘の上は探検心を呼び覚ます“秘密基地”『椿森コムナ』[千葉公園]
看板はツインツリーハウスだ。1つはカシの枝がハウスを貫き、もう1つはイチョウの枝に乗るように設計。吊り橋を伝って大人も自由に往来でき、探検心はうずきだすばかり。「樹齢100年の大木があまりにも見事で」と、地元企業『拓匠開発』は開発当初の予定を変更した。木陰に涼風が抜ける屋外カフェでは、エアストリームで販売するハンバーガーを頬張り、瓶コーラをグビグビ。月1マルシェなど、地元密着イベントも催している。
『椿森コムナ』店舗詳細
テラスも屋内も草木の森に包まれる『cafe madoi』[千城台北]
テラス席や、目の高さが地面と同じの掘り込みカウンター席など、席ごとに景色が異なり迷うばかり。造園会社による庭カフェは、2020年の開店以来、スクスク育った山野草が野趣にあふれる。普段はWi-Fi完備のセルフカフェで「まったりできますよ」と、マネジャーの中原はづきさん。夏に喉を潤すなら、甘ささっぱりのフルーツスカッシュを。ロースハムとバターを挟んだフレンチサンドも見逃せない。
『cafe madoi』店舗詳細
アートな木造平屋でマフィンを頬張る『cafe5』[西千葉]
築40年余りの平屋民家をセルフリノベ。アンティークや道具類を雑然と飾る気張らなさに落ち着く。革工房『Jiro』に併設したのは「ここでパンを焼きたいって人が現れて、許可をとったんです」と、のんびり口調の店主兼職人・奥居次郎さん。今は工房スタッフだった浅野さんが焼くマフィンやスコーンが人気だ。知人焙煎のコーヒーや、爽やかな手搾りオレンジのソーダと味わいたい。
『cafe5』店舗詳細
温かな灯りに満ちたアルムの山小屋『喫茶 ハイジ』[本千葉]
八日市場で1975年に開業した後、移転を機に店主の西田定正さんは、左官業の従兄と丸太を組み、壁を塗り、店を手作り。このハイジの世界を愛する常連たちがみやげを手に、再訪しては壁を彩り風情を加味する。ここでは、妻の礼子さん考案のナポリスパゲティグラタンを。ホワイトソースとチーズが相まって希有なまろやかさ。しっとりチーズケーキとコーヒーも味わえば、時間の感覚が遠ざかる。
『喫茶 ハイジ』店舗詳細
吹き渡る風が心地いい住宅地のオアシス『cafeはな』[新検見川]
天気がいいと開け放つ窓の向こうはまっすぐ延びる一本道。テラス席は空も広い。店内の壁を飾るほっこりイラストは「娘の絵に感化されて」と、店主の小泉昇三さんが描いたものだ。客の目当てはパスタランチで、浦安のイタリアンで学んだリングイーネはワタリガニの風味が濃厚。ゴゴチャセットとしても注文できるデザートは、夏は、フローズンフルーツ&シャーベットでひんやりさっぱり。心地よさが倍増する。
『cafeはな』店舗詳細
取材・文=林 さゆり 撮影=原 幹和
『散歩の達人』2024年8月号より