第1問
ヒント
正解は……王子駅前歩道橋@北区王子
JR王子駅の北口前、明治通りとロータリーを跨いでコの字状に立つ水色の歩道橋。 王子駅前の風景を構成する要素のひとつと言っていいだろう。3カ所はストレートの階段、1カ所はスロープ付きの緩やかな階段で、エレベーターはなし。線路に近い場所はJRのホームと同じような高さだったり、頭上に新幹線の高架橋があったり、見下ろせば都電荒川線の線路とも交差していたりと、複雑で立体的な景色が楽しめる場所だ。
奥に見えているのはJRのホーム。
写真の左奥の階段を下りれば都電の王子駅前停留場。
第2問
ヒント
正解は……第三護国寺前歩道橋@文京区目白台・豊島区雑司が谷
護国寺の南、不忍通りに日出通りが合流する交差点に立っている歩道橋。写真は日出通りに架かる部分だ。外から見ると床の部分が丸い独特な造形で、年季の入った渋い様相ながらしゃれた雰囲気もある。
日出通りと不忍通りの両方に跨ってくの字に設置されていて、その接続部分は踊り場のようになっている。北側から階段を上ると、首都高の下をくぐった後に曲がって緩やかなスロープを下り、踊り場コーナーを経て階段を上って不忍通りを渡る。不忍通りに架かる部分は、日出通りのほうと比べて高さも感じられて、全体的にちょっとしたアトラクションのようなおもしろさがある。
緩やかなスロープ。バリアフリーのためではなく、首都高の柱の下をくぐるために下がっていると思われる。
弧を描く踊り場部分。
全体を見渡すとこんな感じ。
第3問
ヒント
正解は……田安門前歩道橋@千代田区九段北・九段南
地下鉄九段下駅のすこし西、早稲田通りとの交差点のそばで、靖国通りに架かる歩道橋。橋自体の構造はスタンダードで、架道部分の道幅が広く、床の赤茶色のタイルの色と形にどことなく高級感がある。
そして、この歩道橋の魅力はやはり周囲の景色。撮影したのは4月上旬で、千鳥ケ淵の桜を見に来た人々でにぎわっていた。この歩道橋の上からは高燈篭や日本武道館の屋根も見え、北の丸公園を少し俯瞰(ふかん)できるとあって撮影のために歩道橋を渡る人も多い様子。今回の出題のなかでは、立ち止まっている人が最も多い歩道橋だったといえるかもしれない。
歩道橋の上で田安門方面を眺める。左は靖国通りの東方面。
第4問
ヒント
正解は……富ヶ谷歩道橋@渋谷区富ケ谷
代々木公園駅・代々木八幡駅のすこし南、山手通りと井の頭通りの交差点に架かるロの字型の歩道橋。四隅すべてにエレベーターが付いているという充実のつくりだ。写真は山手通り、北側から見たところ。
歩道橋そのものの規模の大きさもさることながら、道幅が広く車線も多いので、浜辺に座って波を眺めるような気分で行き交う車を見ていられるのも魅力。周辺の地形には起伏があり、どの方角を見ても上り坂だ。東の代々木公園方面には、水色の富ケ谷一丁目歩道橋も見える。
上はこんな感じ。
井の頭通りの東方面を望む。
第5問
ヒント
正解は……金王坂下の歩道橋@渋谷区渋谷
渋谷駅の東側、青山通りを跨ぐ歩道橋。東へと金王坂を上っていくと宮益坂上交差点につながる場所だ。すっかりきれいに整備された地区で、唯一再開発前の趣を残しているともいえる。今回の出題では唯一の屋根&壁付きで、橋部分の道幅はがっしりと広く、道路の両脇の建物に接続している。
橋桁部分には「金王坂下」と書いてあるのだが、ここに「こんのう」とわざわざルビが振ってあるのは「王」の文字に点をつけるいたずらがあったから……という説もあるようだが、真偽の程は定かではない。
実際に歩いてみると、歩道橋というよりはデッキ感が強め。
坂の上から見下ろしたところ。奥にスクラブルスクエアとヒカリエが見える。
