さっぱりした甘みのアイス、神谷町『SOWA』
約24種のフレーバーから2つを選ぶダブルアイス390円ほか、日替わりソフト290円など。材料を厳選し、店舗内の自社工場で製造。
ひんやりした冷たさとさっぱりした甘みは老若男女の癒やし。前回食べた時より溶ける速度が早まると夏を実感する。明治時代にはレストランの高級デザートというイメージだったが、大正9年(1920)、東京で国内初の工業化に成功。同じころ、塩と氷で冷やす手回しアイス製造機を導入する甘味処が増え、街で気軽に食べられるようになっていった。戦後、小売りが広まるとさらに大衆化。1955年に卸から始めた『SOWA』も、約50年前に小売りを開始している。
『SOWA』店舗詳細
選びきれないほどの種類!原宿『カフェクレープ ラフォーレ原宿ショップ (ストロベリーハウス)』
クレープは130種以上。ストロベリーバナナチョコ740円はトッピングのバニラアイス(別料金)とも相性ばっちり。サーモン&アボカドサラダ820円。
日本で最初に食べられるようになったのは原宿。1977年、竹下通りに『カフェクレープ』1号店がオープンすると最新ファッションに身を包んだ若者が列を成し、全国に伝播した。シンプルなものから、生クリームや果物でデコレートした華やかなメニューも登場し、種類豊富に。生地に小麦粉を使う王道の人気も健在だが、米粉やタピオカ粉を混ぜたもっちり系の競合店も現れ、クレープは多様化した。なお、紙で巻いて持ちやすくした形態は 『カフェクレープ』 が元祖。
『カフェクレープ ラフォーレ原宿ショップ (ストロベリーハウス)』店舗詳細
カステラまんじゅうの一種、人形町『人形焼本舗 板倉屋』
明治40年(1907)創業。店頭では、歯触りがカリッと香ばしい焼きたての販売も行う。できたてホカホカはあんこの口溶けがよい。七福神をかたどった人形焼1個100円~。
あんこを入れて焼いたカステラまんじゅうの一種で、七福神や観光名所、ご当地キャラクターをモチーフにしたものが多い。起源は諸説あり、なかでも人形町の 『人形焼本舗 板倉屋』 が界隈の名物にしようと考案したという説が有名。また、文楽人形をかたどった 『上野亀井堂』 の文楽人形焼は人形浄瑠璃師の助言をもとに作られた。縁日で実演販売する店もあり、職人の見事な手さばきについ見入 ってしまう。あんこが苦手な人にはあん無しタイプがおすすめ。
『人形焼本舗 板倉屋』店舗詳細
天然?養殖? 四ツ谷『たいやき わかば』
1953年の創業時から一丁焼きを貫く。 金型はオリジナルで、画家の木村荘八が描いた鯛がモデル。頭から尻尾まで、全身にたっぷりあんこが詰まっている。180円。
製法によって大きく2つに分類され、それぞれ〝天然もの〞〝養殖もの〞と呼ばれることも。前者は、金型に柄のついた道具(通称:ハシ)を使い、火床で 一匹ずつ焼き上げる「一丁焼き」。後者は、大きな鉄板に生地を流し込み、複数匹を一度に量産する。なお近年、一丁焼きは時代の波に呑まれて減少傾向にあるが、ファンには根強い人気がある。中身はあんこ、次いでクリームが定番だが、最近はチーズ、チョコレートなどのバリエーションを揃えるところも珍しくない。
『たいやき わかば』店舗詳細
ドーナツの専門店、雑色『高橋商店』
店内にドーナツがずらり、35種類以上。入り口の正面に並ぶケーキドーナツは、ドーナツ専門店に鞍替えした頃からずっと店の顔のような存在だ。本体価格は1個50円。今も昔も変わらず街に愛されている。揚げてあるのに決して重たくないのは、油にもこだわりつつ、 「水分の主成分が卵だから」 と店主の高橋守さん。「卵は熱を通しやすく短時間で揚がる」 そうで、サクッと歯切れよく、内側はしっとり。
『高橋商店』店舗詳細
文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