温かい紅茶をゆったり飲める幸せ『紅茶専科 プチテ』[北品川]
「街なかに、気軽な紅茶の喫茶店って意外とないでしょ」と、蝶ネクタイ姿の店主、高野彰さん。インド・ダージリン地方「マカイバリ茶園」の無農薬栽培茶葉を中心にそろえ、ミルクティーだけでも5種用意。なかでもロイヤル・ミルクティーはほんのり甘くリッチな香り。たっぷり3杯分入ったポットをキャンドルの炎で温め、杯を重ねても冷めない心遣いもうれしい。
『紅茶専科 プチテ』店舗詳細
階段の先に広がる木漏れ日のテラス『GROVE Cafe&Green』[大井町]
柿の木陰を吹き抜ける風が気持ちいいこと。「自分たちでテラスを作ったんですよ」とは、フレンチ出身の店長・下川敦也さん。一軒家をオフィス兼ラボとして活用していたオーナーが、この風情を共有したくて2016年にカフェに。日替わりの前菜は昼飲みにピッタリ。 「組み立て順で味や香りが変わります」と話すバーガーには、富士宮や南阿蘇の新鮮野菜をたっぷり挟み、香りや歯触りの妙が楽しい。思いの外、ヘルシーだ。
『GROVE Cafe&Green』店舗詳細
さりげなく窓辺を彩る陶磁器カップ『ポットリー』[大井町]
ウエッジウッドにマイセン、ロイヤルアルバートなど、欧州の陶磁器が100客以上。 「器が大好き」と、ハンドドリップしながらママが目を細める。中には珍しい漆黒のカップもあり、「それはホットミルク専用カップ」と、笑う。皿に手書きしたメニュー、棚の一段を占拠するパンダカードなども愛らしい。苦味とコクの効いたコーヒーは、ドライフルーツ入りの他では類をみないチーズケーキと共に、ゆっくり楽しみたい。立春からの一年を占う九星気学もやってます。
『ポットリー』店舗詳細
極上のパン料理とコーヒーのある時間『hinata cafe』[大井町]
収穫時期が異なるニュークロップ(新豆)を世界の産地から折々に仕入れ、自家焙煎。バラの香り、チョコのような甘みなど、バリスタで店長の星雅人さんが持ち味を引き出して焼く。大崎『ビストロ八木商店』の2号店で、料理にも力を注ぐ。レーズン酵母から手作りするフォカッチャのクロックマダムは、サンドイッチというよりグラタン。ラズベリードレッシングなど、ときめく味ぞろいだ。
『hinata cafe』店舗詳細
使い込まれた道具がなじむ古民家カフェ『Cafe Grand Jete』[下神明]
アンティークの長テーブルや椅子、茶だんす、長火鉢、ティーカップなど、時代も国も異なる古いものが肩を並べる。空間を埋めるのは古時計のチクタク音。 「これはアンティークコレクターの親類から結婚祝いにいただいたものや、若い頃に飛騨高山から担いで帰ってきたもの」 と、店主の椋木(くらき)ゆきこさんは目を細める。大正モダン的艶やかな風情の中、南部鉄瓶で出される紅茶をお代わりしながら自家製のお菓子を楽しむ時間が贅沢。
『Cafe Grand Jete』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=原幹和