第6問
ヒント
正解は……五反田歩道橋@品川区東五反田
五反田駅の東側、駅前のロータリーとソニー通りに架かる歩道橋。ざっくりL字型だが、角で五反田駅に接続していることもあり、底辺のない台形のような形だ。
『散歩の達人/さんたつ』の熱心な読者なら、ピンと来た方もいるかもしれない。というのも、ここはトリプルファイヤー・吉田靖直さんの連載「ここに来るまで忘れてた。」の五反田回の撮影場所だから。欄干の装飾が特徴的で、繁華街のにぎやかな様子が奥に見える。
写真右奥は東急池上線の五反田駅。
東側から五反田駅方面を見る。
合同コンパ、いわゆる合コンに誘ってもらうことがたまにある。呼ばれたらうれしいので用事がない限り参加するが、誘いは半年に1回あるかないかだ。しかし1度だけ、一晩で2件の合コンをハシゴした忘れられない夜がある。バイトで知り合った友人が呼んでくれた合コン。彼は若手の芸人で、他の参加者も自分以外はみな芸人だった。初対面の芸人のノリに置いてけぼりにされないか不安だったが、恐れていたギャグを披露しあうような空気にもならず、穏やかに楽しく合コンは進行した。開始から2〜3時間が経ち、女子たちとも打ち解け切ったように感じられた頃。「そろそろ二次会でも行きましょう!」との誘いに対する彼女たちの反応は、予想外に芳しくなかった。全員明日が早く、終電までに帰らなければならないため二次会には行けないと言う。一見真っ当な理由だが、次の日は休日だ。経験上、口実に過ぎないと分かった。私たちの楽しませ方が二次会に行きたいと思えるボーダーに達していなかったのだ。思い返してみれば彼女たちは同じタイミングでスマホをチェックしていたし、二次会に行くか聞いた時、女子内での相談もなく意見が一致していた。卓の下で、「二次会どうする?」「いや、こいつらないっしょ」「だよねー」と連絡を取り合っていたのではないか、という幾分ネガティブ過ぎる憶測は、実際かなり信憑性が高そうに思えた。女子たちが帰った後も飲み屋に居座り、うなだれ反省会をする男たち。敗者同士の絆を感じ始めた頃、私のもとに奇跡的な連絡が届く。「遅くにすいません! 今から飲みたいっていう女の子たちいるんで、僕の家でコンパしませんか?」誘ってくれたのは、以前イベントの打ち上げで知り合ったある芸人さんだった。下衆な話の流れから「またコンパとかあったら呼んでください!」と軽い約束を交わしたが本当に誘ってもらえるとは。一日に2回も合コンに参加するのは未経験の事態。両方とも滅多に飲むこともない芸人からの誘いということも不思議な縁を感じた。希望を失っていた私の前に、再び差し出されたチャンス。手を伸ばさない理由はなかった。初対面とはいえ一時は命運を共にした戦友たちを置いていくのは忍びなかったが、「次はがんばれよ!」と優しい声援に送られて私は一人タクシーに乗り、新宿から五反田のマンションへと向かったのだった。
第7問
ヒント
正解は……藻塩橋際歩道橋@港区芝浦
田町駅の南東にあり、日比谷芝浦線と芝浦運河通りにY字に架かる歩道橋。交差点のなかに設置された島(交通島)がY字の分岐の部分になっている。名前になっている藻塩橋はこのすぐ東にある。
一部(Yの幹の部分)は緩いアーチ型、さらに階段も一部は弧を描いており、道幅も細くて華奢な印象ながらどこかしなやかさを感じられる。今回出題した歩道橋のなかでも「最も美しいで賞」はこの藻塩橋際歩道橋に授与したい、というのが筆者の印象だ。
アーチ型の部分。
西側の地面から見上げるとこんな感じ。
第8問
ヒント
正解は……六本木1丁目の歩道橋@港区六本木
