スタート:JR青梅線羽村駅―(2分/0.1㎞)→まいまいず井戸―(12分/0.7㎞)→禅林寺―(8分/0.4㎞)→玉川水神社・羽村陣屋門―(2分/0.1㎞)→羽村堰―(20分/1.1㎞)→羽村市郷土博物館―(39分/2.1㎞)→玉川上水(新堀橋)―(12分/0.6㎞)→田村酒造場―(17分/0.9㎞)→清岩院―(20分/1.1㎞)→シュトゥーベン・オータマ―(12分/0.7㎞)→国道16号横田基地あたり―(43分/2.3㎞)→福生院―(8分/0.4㎞)→熊川神社―(13分/0.7㎞)→石川酒造―(22分/1.1㎞)→ゴール:JR・私鉄拝島駅
今回のコース◆約12.3㎞/約3時間50分/約1万6400歩
1 まいまいず井戸
ぐるっと2周して水汲みに
五ノ神社境内にある中世に掘られたと考えられる井戸。このあたりの地層は、砂礫層の上に火山灰層があるため地表面から地下水脈までが深い。そこでいったん粘土層まで掘り下げ、そこから井戸を掘ったという。まいまいず(カタツムリ)の殻のような渦巻き状の坂の下に井戸がある。井戸は昭和35年(1960)まで使われていた。
2 禅林寺
中里介山の墓は大きな五輪塔
文禄2年(1593)創建の臨済宗の寺。文化8年(1811)と大正11年(1922)の2度、火災で本堂が焼失したが、山門は文久2年(1862)のもの。崖上の墓地に、41巻にのぼる未完の小説『大菩薩峠』の作者で羽村生まれの中里介山の墓がある。
3 玉川水神社・羽村陣屋門
玉川上水を守った神社と陣屋
玉川水神社は玉川上水の守護神。筏(いかだ)乗りたちが寄進した石灯籠には、「筏」の代わりに「木が浮く」の当て字で「桴」と彫ってある。隣接地には幕府が設置した上水管理の陣屋があったが、現在は茅葺き屋根の陣屋門のみが残されている。
4 羽村堰
江戸庶民を潤した水道の源流
承応2年(1653)、幕府の命を受けた玉川兄弟が中心となり、多摩川を水源とする工事が行われ、約43㎞に及ぶ上水路を完成させた。後年、水需要の増加に伴い長大な堰が築かれた。玉川上水は現代まで360年以上、江戸・東京の水道水に利用されている。
5 羽村市郷土博物館
模型を使って玉川上水の歴史や羽村堰の仕組みを解説
「多摩川とともに」「玉川上水をまもる」「農村から都市へ」「中里介山の世界」をテーマに、羽村の歴史・自然・文学や玉川上水に関する資料を展示する。屋外には国指定重要有形民俗文化財の旧下田家住宅などを展示する。
6 玉川上水(新堀橋)
新堀橋からの眺めは新東京百景
玉川上水のなかでも多摩川に近接していたところでは、多摩川の増水によって土手が崩壊する被害に見舞われた。そこで、開削から約90年後の元文5年(1740)、多摩川から40mほど東に離れたこのあたりに新たな水路が造られた。近くの加美上水公園内に旧堀跡を記す石柱が立つ。
7 田村酒造場
白壁の蔵と黒板塀が美しい造り酒屋
文政5年(1822)創業の蔵元。敷地内に江戸から昭和にかけて建てられた4棟の蔵が立つ。敷地内の井戸に酒造りに適した湧水があり、この喜びを表現したのが代表銘柄の「嘉泉」の名の由来。蔵見学は10名以上で1週間前までの要予約。
8 清岩院
福生十景の一つに選ばれた禅寺
応永年間(1394 ~ 1428年)心源希徹禅師が開山した臨済宗建長寺派の古刹。江戸時代には寺領10石の御朱印状を拝領して栄えた。境内には東京の湧水57選に選ばれた湧水が流れ、池を中心にした日本庭園が広がる。
9 シュトゥーベン・オータマ
福生名物の福生ドッグをテイクアウト
伝統的なドイツ式製法で作るハムやソーセージが評判の大多摩ハムの直営店。TOKYO-Xランチは、東京特産豚肉のTOKYO-Xのカツレツとハム、ソーセージにサラダとスープが付いて1540円。
レストランは11:30〜14:00LO・17:30〜21:30LO(土・日・祝は11:30〜15:00LO・17:00〜21:30LO)/定休日:無(レストランは火休)/アクセス:JR青梅線福生駅から徒歩3分
10 国道16号横田基地辺り
気分はプチアメリカ旅行
アメリカ空軍基地である横田基地沿いの国道16号にはアメリカンテイストのショップが立ち並ぶ。アンティークショップ『BIG MAMA』、アメリカ生まれのアイスクリームの『ブルーシール』、本場のピザを日本に紹介した『NICOLA PIZZA』など、異国情緒漂う店頭を眺めるのも楽しい。
11 福生院
奥多摩新四国霊場八十八ケ所89番
足利4 代将軍足利義持を開基に、応永18年(1411)に開山したと伝えられる臨済宗建長寺派の寺院。広々とした境内には本堂と観音堂が立ち、甲斐武田氏の家臣で徳川幕府の旗本であった長塩氏の子孫の墓がある。
12 熊川神社
境内では七福神の石像がお出迎え
平安時代初期、多摩川で産鉄をしていた部族が、鉄神として白蛇神(宇賀神)を祀ったのが始まりという。大国主命(おおくにぬしのみこと/大黒天)と市杵島姫(いちきしまひめ/弁財天)を祭神とし、後に五福神を合祀したことから福生七福神とも呼ばれる。本殿は市内最古の木造建築。
石川酒造
多摩の地酒「多満自慢」で知られる蔵元
文久3年(1863)創業の蔵元。イタリアンレストラン「福生のビール小屋」、おむすび処「ぞうくら」、直売店「酒世羅(さけせら)」があり、幕末から明治期に建てられた6棟の国登録有形文化財の建物が立つ敷地内を散策できる。史料館が見学できるほか、要予約・有料の見学コースもある。
歩いたらもっと美味しいごほうびグルメ
DEMODE HEVAEN
アメリカンサイズのハンバーガーが名物
白い外壁にネオンサイン、店内にはアメリカンアンティークの家具や調度品が並ぶ。巨大サイズの福生バーガーが名物で、アボカドチーズバーガー1580円。生地から手作りし、石窯で焼くピザのランチはドリンク付きで1180円。
志向庵
そばと地酒を楽しむ店。若き店主の創作そばにも期待!
信州八ケ岳産の粗碾き粉をべースに、季節ごとに全国各地の銘柄粉をブレンドした二八そば。もりそば803円。出汁をきかせてふんわり焼いた玉子焼き605円を肴に、西多摩の地酒飲み比べセット(3銘柄)880円を楽しむのもいい。
取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)