『sobasay(ソバセイ)』食べ進めるたび風味増す機械打ち十割そばは完飲必至[小伝馬町]

カルダモン冷やかけ800円(+パクチー300円)。
カルダモン冷やかけ800円(+パクチー300円)。

「十割そばを、もっとカジュアルに味わってもらいたいなと思って」と、店主の梅澤豪さん。旬の産地のソバ粉を用いた“手打ちに劣らぬ機械打ち”の十割そばが自慢だ。さらに、四季折々で変わり種もあり、この日はカルダモンを練り込んだそばが。ひと口つゆを飲むと控えめな薄味だが、そばをすすると本領発揮。噛めば甘みがじんわり広がり、追ってソバ粉の芳香が花開く。出汁のかつお節の香りと融合し、味の厚みは増すばかりだ。カルダモンとパクチーの爽快感に後押しされ、気づけば器にはつゆ一滴残らない。完食完飲なり!

複数飲食店を営む梅澤さん。
複数飲食店を営む梅澤さん。
旬の酒肴やトッピングにつゆをかけた「抜き」で飲むのも至福。奥は『小野田豆腐店』のお揚げ200円。焼酎は蕎麦湯割り700円~も可。
旬の酒肴やトッピングにつゆをかけた「抜き」で飲むのも至福。奥は『小野田豆腐店』のお揚げ200円。焼酎は蕎麦湯割り700円~も可。

『sobasay』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋小伝馬町6-6-12 脇田ビル1F/営業時間:12:00~14:30LO・18:00~21:30LO(土は12:00~17:30LO)/定休日:日・月/アクセス:地下鉄日比谷線小伝馬町駅から徒歩3分

『特撰ひやむぎ きわだち』このツヤをとくと見よ! 衝撃の生ひやむぎ体験[錦糸町]

合盛り(細麺&平打ち麺)850円。
合盛り(細麺&平打ち麺)850円。

店主の永井康太さんは、元そば職人。修業先で口にした生ひやむぎに心奪われ、2021年に日本初の専門店を開業した。「風味の決め手は、石臼挽きの全粒粉です」と、香川県産の全粒粉と群馬県産の小麦粉を独自配合。人気は、細麺と平打ち麺の合盛りだ。細麺をいただけば、プリプリの食感と喉越しが衝撃! 一方、平打ち麺は全粒粉のザラリとした食感が舌に触れ、噛めば小麦の甘みと香ばしさが口の中を埋め尽くす。どちらも魚介香るあっさり風味のつゆと相性ばっちり。同じひやむぎなのに異なる味わい。いやはや、面白い!

厨房に置かれた製麺機。
厨房に置かれた製麺機。
ひやむぎの刺身、すじもつ煮各500円、季節の日本酒600円~。つまみもひやむぎも堪能できるコース2450円(夜は3450円)も用意。
ひやむぎの刺身、すじもつ煮各500円、季節の日本酒600円~。つまみもひやむぎも堪能できるコース2450円(夜は3450円)も用意。

『特撰ひやむぎ きわだち』店舗詳細

住所:東京都墨田区太平1-22-1ソラナ錦糸町102/営業時間:12:00~14:30LO・18:30~20:30LO/定休日:火・水/アクセス:JR・地下鉄錦糸町駅から徒歩10分

『阿波や壱兆(いっちょう) 本店』夏の大定番・そうめんを自由自在にアレンジ[西荻窪]

鶏むね豆乳出汁そうめん1280円。
鶏むね豆乳出汁そうめん1280円。

店主・田中嘉織さんの出身地である徳島県の名産・半田そうめんの専門店。「麺が太いので温かくてもコシが持続するし、カレーのような濃い味も合うんです」。そう話す田中さんのアイデアが光るのが、日々期間限定で提供される気まぐれそうめん。鶏むね豆乳出汁そうめんも元々その1つで、人気が高まり温・冷2種の通年メニューに。田中さんの母の味を再現したという濃縮出汁が決め手で、クリーミーなのに飲み口は軽やか。冷やしだとさっぱり感が増し、ラー油のピリ辛も後押し。飲み干さずにはいられないおいしさだ。