地下鉄六本木一丁目駅のそば、麻布通りと六本木通りが合流するY字の六本木二丁目交差点の、少し南に立つ歩道橋。頭上には2つの通りに沿って首都高も走っていて、道路を越えつつ高架をくぐる形だ。エレベーターも2カ所あり、東側はそのままペデストリアンデッキとしてアークヒルズに接続している。
六本木二丁目交差点やその周辺は横断歩道も少なく、これがなくては歩行者にとってかなり不便であろう重要度の高い歩道橋といえそうだ。
センターラインが描かれているのも特徴的。
左が六本木通り、右が麻布通り。どこを眺めても立体的な風景を楽しめる。
第9問
ヒント
正解は……昭和通り銀座歩道橋@中央区銀座
地下鉄東銀座駅と新橋駅のちょうど中間あたり、昭和通りと花椿通り・中央市場通りが交差する銀座東七丁目交差点に架かる歩道橋。X字型で凝った造形とあって、そこそこ有名な歩道橋なのではなかろうか。階段やエレベーターのほかエスカレーターも設置されていたり、植え込みもあったりと、街の一角として確立された空間がつくられている。
江戸~明治時代に新橋と花柳界をつなぐ男女逢瀬の橋としてにぎわったことにちなみ、「銀座ときめき橋」という愛称がついている。
階段も、ストレートだったり螺旋階段だったりさまざま。
展示ブロックがあるのは今回の出題のなかでここだけ。タイルの色もかわいい。
第10問
ヒント
正解は……柳島歩道橋@墨田区文花・江東区亀戸
押上駅から南東に徒歩10分ほど、浅草通りとそれに並行する北十間川(きたじゅっけんがわ)を跨ぐ歩道橋。形はシンプルだが、道路だけでなく川も越える歩道橋は今回の出題のなかで唯一だ。
この歩道橋の魅力は、なんといっても水面がある景色。押上方面を見れば十間橋とさらにその先にスカイツリーが見える。北十間川の水面に、整然と並ぶ文花団地の建物、川沿いの緑と、心地よさはピカイチ。ちなみに柳島というのはこの界隈の旧地名だ。
押上方面を望む。
南東方面の景色もまた空が広くて心地いい。
田安門前歩道橋の上から見る靖国通り。
全10問、おしまい! おつかれさまでした。有名なものや個性的なものを中心にセレクトしたが、成績はいかがだっただろうか。
急いでいる時に横断歩道がなくて歩道橋を使うとなると「ちぇっ」となることもあるけれど、ひとたび注目するようになると楽しんで上り下りできるようになる。歩行者の不便を解消するためにあれこれ工夫を凝らして作られたと思うと、愛おしく感じられたりもする。歩道橋の上から眺める街は、視点が変わって一味違う楽しみ方ができるのもいい。今日どこかで歩道橋を見かけたら、ちょっと遠回りでも近づいて眺めたり上ったりしてみて!
たとえば「原宿」、そう言われて最初に思い浮かべるのは? 竹下通りの人混みや、神宮橋の交差点、表参道のケヤキ並木が浮かんだ人も多いはず。街の名前から連想することは人それぞれだ。でも、最初に思い浮べる風景といえばやはり駅前、駅を出てすぐの街の風景ではなかろうか。つまり、駅前の景色は街の顔。ならば、顔だけを見てどこの駅なのかを当てられるよね? というわけで、腕試しのご提案。その名も「この写真、どこの駅前でしょう?」クイズ!「どこだそりゃ」「降りたことねーよ!」となるとつまらないので、出題するのはすべて東京都にあるJRの駅、なかでも乗降者数ランキングが上位の大きな駅ばかりだ。辺鄙な地域ではないぶん、ロータリーや商業ビルなどぱっと見の雰囲気が似ている駅も多い。とはいえ、必ず各駅の特徴があるから、それを見落とさずに全問正解を目指してくれたまえ。なお、各出題画像のすぐ下にヒント、さらにその後矢印の下に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。では、行ってらっしゃい!
