こだわりのカレーはクラフトビールと相性抜群。『CRAFT BEER HOUSE KIWI』[高井戸]
2016年、高井戸の庶民派商店街に、『高円寺麦酒工房』の元店長が開いた、クラフトビールの穴場。常時個性の異なる5タイプが飲める本格派である。店主手作りのシンプルで落ち着いた店は一人でも入りやすい。供されるのは、オリジナルのキーマカレー。ルーはクラフトビールを使いビターな味に仕上げ、ライスは歯ごたえある穀物感が魅力の古代米。薬味のピクルスはつまみでも供している自家製。当然のようにビールとも相性抜群。
『CRAFT BEER HOUSE KIWI』の店舗詳細
北ネパール、家庭の味を東京に。『RESTAURANT ネパリコ』[渋谷]
2種類の豆を煮込んだダルスープを一口。ブロッコリーなど野菜の煮込み、チキンカレーと小鉢を一周したらスープをご飯へ投入し、すべてを混ぜ合わせる! 仕上げに、爽やかなトマトペーストを少々。ネパールの定食・ダルバートは、一口ごと表情を変える驚きの一皿となる。強烈な辛さはなく、やさしい味わいにスプーンが止まらない。食べ終わる頃、隠れていたアジアのスパイスに、じんわり体が火照ってくる。
『RESTAURANT ネパリコ』の店舗詳細
スパイス香るファラフェル専門店。『kuumba du falafel』[神泉]
ファラフェルとはひよこ豆やそら豆とクミンなどスパイスを潰し、丸くして素揚げしたもの。中東が発祥とされるが、世界各都市で愛されている。同店の東京流は、ひよこ豆のファラフェルと紫キャベツやレタス3種、パセリペーストなどを盛り込んだサラダサンドだ。コシの強い自家製ピタパンは、毎朝店内で焼き上げられる。こんがり揚がったファラフェルとともに、野菜のみずみずしさを引き立てる。
『kuumba du falafel』店舗詳細
和食出身の店主の真骨頂カレー。『Anjali Curry Spice Foods』[下北沢]
かつてインドやスリランカを旅して回った店主の市原健一さん。現地で食べた味を手がかりに、また和食畑で培った自分の経験を信じ、オリジナルのレシピを考案する。出汁や食材の旨味を活かしたうえで「個人的には甘酸っぱいのも好き」。チキンにはスパイスのタマリンドを使い、辛味、旨味の間にほのかな酸味を忍ばせる。サンバルはしっかり凝縮させ、シャバシャバさせないのがAnjali流。
『Anjali Curry Spice Foods』の店舗詳細
トムヤムクンソバなど異色のラーメン。『バサノバ』[新代田]
2004年から続く環七沿いの名店。もともと人気豚骨ラーメン店だったが、エスニック好きの店主がグリーンカレーソバとトムヤムクンソバなる異色のラーメンを開発。これがキワモノでなくうまいのだ。グリーンカレーソバは、 ココナツミルクの甘いコクが適度に心地よく、あぶりたてのチキン叉焼(チャーシュー)や麺の細さなど、計算された繊細な味付けに驚く。油っぽさを排したステンレス製カウンターとか、店内も適度におしゃれで女性客が多いのもうなずける。
『バサノバ』店舗詳細
冷やしうどんの爽快さ、ここに極まる。『うどん白石』[吉祥寺]
「全メニューを制覇したい」。なんとも喉ごしのいい涼感たっぷりのうどんをズズズッとすすりながら、そんなことを考えた。成蹊大学の斜め向かいの繁盛店を切り盛りする白石さんご夫妻は、定番メニューも創作メニューもほどよく両立させつつ、決して奇はてらわない。「麺はムッチリとした食感が出るように製麺し、季節で太さも変えています。うどんは冷やしを推したいですね」。さて、次に来るときは何を頼もうか。
『うどん白石』店舗詳細
構成=ウィルゲート 取材・文=奥谷道草、小越建典、宮崎正行 撮影=山出高士、井原淳一、井上洋平