素そうめん750円。麺の歯応えと旨味を実感。
素そうめん750円。麺の歯応えと旨味を実感。
金時豚の粗挽きBIG焼売2個780円、この夏一押しの火鍋2780円(小鉢、そば米付き)。麺を付けても◎。
金時豚の粗挽きBIG焼売2個780円、この夏一押しの火鍋2780円(小鉢、そば米付き)。麺を付けても◎。

『阿波や壱兆 本店』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻北3-20-12/営業時間:11:30~15:00LO・17:00~21:00LO(土は11:30~21:30LO、日・祝は11:30~20:00LO、売り切れ次第早じまいあり)/定休日:月/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩1分

『京都冷麺 アジョシ 虎ノ門』手打ち&ゆでたてが生み出す、プリッとはじける麺が衝撃![虎ノ門・虎ノ門ヒルズ]

京都冷麺 極1650円。
京都冷麺 極1650円。

透き通るような麺の色は、ソバ粉の中でも上質な御膳粉(ごぜんこ)を使っているから。麺のタネは店内で粉をこね、打ち立てを韓国製の油圧式製麺機でところてんのように麺を押し出して一気にゆで、冷水で締めて仕上げる。この工程の手際やタネの水分量の見極めで、麺の硬さが変わってしまうという。京都冷麺 極は、具がスダチだけとシンプルだからこそ、みぞれ状に凍らせた黄金スープの旨味が際立つ。ひと口すすれば出汁を取った和牛の肉のやさしい甘みとほんのわずかな塩味、スダチの爽やかさが溶け合う繊細なバランスに脱帽!

麺が膨らむ瞬間に湯から取り出し、締めるのも弾力を生む重要ポイント。
麺が膨らむ瞬間に湯から取り出し、締めるのも弾力を生む重要ポイント。
チョジャンやヤンニンジャンを絡めて食べるピビン冷麺 極1760円(ランチセット)。
チョジャンやヤンニンジャンを絡めて食べるピビン冷麺 極1760円(ランチセット)。

『京都冷麺 アジョシ 虎ノ門』店舗詳細

住所:東京都港区西新橋2-13-16 町田ビル1F/営業時間:11:00~14:00・17:00~23:00(金は~24:00、土・祝は15:00~24:00)/定休日:日/アクセス:地下鉄銀座線虎ノ門駅または地下鉄日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩3分

『焼肉 冷麺 ユッチャン。 六本木』ハワイからやって来たクセになるシャリシャリスープ[六本木]

葛冷麺1320円。
葛冷麺1320円。

ハワイで人気の『ユッチャン コリアンレストラン』の葛冷麺が日本上陸。6時間以上煮込んだ牛骨スープがシャーベットになっていて、ひんやり感だけでなく、旨味もしっかり。クズ粉とソバ粉を合わせた黒い麺は表面がツルっとして噛むともちもちで、スープのインパクトに負けてない。トッピングのダイコンとキュウリをかじると、酢漬けの甘みと酸味が滋味深いスープのアクセントに。単品でも頼めるが、ランチは焼き肉付きセットがお得。LAカルビをはじめ、甘辛い肉を食べた後は、さらに冷麺のおいしさが際立つのだ。

クズ粉、ソバ粉、小麦粉をブレンドした特注半生麺を韓国から直送。
クズ粉、ソバ粉、小麦粉をブレンドした特注半生麺を韓国から直送。
LAカルビ1名分2200円(写真は2名分)。フルーティーな甘めのタレにハワイを感じる。
LAカルビ1名分2200円(写真は2名分)。フルーティーな甘めのタレにハワイを感じる。

『焼肉 冷麺 ユッチャン。 六本木』店舗詳細

住所:東京都港区六本木7-17-24 eisu bldg./営業時間:11:30~14:30LO・17:00~23:00LO/定休日:不定/アクセス:地下鉄日比谷線・大江戸線六本木駅から徒歩3分

『ウミノイロ』これでもかと凝縮されしホンビノス貝のエキスが爆発のラーメン[勝どき]

ウミノイロ冷やし1200円。
ウミノイロ冷やし1200円。

マグロ卸業者が営む海の家『フィッシャリーズテラス』内で2024年5月に営業再開。「マグロ丼がウリですが、冬に何か温かいものをと始まったのがラーメンだったんです」と、店主の岩井哲人さん。しかし夏となれば、ホンビノス貝出汁100%の冷やしをぜひ試したい。今年(2024年)は、人気ラーメン店『ソラノイロ』が監修したコシある全粒粉入り中太麺を使用。スープとよく絡めてツルリといけば、口の中で貝のうまみが爆発。ほんのりアサリ香るカエシの塩味が後引く味わいで、箸が止まらなくなるやつ。うーん、なんだか活力が沸いてきた!