東京は“水の都”だった、とはよくいわれる話。埋め立てや暗渠化によってその面影は減ってしまっているものの、水辺ならではの景色はそこかしこにある。そのひとつが「橋」。重要なインフラであることはもちろん、ランドマークでもあり、物語の舞台にもなりうる。そんな「橋から見た景色」の写真が一体どこなのかを当てるクイズでございます。同シリーズの「この写真、どこの駅前でしょう」クイズは、赤点ギリギリ!という挑戦者が多かった模様。今回は駅前に比べて特徴があることに加え、出題範囲は東京23区内のかなりメジャーな場所。難易度は低いが、駅前のように万人が歩く場所ではないという落とし穴もある。「知っているかどうか」ではなく、写り込んでいるすべての要素から考察する過程を楽しむべし。【ご注意!】各出題画像のすぐ下にヒント、さらにその後矢印の下に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。では、行ってらっしゃい!
問題。1996年に刊行された雑誌『散歩の達人』の創刊号は、何の特集だったでしょう?正解は「路地裏の誘惑」と「極上お花見散歩術」。はい、話の全貌がわかりましたね。今回のクイズのテーマは路地裏です。もはや説明不要、散歩の醍醐味が詰まった場所。広々とした道やきれいに整備された土地にはない、一歩入り込んだ先にある魅惑の空間。渋くていい店がひしめきあっていたり、曲がりくねった形に複雑な歴史や地理が垣間見えたりする。「路地」「路地裏」の定義は諸説あるが、今回は東京23区内の「表通りではない」「いい感じの道」すべてを出題範囲にさせてもらったため、車も通行する通りや「横丁」と呼ばれる場所も含まれる。散歩の達人を目指す者が最初に履修するであろう(?)テーマとあって難易度は易しめ。ぜひとも全問正解を目指していただきたい。【ご注意!】各出題画像のすぐ下にヒント、さらにその後矢印の下に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。では、行ってらっしゃい。
道と道が交わる交差点は、街の重要な顔のひとつ。大きな交差点はその地域の象徴的な場所になることも多く、見知った景色が多いはず。そんな交差点の風景を、あなたは普段どこまできちんと記憶しているか腕試し! 「東京の交差点」クイズです。出題範囲は東京23区(のなかでも都心寄り)、よく知られた道が交わる大きめの交差点ばかりなので、ぜひ全問正解を目指してもらいたい。出題写真の交差点名にはボカしを入れたが道路名は見えるものもあるので、ヒントが足りない場合は拡大してみるのもアリ。また、解答には正式な交差点の名前と交わる道の通称道路名も記載している。街の名前や地名・エリア名だけでなく、「⚪︎⚪︎通りと△△通りの××交差点!」と回答できれば完璧だ。【ご注意!】各出題画像のすぐ下にヒント、さらにその後矢印の下に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。いざ、チャレンジ!
鉄道網が張り巡らされた東京の街には、線路を渡すための構造物である鉄道橋があちこちにある。この橋梁に注目して歩いてみると、周辺の地形をひもとく起点になったり、鉄道敷設の歴史が垣間見えたりするのだ。今回は、その鉄道橋がどこにあるものかというクイズ。高架橋や川や谷を越える橋ではなく、道路を渡る架道橋(ガード)に絞ってピックアップした。解答には、エリア名と併せて現地に記載されている橋やガードの名前も記載しているので、「手ぬるいぜ!」という達人にはぜひとも橋の名前までバッチリ当てることを目指してほしい。【ご注意!】各出題画像のすぐ下にヒント、さらにその後矢印の下に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。それでは、チャレンジスタート!