10位:しばられ地蔵(南蔵院/葛飾区)
大岡裁きで有名なぐるぐる巻きの地蔵
反物が盗まれた現場にいながら、盗賊を見逃したとして縛られた地蔵。それは裁きの場に現れた盗賊を捕らえる罠だった。大岡裁きで知られる地蔵で、さまざまな御利益があるが、難病平癒がよく知られる。祈願するときは地蔵を縄で縛り、成就したときには縄を解く。JR常磐線金町駅北口から徒歩15分。葛飾区東水元2-28-25
9位:なで仏 (西善寺/埼玉県横瀬町)
光り輝く仏の頭は、篤い信仰の表れ
秩父三十四所観音霊場の第8番札所。本堂に安置される阿弥陀三尊は安楽往生の御利益があり、長寿やボケ封じ祈願に訪れる人が多い。本堂前のなで仏は、患部をさすると治癒するといわれ、頭の部分が見事にテカテカ。毎月15日には「ボケ封じ長寿祈願会」も行われている。西武秩父線横瀬駅から徒歩25分。横瀬町大字横瀬598
8位:蛸薬師成就院(目黒区)
秘伝の黒い石とタコの力でイボころり
本堂の壁を飾るタコの絵がなんともユーモラス。イボ取り祈願は、直径約4㎝ほどの黒く丸い石である御撫石を授かり、「ヲン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」と3回唱えながら御撫石でイボをなでる。イボが取れたら御撫石はお返しする。東急目黒線不動前駅から徒歩8分。目黒区下目黒3-11
7位:おいぬさま (亀戸天神社/江東区)
天神様の片隅にある、塩にまみれた犬の像
神楽殿裏の小さな祠に祀られている石像。お供えした塩を、ケガをしたところにと同じ場所に擦り込むと治ると伝えられ、身体のあちこちが塩で隠れている。破損が激しく、犬の表情はわからないが、一説には境内にあった摂末社の狛犬だったともいわれている。JR総武線・東武亀戸線亀戸駅北口から徒歩15分。江東区亀戸3-6-1
6位:おしろい地蔵 (蟠龍寺/目黒区)
白いお顔と絶えない花は、女性に人気がある証し
山手七福神の弁財天を祀る蟠龍寺(ばんりゅうじ)。おしろい地蔵は元禄11年(1698)の建立。顔におしろいを塗り、余ったおしろいを自分の顔に塗って祈願すれば美肌になるといい、歌舞伎役者の信仰が篤かったという。顔の表情もわからないほどすり減ったのは信仰の篤さの表れか……。JR・地下鉄・私鉄目黒駅西口から徒歩12分。目黒区下目黒3-4-4
5位:とうがらし地蔵 (福聚院/文京区)
赤い首飾りの地蔵。祈願は唐辛子持参で!
明治中期、ぜんそくを患っていたお婆さんは、医者から唐辛子を食べるのを止められていたにもかかわらず食べて亡くなってしまった。お婆さんを哀れんだ近所の人が地藏尊を祀り、唐辛子を供えたという。唐辛子を供えて祈れば、咳が止まり、ぜんそくが治るという。地下鉄丸ノ内線・南北線後楽園駅4a出口から徒歩10分。文京区小石川3-2-23
4位:勘助地蔵(青松寺/港区)
義侠心強い足軽・勘助の心意気にあやかって痔を治せ!
勘助は美作(みまさか)津山藩の足軽。主人・越後守の槍は重く長いが、倒せば打ち首。これを持つ苦労を後生に残すまいと、槍の柄の下を切り落とし、その場で切腹した。勘助は痔を患っていたことから、地蔵にお参りすると痔に御利益があるといわれる。快癒したら酒をお供えしよう。地下鉄三田線御成門駅A5から出口から徒歩5分。港区愛宕2-4-7
3位:おびんづる様(蓮馨寺/川越市)
さわってなでるとすぐなおる
蓮馨寺(れんけいじ)の祈願所前に、釈迦の高弟の一人であり、十六羅漢に名があがる「おびんずる様」が置かれている。自分の患部と同じ場所をさわり、その手で自分の患部を触ると病気が治り、頭に触れると頭が良くなるといわれるなで仏。多くの人に触られているため、体のあちこちが赤光りしている。西武新宿線本川越駅から徒歩10分。川越市連雀町7-1
2位:東司[東光寺/品川区]
トイレの神様ですか?
天台宗のお寺だが、参道の中程に東司(とうす)と呼ばれるお堂がある。東司は寺院のトイレのことだが、下の病や不浄を火の力で除く「鳥瑟沙摩(うすさま)大明王」を、便器と並べて祀っているのがすごい。明王のすぐ前、中央には、これまた便器状の「おまたぎ」があり、またいでお参りすると下の病にならない、下のお世話にならないといわれる。東急大井町線下神明駅から徒歩7分。品川区二葉1‐14‐16
1位:赤紙仁王 (東覚寺/北区)
赤い紙を貼って祈願 。でも仁王さん見えまへんがな
護摩堂の前に立つ仁王像は、江戸市中に流行していた疫病を鎮めるため建立された。いつの頃からか病魔を焼き払う火の色を表す赤い紙を自分の患部と同じ場所に貼って病気身代わりを願うように。赤紙と線香は事務所で購入を。赤紙は自然に落ちるまで貼ったままだとか。平癒の際はワラジを奉納する。JR山手線田端駅北口から徒歩7分。北区田端2-7-3
取材・撮影・文=アドグリーン