スタート:JR・地下鉄・ゆりかもめ新橋駅ー(5分/0.3㎞)→鉄道歴史展示室ー( 3分/0.2㎞)→アドミュージアム東京ー( 5分/0.3㎞)→浜離宮恩賜庭園ー( 32分/2.1㎞)→旧芝離宮恩賜庭園ー( 9分/0.6㎞)→竹芝ふ頭公園ー( 30分/2.0㎞)→レインボーブリッジ遊歩道芝浦口ー( 26分/1.7㎞)→レインボーブリッジ遊歩道台場口ー(すぐ)→台場公園ー( 3分/0.2㎞)→お台場海浜公園ー( 1分/0.1㎞)→ゴール:ゆりかもめ お台場海浜公園駅
今回のコース◆約7.5㎞/約2時間/約1万歩/高低差★★☆/体力度★★★
ベジタリアン 新橋本店
歩く前に、野菜ジュースで栄養補給
新鮮な野菜と果物で作るフレッシュジューススタンド。創業以来50年、新橋のビジネスマンたちに愛されてきた。パセリ、小松菜、ケール、タマネギなど野菜ジュースの種類が多く、メニューには栄養素や効能などが書き添えられている。二日酔いや悪酔いを防ぐというウコンフルーツ300円が人気というのもビジネス街らしい。
1 鉄道歴史展示室
日本の鉄道はここから始まった
明治5年(1872)に日本初の鉄道路線として開業した新橋停車場跡。1階展示室ではガラス張りの床から開業当時の駅舎基礎石の遺構を見ることができる。建物裏手には線路の起点を示す0哩(ゼロマイル)標識も復元されている。
2 アドミュージアム東京
時代を映す広告作品に当時が蘇る
世界でも例がない広告ミュージアム。江戸時代から現代まで約32万点の収蔵資料があり、日本の広告の歴史を知る常設展と、国内外の広告賞展などの企画展示がある。ライブラリーには広告関連資料が約7000点そろう。
3 浜離宮恩賜庭園
春には菜の花畑も見られる
江戸時代の代表的な大名庭園で、国の特別名勝・特別史跡に指定される。三百年の松、潮の満ち引きによって水位が変わる潮入(しおいり)の池、歴代の将軍たちが鷹狩りの際に休憩所として使われた御茶屋などが風雅な景観をつくる。
4 旧芝離宮恩賜庭園
芝に残る江戸初期の名園
老中・大久保忠朝が、延宝6年(1678)に自邸内に築いた回遊式泉水庭園「楽壽園」が始まり。宮内庁管理の離宮を経て、大正13年(1924)に都立庭園として公開された。地割と石組みの秀逸さが特徴。
5 竹芝ふ頭公園
目の前は180度広がる東京港の絶景
伊豆諸島や小笠原に向かう船が発着する竹芝客船ターミナルと一体となった公園。勝鬨橋や晴海方面、レインボーブリッジ、お台場を一望できる絶景が広がる。客船ターミナルはカフェやショップも利用できる。
6・7 レインボーブリッジ遊歩道
橋上から望む東京港の絶景
レインボーブリッジの芝浦口と台場口を結ぶ全長1.7 ㎞の歩行者専用道路。晴海方面を望むノースルート、お台場方面を望むサウスルートがあり、台場側から190mのところにノースとサウスを横断できる通路がある。
8 台場公園
黒船来航の歴史を伝える国史跡
黒船の来襲に備えて江戸幕府は6つの台場(砲台)を築造した。現存するのは2つで、ここは第三台場跡。陣屋跡や砲台跡、火薬庫跡、かまど跡などの遺構が残る。レインボーブリッジ直下のビュースポットでもある。
9 お台場海浜公園
都内で楽しめる、マリンリゾート地
東京港の入り江を利用した公園で、レインボーブリッジと一体となった景観が素晴らしい。西側にはパリ市にある自由の女神像から型を取った高さ約11mの自由の女神像が立つ。海上バスや水陸両用バスの発着場もある。
URAN(ウーラン)
野菜から季節を感じられるデリ
ショーケースに並ぶのは、新潟県村上市から取り寄せた麹で造った自家製発酵調味料を使った日替わりデリ。常時15種類ほどが用意され、ここから4種類を選び、自家製焼き立てパン・麦ご飯・お粥から一品選ぶ、4種のデリカセット800円。テイクアウトもできるのでお台場海浜公園で味わうのもいい。野菜は千葉の農家まで買い付けに行く。
【コース解説】
新橋は鉄道発祥の地。まずはその歴史を伝える『鉄道歴史展示室』を訪ねよう。高層ビルに囲まれた建物は、開業当時の駅舎を復元したもの。クラシカルな洋館は、文明開化の時代を想像させる。
『鉄道歴史展示室』の裏から地下通路を経て『アドミュージアム東京』へ。ここは日本唯一の広告ミュージアム。「広告は時代を映す鏡」というが、展示されたポスターや看板、CМなどを見ていると、時代の変化を実感する。
浜離宮恩賜庭園と旧芝離宮恩賜庭園は、いずれも江戸時代に造園された大名庭園。池や植栽が描く風雅な庭園が素晴らしく、後方にそびえるオフィスビルとの新旧の対比も都会ならではの光景といえる。
湾岸の散歩道から見えるレインボーブリッジの絶景
竹芝ふ頭公園へは、昨年6月に完成した歩行者デッキを歩こう。デッキは地上15 mの高さがあり、歩を進めるたびに東京港やレインボーブリッジが近づいてくる。ふ頭に向かう道としては申し分のないアプローチだ。
帆船のマストを模したモニュメントが見えてきたら竹芝ふ頭公園はすぐ。勝鬨橋、晴海、豊洲、レインボーブリッジと180度に広がる海の風景を楽しもう。竹芝桟橋からはレストラン船の東京ヴァンティアンクルーズが、隣接する日の出桟橋からは東京湾クルーズが発着し、辺りには観光地らしいムードが漂う。この先は倉庫街となるが、倉庫が並ぶ風景というのも普段は見慣れないので新鮮だ。
レインボーブリッジ遊歩道は、晴海側とお台場側に分かれる。お台場はこの後に訪ねるので、都心のビル街と東京タワーや東京スカイツリーなどを眺める晴海側のノースルートを歩こう。フェンス越しの眺めが大半だが、途中、フェンスが切れるところもあるので、写真を撮るならここから。
レインボーブリッジ遊歩道の台場口を出るとすぐ右側に台場公園の入り口がある。幕末に築かれた砲台跡が残り、お台場の名の由来になったところ。最先端タウンに残る幕末の遺構が時の流れを感じさせる。
お台場海浜公園は、レインボーブリッジを眺める特等席。東京オリンピックのマラソンスイミングやトライアスロンの会場となるため、一部が工事のため閉鎖されている。お台場海浜公園駅をゴールにしているが、1つ先の台場駅近くまで歩けば、レインボーブリッジを背に自由の女神像が立つ。
取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)
『散歩の達人』2021年2月号より