ありとあらゆるジャンルの本がそろう

約130軒の古本屋が軒を連ねる神田神保町。世界各地の古書店街のなかでもその規模は世界最大といわれる。文学や推理小説、漫画はもちろん、さまざまなジャンルの本がそろっているのがこの街の魅力。なかには江戸時代の和本や浮世絵を扱う店や、アートやデザイン系の本が充実している店、音楽資料専門店、豆本の専門店にカルタ専門店まで、特定のジャンルに特化した書店も多くあるので、知れば知るほど“本の沼”にハマっていく迷宮のような街だ。

そんな神田神保町で秋の読書週間に合わせて開催されるのが「東京名物神田古本まつり」だ。1960年に神保町の古本屋が活気を取り戻そうと「古本まつり青空掘り出し市」が開催されたのが始まり。今では開催期間中に50万人もの人が訪れ、まさに“東京名物”といえよう。

靖国通りが本と人で埋め尽くされる

見どころは靖国通り沿いの歩道約500m区間で行われる「青空掘り出し市」だ。100台を超えるワゴンが歩道にズラリと並び、書店と書棚に囲まれた“本の回廊”が出現する。書棚には本がぎっしりと並び、大勢の人たちが真剣に吟味している姿が印象的だ。そのほか、東京古書会館では普段目にする機会の少ない希少な書籍を集めた「特選古書即売展」や作家のトークライブなど、本にまつわるイベントも行われる。

約500mにもわたる、圧巻の“本の回廊”。
約500mにもわたる、圧巻の“本の回廊”。

さらに期間中、神田神保町周辺では多数の関連イベントも。10月26日(土)・27日(日)には「第32回 本の街 神保町ブックフェスティバル」や「神田スポーツ祭り2024」、11月2日(土)・3日(日)には「第12回神田カレーグランプリ決定戦2024」が行われ、特に週末は街を挙げてお祭りムードに。神保町すずらん通りやさくら通り一帯で行われる「神保町ブックフェスティバル」では、出版社ごとにブースが立ち並びおすすめの本の直売が行われるほか、近隣飲食店の出店やジャズコンサートもあって一日中楽しめる。

この時期の神田神保町はお楽しみがいっぱい!

運命の一冊との出合いを求めて、また界隈のグルメを味わいに、街をぶらぶらと散策しよう。

開催概要

「第64回東京名物神田古本まつり」

開催日:2024年10月25日(金)~11月4日(月・休)
開催時間:10:00~18:00(最終日は~17:00)
会場:神田神保町古書店街(東京都千代田区神田神保町)
アクセス:地下鉄神保町駅すぐ

【問い合わせ先】
神田古書店連盟☎03ー3293ー0161
公式HP:https://jimbou.info/

取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供

東京23区のど真ん中に位置し、靖国通りと白山通りが交わる神保町交差点を中心に広がる街、千代田区神田神保町。  この街の特徴をひと言でいうと、なんといっても「本の街」ということになる。  古書店や新刊書店が多くあつまり、その規模は世界一とも言われている。だがそれだけではない。純喫茶、カレー、学生街、スポーツ用品街、中華街などなど、歩くほどに様々な顔が垣間見えるのが面白い。ある意味、東京で一番散歩が楽しい街ではないかと思うほどだ。