◆散歩コース◆

体力度:★☆☆
難易度:★☆☆

  • 登山シーズン 1月~6月、9月~12月
  • 最高地点 609m(実成山)
  • 歩行開始地点 282m(新井バス停)
  • 歩行時間 3時間55分
  • 歩行距離 約9km
スタート
新井バス停
バス停の先の三叉路を左に入り、車道を進む。鶴川に架かる鏡渡橋を渡って左手の小倉方面へ。

要害山入口
小倉集落は要害山の中腹にあるので眺めがいい。集落を抜けて山ノ神神社から左へ。道は次第に急になる。

要害山
ジグザグの上りから山頂へ。砦のあった山頂は広く展望がいい。登下分岐から風の神。下って登り返す。

コヤシロ山
コヤシロ山の展望もいい。実成山は展望なし、その先に展望所。なんとも気持ちのいい道が続く。

尾続バス停
尾続山からは下る一方。尾続バス停近くの車道に出て、鏡渡橋を渡って新井バス停に戻る。

ゴール
新井バス停


アクセス:
[行き]JR中央線新宿駅から高尾駅へ。高尾駅からJR中央本線で上野原駅へ。上野原駅から富士急バス新井バス停、約1時間20分。
[帰り]新井バス停から富士急バス上野原駅へ。上野原駅からJR中央本線で高尾駅へ。高尾駅からJR中央線で新宿駅へ、約1時間20分。


上野原駅から新井バス停へ行く便はけっこう多いが、鏡渡橋、尾続バス停へ行く松姫峠方面の便は平日なら8時台1便、土休日なら9時台の1便。


上野原市を流れる相模川の支流、鶴川の東側には能岳(のうだけ)や八重山(やえやま)のハイキングコースがあり、西側には要害山へ行くハイキングコースがある。どちらも手軽に登れる山さんぽができる。

上野原駅からバスに乗って新井バス停で降りる。登山口のすぐ前の鏡渡橋(きょうどばし)バス停もあるが、平日だと午前には1便しかないので、あまり使えない。ま、新井で降りても、たった15 分余計に歩くだけ。

鏡渡橋手前から要害山の全貌が現れる。お碗を伏せたような、まあるい形。逆お椀型単独峰が要害山である。てっぺんに杉の木が立っているので、おっぱいのようにも見える。

新井バス停から鏡渡橋へ向かっていると要害山が見えてくる。地元では、おっぱい山と呼んでいるとか。
新井バス停から鏡渡橋へ向かっていると要害山が見えてくる。地元では、おっぱい山と呼んでいるとか。

登山口から舗装路を上がって行くと、小倉の集落。新緑一歩手前の時季だが、穏やかな春の匂いが漂っている。畑の菜の花、桜も咲きはじめている、いい里山の風景だ。

道端に古そうな石碑。見ると出羽三山の名称が刻まれている。集落を抜けると、山ノ神神社。その脇の道が要害山への登山道。道標があり、「要害山秋葉大権現登山口」と書かれている。なんとも大仰な名称である。

小倉の集落に上がって行くと鶴川が見える。
小倉の集落に上がって行くと鶴川が見える。
小倉集落の道端に出羽三山の石碑と顔が風化した石仏が佇んでいた。
小倉集落の道端に出羽三山の石碑と顔が風化した石仏が佇んでいた。
小倉集落の民家の前にかわいらしいポスト、と思ったら鳥さんの巣箱でした。
小倉集落の民家の前にかわいらしいポスト、と思ったら鳥さんの巣箱でした。
小倉集落から鶴川の東側になる能岳方面の眺望。左の小高い山は、標高468mの虎丸山だろう。
小倉集落から鶴川の東側になる能岳方面の眺望。左の小高い山は、標高468mの虎丸山だろう。

かつて大倉砦があった、要害山山頂へ

お椀の上部に来ると展望が開け、上野原の街並みが一望できる。まもなく山頂へ。ここ要害山は、かつて砦があったところで、大倉砦といった。そのせいか山頂はかなり広い平地になっていて、展望も申し分なし。南側が開け丹沢方面の眺めがいい。

要害山山頂手前の展望。左手の大きな山が石老山、その右の奥は仏果山。
要害山山頂手前の展望。左手の大きな山が石老山、その右の奥は仏果山。

この辺の中央線沿いには烽火台や砦、山城などが多い。有名なのは、大月駅近くの岩殿山にあった岩殿城。ほかにも鶴島御前山や四方津(しおつ)御前山などには烽火台があった。

要害山の先、登下(とっけ)と大倉へ下る分岐点に古い石灯篭が立っていた。
要害山の先、登下(とっけ)と大倉へ下る分岐点に古い石灯篭が立っていた。

山頂から尾根道を歩いて小さな祠がある風の神。ここの展望もいい。コース上一番の急坂を下りてコヤシロ山へ。コース最高峰の実成山(みなしやま)の先にまた絶好の展望所。上野原方面の眺めがいい。

実成山は展望がないが、その先にコース最後の展望所あり。
実成山は展望がないが、その先にコース最後の展望所あり。

尾続山(おづくやま)のピークを踏んで麓へ。

時間に余裕があれば、鶴川の東側の能岳や八重山にも行くことができる手軽なハイキング。

 

アドバイス

風の神から下りるところが急坂なので注意。ロープがあるので心配はいらない。ほかには危険箇所もなく、手ごろな山さんぽのできるいいコース。天候次第で富士山も見える。

山歩きメモ

バス便は少ないが、上野原駅から尾続バス停まで最初に行って、逆コースで回り、新井バス停に戻るというのが時間的には効率がいいかもしれない。それなら足を延ばして能岳や八重山縦走も楽に行けるだろう。

足を伸ばして 能岳・八重山コース

鶴川の東側には能岳から八重山を歩くコースがある。もっとひと山歩きたい健脚は、鏡渡橋を渡って虎丸山登山口から能岳へ上り、八重山へ縦走してみるのも面白い。時間的にはおよそプラス2時間30分から3時間で大堀バス停。

 

八重山からの展望は素晴らしい。うっすらと富士山。
八重山からの展望は素晴らしい。うっすらと富士山。
テーブルとベンチのある能岳山頂。展望はないにひとしい。
テーブルとベンチのある能岳山頂。展望はないにひとしい。

一福食堂

山帰りに大満足のどっさり料理がうれしい

バジルカツ700円。
バジルカツ700円。

上野原駅の駅前にある食堂。暖簾には「大衆食堂」という文字。なんとすっきりしている潔さ。創業が1956年というから、そろそろ70年の老舗食堂だ。基本はラーメンだが、食堂的なメニューがいい。駅が近いのもグッド。※2022年1月末~2月末まで改装のため休業。

 

●11:00~20:30、水・木休。JR中央線上野原駅から徒歩2分 ☎0554-63-0636

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より