白ハマグリとも呼ばれるホンビノス貝は600円(500g)~で販売も。
白ハマグリとも呼ばれるホンビノス貝は600円(500g)~で販売も。
朝潮運河に面した最強ロケーション。マグロ丼、酒、つまみ、コーヒー、なんでもござれ。
朝潮運河に面した最強ロケーション。マグロ丼、酒、つまみ、コーヒー、なんでもござれ。

『ウミノイロ』店舗詳細

住所:東京都中央区豊海町3-13/営業時間:11:00〜14:30・17:00〜19:30(金・土は〜21:00)/定休日:月・火/アクセス:地下鉄大江戸線勝どき駅から徒歩15分

『キッチンきらく』江戸×秋田の伝統が融合した癒やしの味噌ラーメン[神保町]

冷がけ中華そば(味噌)1200円。
冷がけ中華そば(味噌)1200円。

厨房に立つ『麺や七彩』のオーナー・阪田博昭さんは、干すことで食感や旨味が増す技術に着目し、稲庭うどんの職人と共に「稲庭中華そば」を開発。夏は10種類以上の冷がけが登場するが、特に味噌は注目の一杯だ。「そもそも、味噌は体を温めてくれるもの。冷房で体を冷やしがちなこの時期にピッタリなんです」と、店主の月舘志乃ぶさん。江戸甘味噌にニンニク、ショウガ、ゴマを合わせた特製スープはとろみが強く、しなやかな麺がコク深い甘みと塩味が調和し、優しく体に溶け込んでいく。疲れた体が、息を吹き返していくようだ。

コシが強い稲庭中華そば。
コシが強い稲庭中華そば。
西日本に残るカレー焼きを再現したきらく焼き250円や、黄色いカレー970円などノスタルジックなメニューも日々開発。
西日本に残るカレー焼きを再現したきらく焼き250円や、黄色いカレー970円などノスタルジックなメニューも日々開発。

『キッチンきらく』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-5 M2神保町1F/営業時間:11:00~16:00(月は18:00~22:00も営業)/定休日:火/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分

『冷やし中華専門店 HiyaChu(ヒヤチュウ)』豊かな発想力と食への興味で冷やし中華の新ステージへ[西荻窪]

うにクリーム1300円(左)、ブラックビネガー1000円。
うにクリーム1300円(左)、ブラックビネガー1000円。

「決まりは中華麺を使うことと、冷たい状態の2つであとは自由!」とは、店主の三浦直子さん。定番のブラックビネガーは、ただのお酢とは違う穏やかな酸味のまろやかな味。かと思うと八角の華やかな香りが食欲を刺激し、ツナチャツネの味変も楽しい。同じく定番のうにクリームも、中華麺に合わせた醤油と酒粕の芳醇な風味のハーモニーが見事。居酒屋やフレンチなどに食べに行っても冷やし中華へのアレンジばかり考えているという三浦さんは、期間限定メニュー作りにも邁進中。2024年8月は宮古島食材のコラボメニューが登場。

ニラベースにホワジャオの痺れを効かせたグリーンソース1000円。喜多方ラーメンをイメージした中太麺を特注。
ニラベースにホワジャオの痺れを効かせたグリーンソース1000円。喜多方ラーメンをイメージした中太麺を特注。
夜はコース料理の締めに冷やし中華を提供。
夜はコース料理の締めに冷やし中華を提供。

『冷やし中華専門店 HiyaChu』

住所:東京都杉並区西荻南3-8-10 中根ビル2F /営業時間:完全予約制の飲み放題付きおまかせコース8800円で18:00~営業(開始時間は相談可。木・金・土は11:30~14:30LOで、冷やし中華単体のランチ営業もあり)。/定休日:水/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩2分

取材・文=どてらい堂(Sobasay、特撰ひやむぎ きわだち、ウミノイロ、キッチンきらく)、井島加恵(阿波や壱兆、京都冷麺 アジョシ 虎ノ門、焼肉 冷麺 ユッチャン。 六本木、冷やし中華専門店 HiyaChu) 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2024年8月号より