日野市は幕末のヒーロー、新選組ゆかりの地

歴史ファンならおなじみの新選組は、江戸時代末期に結成された浪士隊のこと。幕府を倒そうとする尊王攘夷(そんのうじょうい)運動をする人などを取り締まり京都の治安を守るために組織され、局長の近藤勇、副長の土方歳三、一番隊長の沖田総司など、多くの剣の達人が在籍した。彼らは幕末のヒーローとして今でも高い人気を誇っている。

かつて甲州街道の宿場町として栄えた日野宿があった日野市は、新選組副長・土方歳三と六番隊隊長・井上源三郎が生まれ育った場所。都内に唯一残る本陣建築である「日野宿本陣」では、近藤勇や土方歳三などが敷地内の道場で剣術の稽古に励んだといわれる。そんな“新選組のふるさと”日野市で、1998年に市制35周年と土方歳三没後135年を記念して始まったのが「ひの新選組まつり」だ。5月11日の土方歳三の命日に合わせて、毎年5月上旬の土・日曜に開催されている。

新選組の隊士たちが街を練り歩く!

5月10日(土)のメインイベントは13時30分から七生公会堂で行われる「隊士コンテスト」。翌日の隊士パレードに出演する局長、副長、各隊長を決めるためのコンテストで、応募者がまつりの主役ともいえる「ミスター土方」を目指して熱いパフォーマンスを繰り広げる。「審査は一次、二次とあり、それぞれ自由なパフォーマンスによって新選組への愛を語ってもらいます。個性あふれるパフォーマンスが見どころです」と教えてくれたのは日野市産業振興課商工観光係の安藤さん。

11日(日)は14時30分から隊士パレードが行われる。土方歳三を先頭にその後を近藤勇が続き、さらに一番隊から十番隊まで約200名の隊士役が日野宿を練り歩く。「新選組隊士の水色のだんだら羽織をまとって、まるで江戸時代にタイムトリップしたような気分が味わえますよ」(安藤さん)。行列の間には「エイ、エイ、オー」と勝どきを挙げたり、当日は母の日ということで沿道の観客にカーネーションを渡したりと、ユニークなパフォーマンスが繰り広げられるのも醍醐味だ。

水色の羽織がトレードマークの隊士パレードは歴史情緒たっぷり。
水色の羽織がトレードマークの隊士パレードは歴史情緒たっぷり。

そのほかにも11日(日)にはスタンプラリーをはじめ、日野第一小学校の校庭ではステージイベントや飲食の出店も。毎年人気のスタンプラリーは甲州街道近くの新選組ゆかりの地8カ所をめぐるもので、日野駅前郵便局前で販売される木の手形を購入して各スポットのスタンプや焼き印を集めながら楽しめる。また、新選組をテーマにした人気アニメ『青のミブロ』とコラボし、アニメキャラクターの設置やクリアファイルの配布、土方役の声優さんのトークショーなども行われる。

今も昔も多くの人の心をつかんで離さない新選組。全国から集まる多くのファンとともに熱く盛り上がる隊士コンテストや勇壮な隊士パレードを楽しもう!

開催概要

「第28回ひの新選組まつり」

開催期間:2025年5月10日(土)・11日(日)
開催時間:9:30~18:00(11日は~17:00)
会場:高幡不動周辺、JR日野駅前甲州街道周辺(東京都日野市高幡ほか)
アクセス:京王電鉄京王線・多摩モノレール高幡不動駅、JR中央線日野駅から徒歩5分

【問い合わせ先】
ひの新選組まつり実行委員会事務局☎042-514-8437
URL:https://shinsenhino.com/tag/ひの新選組まつり

 

取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供