アクセス
電車:JR・地下鉄東京駅から東海道新幹線で約50分の三島駅下車。東海自動車バスに乗り換え約13分の柿田川湧水公園前下車ほか。
車:東名高速道路東京ICから沼津ICまで約103km。同ICから柿田川公園まで約6km。
柿田川公園
マイナスイオンに満ちあふれる
柿田川源流域に整備された自然公園。最上部の第一展望台から第二展望台、湧水広場、舟付場を経て木製八つ橋まで、水辺の表情に触れながら散策を楽しめる。解説板も充実。隣接する民間施設「柿田川湧水の道」には食事処や土産物店、観光案内所などが集まる。
●入園自由。静岡県駿東郡清水町伏見71-7
柿田川湧水群
日量110万tもの湧水量を誇る
富士山に降った雨や雪が伏流水となり、長い年月をかけて溶岩台地の南端で湧出。数十カ所もの湧水口から湧き出た清冽な水は柿田川となって町の中心部を流れ下り、ほどなくして狩野(かの)川に合流。全長約1.2kmの柿田川は日本で最も短い一級河川であり、貴重な自然を保護すべく、ほぼ全域が国の天然記念物(地質鉱物)に指定されている。
(写真は「柿田川公園」第二展望台から見た紡績工場井戸跡の湧き間)。
●静岡県駿東郡清水町伏見
一里塚
旧東海道を挟んで並び立つ
一里塚とは、慶長9年(1604)に江戸幕府が日本橋を起点に、1里ごとに設置した道程標識の塚。江戸から29里目に当たる旧東海道沿いには、玉井寺(ぎょくせいじ)一里塚と宝池寺(ほうちじ)一里塚(1985年に復元)が残り、旅人が行き交った往時を偲ぶことができる。
●静岡県駿東郡清水町伏見707(玉井寺一里塚)
静岡県駿東郡清水町伏見720-1(宝池寺一里塚)
岩崎米穀しゃり工房
イートイン席からは富士山もちらり
お米屋さんが営むおむすび屋さん。注文を受けてから握るおむすびはシンプルな塩むすび100円をはじめ20種を超える。町内で生産される希少種の古代米「緑米」を白米に混ぜて炊き上げた緑米むすび160円のほか、目張りむすび170円、スパムむすび200円など風変わりな品揃えも。食事のお供に合う総菜や揚げ物も販売。
板倉こうじ製造所
町の伝統を頑なに守り続ける
味噌や甘酒造りに欠かせない糀を、気候や原料の状態を見極めながら手作業で丹念に製造。生の糀は要冷蔵で日持ちしないため店頭のみの取り扱いで、米糀は100g 98円、麦糀は同94円で販売。自家製糀で仕込んだ味噌や塩糀432円、甘酒の素324円も人気だ。生糀付きの手造り味噌キット1400円で味噌造りにも挑戦を。
ちぇりーろこ
気さくな焼きたてクレープ屋さん
季節限定も含め約35種のメニューが揃うクレープ専門店。作り置きせず、注文が入ってから焼き上げる生地は、卵たっぷりでもっちりとした食感だ。バナナチョコ生クリーム400円、ハムチーズサラダ370円など。イートインスペースもある。
丸池
夕日に照らされた富士の姿も秀逸
三島市との境にある湧水を利用した農業用ため池で、周囲は約380m。江戸時代後期には水争いの舞台となった歴史を持つが、現在では池畔に親水公園が整備され、町民憩いの場となっている。隣接する境川・清住(きよずみ)緑地は三島市に属するが、小さな橋を渡って自由に行き来できる。
●静岡県駿東郡清水町玉川
pechka(ペチカ)
柿田川公園に面した上質の空間
柿田川公園の自然が目の前に広がる開放的なカフェ。ご飯もの2種・自家製バケット1種からなる料理(不定期に変更)のほか、苺と抹茶のタルト700円、自家製アップルジンジャー600円などスイーツやドリンクメニューにもこだわりがひしひし。木目を生かした温かみある店内や提供される器からも、センスのよさが伝わってくる。
ゆうすい商店会
商店街がない町で奮闘する商店会
商店はあるものの商店街のない清水町。「点在する魅力的な個人店をつないで地域の活性化に」と2015年に発足したのが「ゆうすい商店会」だ(2023年4月現在21店が加盟)。
毎月第3日曜には各店がこだわりの品を持ち寄り、清水町地域交流センター駐車場で「ゆうすい朝市」を開催。例年来場者でにぎわう「ホタルまつり」は沼津卸商社センター展示場で2023年6月18日に開かれる。
本城山(ほんじょうやま)公園
箱根連山や南アルプス南部も一望
狩野川と柿田川の合流点近くにある標高76mの本城山。
戦国大名北条氏政が戸倉城を構えた地で、現在は眺めのよい公園として親しまれている。途中、傾斜の急な場所もある遊歩道を進むと、開けた山頂部にたどり着き、展望台からは360度の眺望を堪能できる。
●入園自由。静岡県駿東郡清水町徳倉1921-1
天然酵母ぱんクープ
行列のお目当ては個性派ベーグル
週3日の営業ながら開店前には長い行列が。培養した天然酵母ならではのうまみが存分に感じられるベーグルは、一番人気の塩バター220円のほか、豆乳クリームと粒あん250円やバジルソースとチーズ250円など、季節限定商品も含めて15種前後が並ぶ。バター・卵不使用でもちもちした食感の食パン1斤350円もおすすめ。
観賞魚センターKAWAGUCHI
キャッチフレーズは“小さな水族館”
入り口に描かれた金魚の絵が目印。代表の川口久男さんは、らんちゅう品評会で幾多の賞を獲得した経歴を持つ達人だ。店内に100個以上並ぶ水槽では金魚・熱帯魚・鯉・メダカ・ホタルなどを飼育・販売。柿田川の流れを水槽で再現したオリジナル商品「柿田川mini湧水群」フルセット4万3000円は見ているだけで心が和む。
沼津卸団地 食遊市場
曜日限定のお得情報も見逃せない
地域密着型の庶民派市場。青果・鮮魚・精肉・菓子など食品から花・雑貨まで21の個人店が長~い通路の両側にずらり。近隣ホテルや飲食店関係者の利用も多く、台車で豪快に箱買いする様子を目にする。目利きの眼鏡にかなった品々を一般客が購入できるのも大きな魅力だ。
旅のワンポイント
レジャーシートを広げて柿田川公園でのんびり
観光案内所『わくら柿田川』(☎055-975-7155)では手ぶらでピクニックを楽しめるグッズを借りられる。わくわくセット500円ほか。
頼朝・義経兄弟が涙の対面を果たした地
応神天皇を主神として祀る八幡神社。社殿左奥側の境内北隅には源頼朝と義経が腰かけ、源氏再興の苦心を語ったと伝わる対面石が残る。
取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2023年5月号より