漫画はお菓子を傍らに、ゴロゴロしながら読むのが一番楽しい。でも、漫画喫茶ならいざ知らず、そんなズボラな“ながら族”を容認する図書館などあるはずもない……いや、ところがあるのだ、そんな夢のような図書館が。午前中だというのに、畳敷きの読書コーナーでゴロゴロ。押入れスペースと呼ばれる個室でゴロゴロ。飲み物を飲みながら漫画を読みふけるながら族が大勢いた。
立川まんがぱーく
ながら族が許される漫画好きの聖地
「目指したのは昭和の民家。思い思いに漫画を楽しんでください」と、館長の福士真人さん。ここなら、正々堂々と一日中漫画三昧。ここはパークというよりも、漫画天国なのである。
『立川まんがぱーく』詳細
公益財団法人 日本交通公社旅の図書館
観光に特化したJTBの資料室
「テーマのある旅を応援する図書館」として1978年に誕生した『旅の図書館』(開館当時の名称は観光文化資料館)。旅に必要な情報を収集する図書館として利用されてきたが、2016年にリニューアル。観光の研究や観光行政、観光産業に携わる人が活用できる専門性の高い資料を充実させた。旅行ガイドや旅行雑誌、機内誌などの他、地下のメインライブラリーでは、明治期の温泉や観光地の様子を伝える貴重な文献、地域資料などを公開。
『公益財団法人 日本交通公社旅の図書館』詳細
読書空間みかも
大正時代からの洋風古民家の図書室
かつて海軍士官が住んでいた大正13年(1924)建築の木造洋館が、ボランティアの手で『読書空間みかも』として運営されている。ゆったりとした時間が流れる、大正時代からの室内。書架やテーブル、ソファが配置された大正ロマンの薫りが漂う計11畳の空間で、読書に没頭できる。「蔵書は多くありませんが、詩や女性のエッセイなど、この洋風古民家の雰囲気に相応(ふさわ)しい本を置くように心がけています」と代表の上神千波弥(うえがみちはや)さん。
『 読書空間みかも』詳細
森の図書室
本好きのためのバーのような空間
「仕事帰りに読書をしながら酒が飲める場所が欲しかった」と読書家の森俊介さんが2013年にオープンした。一部の本棚には会員オススメの本が置かれているが、それ以外の本棚にはオーナーが選んだ本や寄贈本などが無作為に並ぶ。あえて作家別、ジャンル別にディスプレイしないことで、興味をそそられる本と出合ってほしいという思いがある。おもしろそうな本と巡り合えたら、グラスを傾けながらページをめくろう。
『森の図書室』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=中島茂信 撮影=山出高士